■Appleのインターネット宣言の受け取られ方

 NC連合の発表より一足先に、Appleは、Mac版低価格インターネット家電

「Pippin」をBandai Digital Entertainment社が米国で発売すると発表し た。

これは、5月13日から開催された開発者向けカンファレンス

「Worldwide Developers Conference(WWDC)」で明らかにされたものだ。

 Appleを3ヶ月前に引き継いだギルバート・アメリオ会長兼CEOは、WWDC

でPippin以外にもインターネットにフォーカスした新方針を数多く発表、

「インターネット宣言」とも呼ぶべき再建計画を提示した。これは、WWDC

に集った開発者には、好意的に受け止められたようで、コンピュータ系ニ

ュースサイトでは詳細に報じる記事が多かった。とりあえず、Appleコミ

ュニティには、アメリオ氏が冷たい整理屋ではなく、精力的な再建屋であ

ると印象づけることに成功したと言えるだろう。

 ところが、ビジネス系ニュースサイトとなると、温度差が感じられる。

いずれもWWDCの概要は伝えたものの、扱いはそれほど大きくない。

さらに 、ウォールストリートの反応のバロメータである株価となると、WWDC

以降、わずかだが下がってしまった。つまり、投資家の支持を得ることには、

成功しなかったわけだ。これは、Macintoshの機種を削るというコスト削減

策が、まだまだ手ぬるいと受け止められたためと見られる。

 Appleにとって現状で急務なのは株価よりもむしろ開発者とユーザーの

ロイヤリティの維持。その意味では、正しいインターネット宣言だったか

も知れないが、アメリオ氏が、なんらかの結果を早急に出さなくてはなら

ない状況に変わりはなさそうだ。

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WWDCの発表に関するPC Watchの記事
AppleによるWWDCのサイト

WWDCについて冷淡な記事の例


[Reported by 後藤 弘茂]


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