NEW PRODUCTS TESTREPORT

	高木産業
	PNIV-PIII 1000U
	20万円を切るPentium III 1.0BGHz搭載ノート
	TEXT：一ヶ谷兼乃　Kenno Ichigaya

キーボードは、十分なキーピッチが確保されているほか、パームレストも広く、操作しやすいものとなっている

　ここ1、2年ノートPCの人気が高くなってきている。つい最近まで、デスクトップPCに比べ、ノートPCのほうが価格的に割高だったが、ノートPCの最新機種は、デスクトップPCに負けないような高性能なCPUを搭載しながら、コストパフォーマンスでも劣らない魅力的な機種が揃ってきている。今回紹介する高木産業のPNIV-PIII 1000Uもその一つで、Pentium III 1.0BGHzを搭載しながら200,000円を切る、アグレッシブな価格設定が魅力の製品だ。

　PNIV-PIII 1000Uは、同社のPURPOSEノートシリーズのフラグシップモデルで、上記のPentium III 1.0BGHzに加えてチップセットにSiS630Sを採用している。どちらのチップもモバイル専用ではないためモバイル専用のチップより消費電力は大きいが、その分コストパフォーマンスに優れる。とくにSiS630Sはチップセットに多く見られるNorth BridgeとSouth Bridgeという2チップ構成を1チップに集約し、それに加えて3Dアクセラレーション対応のビデオ機能やAC '97サウンド機能などを搭載している多機能なもので、本機の高いコストパフォーマンスの実現に役立っている。

本体左側面にはCD-R/RWドライブ（上、製品版とは色が異なる）とPCカードスロット、右側面（下）にはFDDを備える

　メインメモリは標準で128MB、15GBのUltra ATA/100対応HDDを搭載している。ディスプレイはXGA（1,024×768ドット）表示に対応した14.1型のカラーTFT液晶だ。インターフェースは背面部にまとめられており、シリアル、パラレル、VGA、USB、PS/2、10BASE-T/100BASE-TX、V.90対応56Kモデム、マイク、ステレオヘッドホンといったコネクタが揃う。

　本体右側面にはFDDとIrDAポート、左側面にはCD-R/RWドライブとType2のPCカードスロットが1基設けられている。ポインティングデバイスは一般的なタッチパッドタイプで、スクロールなどの機能はないが、反応もよく、操作性は良好だ。キーピッチ約19mmと、デスクトップ機並みのキーボードは、長時間の操作にも十分対応できる品質を持っている。

【お詫びと訂正】初出時にPCカードスロットはType2 2基と記載されておりましたが、1基の誤りです。お詫びして訂正いたします。

本体背面部には、USB、シリアル、パラレル、ディスプレイと、一般的なコネクタ類が並ぶ

　今回、ビジネスアプリやゲームを動作させてみたが、余裕のCPUパワーと標準で128MBという十分なメモリ、SiS630Sという組み合わせは、まさにデスクトップPCそのもので、快適な操作を行なうことができた。とくに、一般的にノートPCでは3Dグラフィックを使ったPCゲームは苦手とされてきたが、PNIV-PIII 1000UではDiabloIIのようなタイトルでの画面描画もスムーズだった点は特筆に値する。このクラスの性能があれば最新のビデオチップを必要とするヘビーなゲームでもない限り、大抵の用途に利用することができるだろう。ただ、最近のPCに装備されていることが多いIEEE1394は装備されていないので、DVカメラなどを接続する場合には、別途PCカードタイプのインターフェースを用意する必要がある。

　高性能なPNIV-PIII 1000Uであるが、3.5kgという重量とバッテリ駆動動作が1.5時間と短いことから、頻繁に屋外に持ち運ぶような使い方には向いておらず、移動可能なデスクトップPCといった位置付けになる。ただ、重さに関しては、デスクトップPCのような使い方とするのであれば、卓上に置いたときに安定するので、逆にメリットとも言えるだろう。

HDDには、背面部のフタを外すだけで容易にアクセスすることができる

　本機のハードウェア構成はシンプルではあるものの、処理能力や画面描画などの基本的な性能が高いために、ビジネスからエンタテイメントまで、いろいろな楽しみ方ができるPCに仕上がっている。実用的な製品を手頃な価格で入手したい方にお勧めしたい製品だ。