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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
アドビ システムズ | ||
Photoshop Elements | ||
デジタルカメラユーザーに最適なフォトレタッチソフト | ||
TEXT:薮田織也 Oliya Yabuta |
Adobe Photoshopと言えば、世界中のフォトレタッチソフト市場の8割を占めるとも言われる製品である。そのPhotoshopの機能限定版として登場したのがPhotoshop LEで、アドビストアの販売価格が9,800円と、フルバージョンの約1/10となる魅力的な価格で人気を博した。
今回紹介するPhotoshop Elements(以下Elements)は、LEの後継バージョンに位置付けられる製品ではあるが、LE、つまりLimited Editionとはまったく異なる製品だと言える。と言うのも、現行のLEがあくまでもPhotoshop 5.0の機能限定版であり、フルバージョンの機能からプロ向けの高度な機能を外しただけの製品だったのに対して、Elementsはフォトレタッチのミッドレンジユーザー向けに、それも日本市場をかなり意識してファインチューンされた製品に仕上げてあるからだ。Photoshop 6.0(以下6.0)のエンジンを使いながら、操作性を大幅に改良、また6.0にはない新しい機能を数多く追加するなど、Elementsには意欲的な試みが随所に見られる。
視覚的に分かりやすい各種パレットや、Officeライクなツールバーも搭載された、まったく新しいPhotoshopだ | 分割して撮影した風景写真を、高度に合成するフォトマージ機能。予想以上に簡単で、精密に合成することができる |
トーンカーブの一部の機能をスライダーだけで実現した「シャドウを明るく」と「ハイライトを暗く」の機能。簡単な操作で高度な色調補正が可能だ |
6.0のレイヤー効果にあたるレイヤースタイルもサムネイル表記になって、初心者にも分かりやすくなった。6.0には繰り返し使う一連の操作を登録しておくアクションパレットがあるが、Elementsではエフェクトブラウザという新しいパレットとして登場している。これは、複数のステップを踏むことでできる編集効果が、あらかじめいくつか登録されているもので、アクションパレットのように自分で編集したり新しく登録したりすることはできない。それでも熟練ユーザー以外には大変便利な機能だし、ヒストリーパレットを使って編集履歴を遡れば、レタッチの学習になるはずだ。このヒストリーパレットとはコマンド単位の編集履歴を見ることのできるパレットで、任意の編集位置までアンドゥさせられるものだ。ヒストリーパレットを使えば、数ステップ前と比較することも容易になる。
iモード用画像とコンパクトHTMLを自動生成する機能が登録されたレシピパレットと(右)、iモードウィザードで生成したプレビュー画面(左)。iiモード対応ページをはじめとして、Web作成関連の機能も充実している |
高度な画像編集機能の点でElementsと6.0を比較すると、やはり機能限定版のイメージはぬぐえない。チャンネルパレットやトーンカーブといった、Photoshopの熟練者には必須の機能がないし、CMYK画像の編集はできない。画像の自由変形機能とクイックマスクモードもカットされている。それでも、デジタルカメラ写真を使ったWeb用画像作成ソフトとして必要な機能の多くを装備し、操作性と柔軟性に富んだ優秀なフォトデザインソフトに仕上がっている。一般ユーザーにとっては、Elementsがあれば6.0は必要ないと言っても過言ではないだろう。
●製品名:Photoshop Elements
●標準価格:9,800円
●メーカー:アドビ システムズ株式会社
●問い合わせ先:03-5350-0407
●URL:http://www.adobe.co.jp/
●対応OS:Windows Me/98/2000/NT 4.0
●動作環境
・CPU:Pentium 60MHz以上
・メモリ:64MB以上(96MB以上推奨)
・HDD:200MB以上の空き領域
・ビデオカード:800×600ドット以上、256色以上を表示可能なもの
□アドビ システムズのホームページ
http://www.adobe.co.jp/
□製品情報
http://www.adobe.co.jp/products/photoshopel/main.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010417/adobe.htm