元麻布春男の週刊PCホットライン

テスト用マザーボードラックの変遷にみるATXマザーの大型化
~台湾製の無印良品ラックはATX規格対応?


●バラック組みフレームの問題点

 PCを構成するパーツを固定するだけでなく、各パーツに適切な冷却を行なうという点でも、ケースの役割は重要だ。しかし、複数のプラットフォームで性能を比較する場合など、マザーボードをとっかえひっかえしながらベンチマークテストを行なう際に、いちいちマザーボードをケースに固定していられないことも少なくない。ケースからマザーボードを取り外すには、マザーボードを固定するネジを外すだけでなく、装着した拡張カードをすべて外す必要があり、その手間が惜しまれるからだ。

超頻之家 ツクモ電機のワゴンセールで買ったフレーム

 そこで、用いるのが上の写真のようなバラック組み? 用のフレームだ。左は、しばらく前に「超頻之家」という商品名で売られていたもの。元々、こうした目的(PCのパーツを載せて、暫定的なテスト運用に用いること)を念頭に売られたもので、付属品として、リセットスイッチや電源スイッチ、各種のLEDに加え、マザーボードの絶縁用マットが付属していた。右はツクモ電機のワゴンセールで買ったもの。果たして、このような目的で作られたのかどうかは分からないが、サイズ的に手ごろだったのと、価格が極めて安かった(確か990円)ため、使っている。こちらには、特にマザーボードを乗せて使うためのアクセサリ類は付属していなかったので、自分で用意した(といっても、絶縁マットはマザーボードの箱に敷かれていたものを流用しただけだが)。

 こうしたフレームを使うようになって困ったのは、とっかえひっかえ乗せ換えるマザーボードの扱いだ。テストが終わるたびに箱から出し入れするのも面倒だ。そもそも、バルクのマザーボードのように、箱がないものは困ってしまう。


●ミニコンポラックに不満を抱いてきた理由

ルミナスシリーズのラック
 そこで、まず購入したのが左の写真のようなラックだ。株式会社ドウシシャが販売するルミナスシリーズの収納家具の、ミニコンポラックと呼ばれるモデル( http://www.luminous-club.com/catalogue/living-f.html の品番PD5040-3A2)。その名前の通り、ミニコンポを収納するためのものだが、写真で見れば分かる通り、サイズ(幅49cm×奥行き29cm×高さ41.3cm)的にATXマザーボード2枚を収納するのに都合がいい。ほぼ同じ大きさでパソコンラック-Aと呼ばれるものも用意されているが、ミニコンポラックの方が棚板が1枚多いため、筆者はこちらを選んだ。このルミナスシリーズは比較的安価であるにもかかわらず、耐荷重100kgと十分で、商店のディスプレイにも良く使われている(秋葉原のPC販売店でも使われている)。

 この写真でもう1つバレてしまうのは、筆者がマザーボードにリセットスイッチや電源スイッチ、さらには電源やHDDのLEDをつけっぱなしにしていることだ。基本的に筆者は、マザーボードなどを購入する際に、セットでこうしたスイッチ類とLEDを購入する。そしてそれらをつけっぱなしにしてしまうのである。いちいち、テストするたびにマニュアルを引っ張り出して、スイッチ類をつなぐのは面倒臭いという、ただそれだけの理由だ。ちゃんと動作する分には、LED類はなくても良いのだが、トラブルが生じた時、LEDの状態がトラブル解消のヒントになることがある。そんなわけで、LEDもマザーボードの数だけ用意している。

 さて、筆者が愛用してきたミニコンポラックだが、最近になって不都合が生じ始めた。たまたま筆者の手元に集まったマザーボードだけの問題かもしれないが、どうやらマザーボードが徐々に大型化しつつあるのだ。写真の場合、上段の左側のマザーボードはASUS TekのCUBX-E、右側はIntelのD815EEAで、問題なく収まっている。いずれのマザーボードも奥行き(写真では左右方向)は21~22cmというところである。このサイズなら何の問題もない。

 ところが、Pentium 4対応マザーボードは、大型のヒートシンクを採用するせいか、奥行きがATX規格上の上限である24.4cmのものが増えてきた。ミニコンポラックの幅は49cmあるのだが、この数字にはポールの直径が含まれている。ポールの直径12.7mmを2本分引いてしまうと、残りは45cm程度。Pentium 4マザーを2枚並べることはできないのである。しかし、24.4cmという奥行きがATXの規格に準拠したものである以上、文句をいう筋合いのものではない。筆者の方で、新しいラックを用意する必要がある。


●ATX規格にぴったりな無印良品ラック

無印良品のラック
収納マザーは
AOpen AX4T
AOpen AK73Pro (A)
Epox EP-3VHA
 何か手ごろなものはないか。しばらく探した末に、ようやく見つけたのが左の写真のラックだ。「無印良品」ブランドを展開する良品計画が販売する「スチールフリーラック・MDF」(商品コード1454023 https://www.muji.com/webapp/commerce/command/ProductDisplay?prmenbr=1666&prrfnbr=21332 )という商品で、価格は4,000円。ほかに棚板がパンチングメタルになっているものも用意されている(価格は5,000円)。

 サイズは奥行き25.5cm、幅32cm、高さ66cm。定形サイズであるA4より明らかに大きく、細いパイプ分を差し引いてもATXマザーボードの最大サイズ(30.5cm×24.4cm)が問題なくおさまる(カタログ上は、奥行き約27cmとなっているが、実寸は25.5cmしかないため、写真4の前後方向なら問題なくマザーボードの出し入れが可能なものの、左右方向でマザーボードを出し入れすることはできない)。まるでATXマザーボードに合わせたようにピッタリである(このラックが台湾製というのも、ひょっとすると、と思う理由だ)。拡張カードを挿した状態でも、ラクラク収納できるのがうれしい。

 ちなみに、写真で収納しているマザーボードは、上からAOpen AX4T(Pentium 4/i850)、AOpen AK73Pro (A)(Athlon KT133A)、Epox EP-3VHA(Pentium III/Apollo Pro 266)の3枚。Pentium 4対応のマザーボードはAX4Tのみだが、残る2枚の奥行きも規格いっぱいの24.4cmになっている。ここに示したマザーボードは該当しないものの、オンボードにIDE RAID機能を持たせたマザーボードが増えていることも、マザーボードの大型化を促しているのかもしれない。



●おまけ:PC用のメモリーカードケースをプリペイドカードに流用

エレコムのメモリーカードケース
 以上、2つのラックは、特にPC用として売られていないものを、PC用に使った例だったが、最後にPC用? のグッズを一般用に使っている例を紹介しよう。左の写真は、エレコムが販売するメモリカードケース(DGC-005RD)。内側にはPCカード1枚と、スマートメディアまたはCF2枚が収納可能だ。筆者はこれを小銭入れとして使っている。

 このところ、身の回りでプリペイドカードを使う機会が多い。写真に示したのは、首都圏の私鉄の共通乗車カード(パスネット)と、JR東日本のイオカードだが、不思議なことに、これらのカードと小銭をいっしょに入れられる小銭入れがない。札入れ、小銭入れ、カード入れ、名刺入れ、といくつも持つのがイヤな筆者は、このメモリカードケースを小銭入れとして使っている、というわけだ。

 このケースは、メモリカードを保護するためのクッションに加え、保護用のボール紙(おそらく)が入っており、プリペイドカードが折れないで済む。小銭入れとしての使い勝手、という点から言うと、メモリカードの出し入れがしやすいよう、ぐるりと開くファスナーがかえって邪魔(慣れないうちはバラバラと小銭を落とすハメになる)なのだが、今のところ他に替わりが見つからない。誰かカード入れ兼用の小銭入れを作ってくれないだろうか。

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(2001年9月26日)

[Text by 元麻布春男]


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