JavaがOSになる?? 29日に重大発表か
●JavaOneカンファレンス今週開催
冗談でもウソでもない、ホントの話。といっても、パソコン向けのOSではなく、家電やインターネット端末向けの超コンパクトOSだ。コード名「Kona(ハワイ産コーヒー名)」と呼ばれるこのOSについて、5月に来日した米JavaSoft社(米Sun Microsystems社の子会社)のアラン・バラッツ社長は「最小バージョンなら512KBのROMと128KBのRAMがあれば動作する。JavaそのものがOSになったようなもの」と説明した。Konaの上では、HotJavaなどのJavaアプリケーションが動作する。また、SunではKonaを自社のJava端末に搭載するほか、他社へのライセンスも行なうそうだ。
Sunは、5月29日、つまり日本時間で5月30日深夜から開催されるJava開発者向けのカンファレンス「JavaOne」で、Konaを発表すると見られている。このJavaOneは、おそらくJavaにとって、発表以来、最大の節目となるだろう。それは、Konaだけでなく、これまでJavaに欠けていたさまざまな要素がすべてここで発表されるからだ。
ひとつは、Javaのプログラミング環境を完成させるためのAPI群やクラスライブラリだ。バラッツ社長によると、
- 3Dグラフィックスやビデオ、テレフォニなどを含むマルチメディア
- データベースやトランザクションシステムへのアクセス
- 暗号キー管理やデジタル署名などセキュリティ
- 電子決済などEコマース関連などの新API群
などについて、多くが明かされるそうだ。また、サードパーティから開発ツールやコンパイラ、バーチャルマシンなども発表されるらしい。
それだけではない。JavaOneではさらに、これまでのような小型のアプレットではない、本格的な「メガバイトサイズのJavaアプリケーション(複数)が登場する」(バラッツ社長)という。WordPerfectを買い取った加Corel社が、Java版WordPerfectを発表するというニュースも、一部のニュースサイトで流れている。これらのアプリケーションは、話題のNetwork Computer(NC)でも原則として使うことができる。
JavaOneを境に、いよいよJavaはその幼年期を終える。Windowsワールドに挑戦する新しいプラットフォームとしての姿を明確にするわけだ。Javaが本当に、プラットフォームインディペンデントな新しい世界を確立できるかどうか、これからが正念場となる。
JavaOne関連の発表が公開されると見られるサイト(日本時間30日深夜以降)
http://java.sun.com/new.html
http://java.sun.com/javaone/
('96/5/27)