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クリエイティブメディア
Sound Blaster Live! Value
10,000円を切る価格で登場した定番サウンドカードの廉価版
TEXT:藤本 健 Ken Fujimoto


カードのデザインは、一般的なサウンドカードと同様、シンプルな構成になっている
 「Sound Blaster Live!」シリーズの最下位モデルとなる「Sound Blaster Live! Value(以下、Live! Value)」という製品が登場した。ご存じの方もいると思うが、この「Value」という名称の製品が登場したのは2回目になる。一番最初のモデルである「Sound Blaster Live!(以下、Live!)」が98年に登場して、すぐに同名の製品がリリースされたのだ。発売された年が3年違うだけに、ハードウェアのスペックは若干変わっているが、コンセプトは同様。つまり、Live!の機能はそのままに、拡張性も持たせた上で、できるだけ機能をスリム化し、価格を下げるというものだ。

 実際、今回のLive! Valueの標準価格は9,800円で、10,000円を切っており、店頭価格では従来のバルク品をも下回る価格設定となっている。


アナログ出力は4chまでだが、S/P DIF出力を外部デコーダなどに入力すれば5.1chでの使用が可能
 気になるのは、どれだけの機能が削減されているのかということだ。まず、サウンドカード本体を見ると、現世代の「Sound Blaster Live! Platinum 1394」や「同Live! Digital Audio2」と比較して若干の違いがある。上記2製品は、アナログ4chの出力に加え、デジタルのコネクタをセンター+ウーファーのアナログ出力に変更して使用できるため、計5.1chの出力が可能だ。しかし、Live! Valueではこの切り換えができず、デジタル出力のみとなるため、アナログでのサラウンドは4chまでとなっている。また、カード上にS/P DIFの入力がないというのが二つ目の違いであり、それ以外はほとんど変わらない。

 ただ、多くのユーザーには、この二つの機能は不要だろう。前者は、S/P DIFの出力を使用し、外部のデコーダを使えばDolby DigitalやDTSの5.1chが実現できる。また、後者は、今やソフトウェアでリッピングするのが普通となっているので、接続端子自体が不要である。


本製品の心臓部であるクリエイティブメディアのEMU10K1サウンドチップ
 次に、拡張ユニットが付いていないことが違いとして上げられる。拡張ユニットのLive!Driveなどがないため、Live! Value単体ではデジタル入力はできないし、光接続は入出力ともサポートされていない。また、MIDIインターフェースも使うことができない。これについては、それぞれオプションで拡張可能であり、実際にLive!Driveを接続してみたところ、問題なく動作した。

 そして、もう一つの違いがソフトウェアだ。現在のLive!シリーズにはどれも数多くのゲームがバンドルされているほか、SoundForgeXP、CubasisVST、ReCycle!Liteなどさまざまなユーティリティやアプリケーションがバンドルされている。だが、Live! Valueには、ドライバおよび、Live! Valueに各種機能やアプリケーションを追加するLive!WareのCD-ROMが1枚入っているだけだ。マニュアルもCD-ROM内にPDFで入れられているだけで、紙のマニュアルは存在しない。しかし、確かに各種ソフトはカットされているが、ユーザーによってはこれらが不要という人もいるだろう。また、Live!Wareは最新のものが入っているため、これだけでもLive! Valueの価値を十分に引き出すことができる。


AC '97 CODECは上位機種のLive! Platinum 1394などと異なり、Crystal CS4297Aが採用されている
 このような徹底的なコストカットによって低価格が実現されているわけだが、以上のことからも分かるとおり、Live! Valueのサウンドカードとしての価値は、ほかのLive!シリーズと比べてもまったく遜色ない。EMU10K1というDSPが搭載されているため、サウンドに各種エフェクトをかけることもできるし、SoundFontを利用することでMIDIシンセサイザとしても機能してくれる。また、S/P DIFの出力を利用すれば非常にクリアなサウンド出力も可能となっているのだ。

 Live! Valueは、価格が安いから初心者ユーザー向けだというのではなく、すでにLive!シリーズを持っている人や、使った経験のある人がもう1台欲しいという場合に最適な製品のように思える。ほかのLive!シリーズとの違いを知った上でLive! Valueを購入すれば、ずいぶんコストパフォーマンスの高い買い物ができそうだ。


  • 製品名:Sound Blaster Live! Value
  • 標準価格:9,800円
  • メーカー:クリエイティブメディア株式会社
  • 問い合わせ先:03-3256-5577
  • URL:http://japan.creative.com/
  • サウンドチップ:Creative EMU10K1
  • 対応スロット:PCI 2.1
  • インターフェース:LINE IN×1、LINE OUT(フロント)×1、LINE OUT(リア)×1、S/P DIF OUT(同軸)×1、マイク×1、GAME/MIDI×1
  • 対応OS:Windows Me/98/95/2000/NT4.0+SP6以降

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □クリエイティブメディアのホームページ
    http://japan.creative.com/
    □製品情報
    http://japan.creative.com/soundblaster/products/sblv/welcome.html
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