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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
キヤノン | ||
BJ S630 | ||
静粛性と高品位印刷を両立させた史上最速のインクジェットプリンタ | ||
TEXT:本間 文 Bun Honma |
完全双方向印刷を実現した本機のエンジン部。動作音もわずか39dBという静粛なものとなっている |
同製品はこれまでは敬遠されがちだったCMYKの4色モデルで、とくにモノクロやカラーのビジネスプリントを得意とする。今回紹介するキヤノンのBJ S630は、このBJ S600をベースに高速化を図ったA4判プリンタだ。とはいえ、ビジネスユースばかりではなく、家庭での利用も想定しているため、ボディカラーはこれまでのややベージュがかった色から、最近のメーカー製PCに多いシルバーグレー系の色へと変更されている。
インターフェースはUSBとパラレルポートという一般的な組み合わせのため、接続側のPCを選ばない | ボタン類は電源ボタンと、リセットボタンのみとなる。写真中央は電源ランプ |
さすがに、フォトプリンタに比べれば粒状感は残るが、自然な階調表現は4色インクならではと言える |
さらに、BJ S600シリーズ用に開発された新型ヘッドのインク吐出サイズは5pl(ピコリットル)と細かく、薄色インクを採用したフォトプリンタにはおよばないものの、専用紙を使えば写真印刷でも十分に使えるレベルのクオリティを実現している。確かに、近付いて見ればハイライト部などのドットがクッキリと見えてしまうが、薄色インクとレギュラーインクの切り換えをしなくてよいCMYインクモデルの特性を活かし、自然な階調表現を実現している。これならば、ビジネス文書はもとより、2,400×1,200dpiの高解像度出力と耐光性25年を実現したプロフェッショナルフォトペーパーを組み合わせ、写真を活かしたカレンダー作りなどでも十分に楽しめるはずだ。
BJ S600用に開発されたプリンタドライバには大きな変更はなく、設定項目が少ないシンプルなユーザーインターフェースは、初心者でも違和感なく使いこなせるように配慮されたものだ。しかも、このドライバはNECやコンパックコンピュータ、ソニー、日本IBM、富士通のPC主要モデルにプリインストールされているほか、この夏の新製品では、新たに東芝と松下電器産業のノートPCにもドライバがプリインストールされることが決まっている。
さらに、オプションとしてAXIS製のBluetoothアダプタ(BT-850:19,800円)も用意されており、Bluetooth対応PCをなどを組み合わせれば、ワイヤレスのプリントアウト環境を構築することもできる。PDFドキュメントなどの大量印刷をする機会が多いユーザーには、初心者、上級者の区別なく、安心してオススメできる製品に仕上がっている。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□キヤノン販売のホームページ
http://www.canon-sales.co.jp/
□製品情報
http://www.canon-sales.co.jp/Product/BJ/s630.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010511/canon.htm