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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
NEC三菱電機ビジュアルシステムズ | ||
RDF171H | ||
ダイヤモンドトロンM2管採用のスタンダードなCRTディスプレイ | ||
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
奥行きは415mm。液晶ディスプレイに比べるとはるかに大きいが、CRTとしては比較的コンパクトなサイズだ |
重量や形状もRDF171Sとまったく同じとなっているが、ボディカラーは大きく変更されており、RDF171Sのオフィスホワイトから、171Hではフロント部がシャンパンゴールド、キャビネット部がラベンダーという、しゃれた感じのツートンカラーに変更となった。色の好みは人それぞれだろうが、いかにもオフィス機器という従来イメージから大きく脱却したことは確かだ。
入力端子はアナログRGB1系統で、D-Sub 15ピンケーブルが本体背面に直付けとなっている。価格を考えると1系統入力という構成も仕方ないのかもしれないが、LCD方式に比べて場所を取る17型CRTディスプレイでは、使い勝手を考えて2系統入力切り換えが欲しいところだ。
通常の画面モード。ATI RADEON VEを接続しての1,024×768ドット/32bitカラー表示 | 左と同じ環境におけるスーパーブライトモード。白は飛び気味だが輝度・コントラストはきわめて高くなる |
スーパーブライトモードの切り換えは左端のボタンを使ってワンタッチで行なえる |
ただ、スーパーブライトモードは、通常のテキスト表示を行なうにはやや明るすぎて目が疲れる。そのため通常の表示モードとスーパーブライトモードとは、本体前面に配置された切り換えボタンによって必要に応じて切り換えるようになっている。なお、色再現性については、同社製品ではすでにおなじみではあるが、sRGBにも対応している。
ディスプレイ前面には、モード切り換えボタンを含めて、OSD操作用など全部で七つのボタンが1列に並ぶ。ボタンサイズやデザインはどれも同じであるため、OSDで上下左右のカーソル移動をする際などは、間違って操作してしまうことが多く、少し気になるところだ。
前述の入力端子数などと合わせて考えると、全体的にコストダウンの影響は否めないものの、画質に関しては健闘している。スーパーブライトモードの迫力はもちろん、通常表示でも価格を考えれば十分にシャープな画質だ。限られたコストを、画質面に注ぎ込んだ設計というところだろう。
15型液晶とほぼおなじ表示面積で、しかも省スペース性に劣る17型CRTは、最近ではちょっと元気がない分野だ。液晶ディスプレイの価格が下がってきたという点も、CRTにとっては逆風となっている。ただ、ピクセル等倍以外の解像度で使用しても画素数変換にともなうボケが発生せず、より高解像度で利用できることや、色再現性の高さ、応答性に優れ、残像が少ない点など、CRTの優位性は数多く残されている。なにより液晶ディスプレイの半額以下という価格も魅力だ。流行に乗って液晶というのではなく、この辺りでもう一度CRT方式のディスプレイに注目してみてもよいのではなかろうか。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□NEC三菱電機ビジュアルシステムズのホームページ
http://www.nmv.co.jp/
□製品情報
http://www.nmv.co.jp/mitsubishi/product/rdf171h/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010509/nmv.htm