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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
infoMagic | ||
Millennium G550 | ||
HeadCasting Engineを搭載したスタンダードなビデオカード | ||
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
今回の試用機はDVI-IとD-Sub15ピンの出力端子を持っていたが、パッケージにはそれぞれをD-Sub15ピン、VIDEO/S-VIDEOに変換するアダプタが付属する |
カードは本体と小型のサブボードを2枚組み合わせた構成になっている。本体側はいわゆるLow Profileサイズに収まる小型のもので、G550を含むほとんどのパーツはこちらに搭載される。そのG550には従来同様パッシブタイプのヒートシンクが装着され、冷却ファンが使われることの多い最近の製品に慣れた目からすると、逆にちょっとした違和感があるが、騒音が発生しないことをうれしく思うユーザーも多いだろう。
G400およびG450の特徴であった、1チップで二つのディスプレイに出力するデュアルヘッド機能は今回も健在で、さらにG550ではチップ内に二つのTMDSトランスミッタを搭載することで、2系統のデジタル出力も可能となった。
出力コネクタはメインボード上にプライマリディスプレイ用のDVI-Iコネクタが配される。サブボード上にはセカンダリ側のコネクタが搭載されるのだが、製品のバリエーションにより組み合わせるサブボードが異なる。今回試用した製品はセカンダリ側がアナログRGBであったが、DVI-Dコネクタを搭載したサブボードが付属するタイプでは、2系統のデジタル出力も可能になる。こうしたサブボード構成は、カノープスやSUMAのボードなどでも見られるが、これらの製品が利便性と画質向上を目指しているのに対し、G550の場合は純粋に製品バリエーションを増やしやすくするためのもののようだ。これは使用頻度がより高いはずのプライマリ側コネクタが基板に直付けで交換できない点を見ても分かる。なおパッケージには、DVI-I端子からD-Sub15ピンのアナログRGB端子に変換するためのアダプタが付属する。
本製品のビデオチップである、Matrox G550。従来のG450から性能は向上している |
しかしG550における改良の焦点は、こうしたパフォーマンスアップではなく、むしろ人間とPCとのよりスムーズなコミニュケーションといった、使い勝手の向上にある。それをもっとも顕著に示しているのが、新たに加わった独自の3Dエンジンである「HeadCasting Engine」だ。これは人間の頭部をPC画面に表示するのに特化されたレンダリングエンジンで、これを用いれば、まるでテレビ電話のように、PC画面上にレンダリングされた人間の頭部を表示させることができるのである。付属の専用アプリケーション「HeadFone」を用いれば、インターネット経由の仮想的なテレビ電話も実現することができる。独自機能ということで、対応アプリケーションがどれくらい登場するかが鍵となるが、使い方によってはかなりおもしろい機能と言えるだろう。
気になる画質だが、さすがに画質面では定評ある同シリーズだけあってなかなかシャープな印象の画面である。ただ、高解像度で使用するとわずかではあるが、ゴーストも見られた。従来に比べるとDVI-IからアナログRGBへ変換するための変換コネクタが挟まる関係上、これが画質に悪影響を与えているのかもしれない。アナログ画質を重視するのならば、できればDVI-IとアナログRGBとを直結できるケーブルを用いたほうがよいだろう。もちろん、DVIコネクタを活かして、液晶ディスプレイとのデジタル接続で利用するのもお勧めだ。
ベンチマーク環境 CPU:Pentium III 1.0BGHz、マザーボード:ASUSTeK CUSL2、メモリ:PC133 SDRAM 256MB(CL=3)、HDD:IBM DTLA-307030(30GB)、OS:Windows Me(DirectX 8.0aインストール)、画面解像度:1,024×768ドット/32bitカラー/75Hz(Vsync=OFF) |
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□infoMagicのホームページ
http://www.infomagic.co.jp/
□製品情報
http://aserve.procen.net/infomagic/products/view.asp?I_compname=Matrox&I_groupname=Millennium+G550
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【6月20日】Matrox、ハードウェアT&L搭載のMillennium G550発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010620/matrox.htm