NEW PRODUCTS TESTREPORT

	富士通
	FMV-DESKPOWER AV7/765T
	テレビチューナーを内蔵したCRT一体型機
	TEXT：水島伸行　Nobuyuki Mizushima

本体左側面にはビデオ入力やアンテナ入力などの端子が新たに備えられた。

　富士通から、CRT一体型PC、FMV-DESKPOWER AVシリーズの新モデル「FMV-DESKPOWER AV7/765T」が発表された。今回のAV7/765Tでは426×438×389mmという比較的コンパクトな筐体に15型FDトリニトロンモニタを一体化した設計にこそ変わりがないものの、基本性能の向上とともに、テレビ表示、録画機能の装備という大幅な機能強化が図られている。

　注目のテレビ表示、録画機能はほかのDESKPOWERシリーズと同様、アイ・オー・データ機器のmAgicTVと呼ばれるソフトによって実現されている。このソフトは、テレビ番組の表示のほか、タイムシフト再生やiEPG方式のインターネット番組表を利用した録画予約にも対応しており、流行のテレビパソコンに必要とされる機能を一通り備えるものだ。録画ファイルの画質は高画質（bitレート約4Mbps）、標準画質（約2Mbps）、長時間（約1.5Mbps）の3種類から選択できる。録画ファイルのフォーマットはmAgicTV以外で再生することのできない独自形式だが、MPEG2形式に変換する機能を備えているため、変換後のファイルをほかのマシンで再生することも可能だ。

本体両サイドには、フォスター製のスピーカーが内蔵されている

　操作パネルは地味な見た目ではあるが、その半面、必要な機能をすぐに見付けることができるので、初心者でも迷うことはないだろう。また、各チャンネルの番組内容を一覧表示するマルチ画面機能なども備えられており、使い勝手もよい。ただし、テレビ番組の表示中、とりわけタイムシフト再生時にはマシンの動作が重くなるため、テレビを見ながらほかの作業を並行して行なう、というスタイルはややつらく感じられた。

　また、本体側面部にはS-VIDEOおよびVIDEO入力端子が備えられているため、コンシューマゲーム機やビデオデッキを接続することも可能となっている。このほか、赤外線リモコンが付属しており、mAgicTVの呼び出しや、チャンネル選択、タイムシフトモードへの切り換えなどをテレビ感覚で利用することができるのもうれしい点だ。

前面にはCD-R/RWだけでなく、下部に2基のPCカードスロット（製品ではカバーが付く）も備えている

　PCとしての基本スペックは、CPUが従来機のCeleron 700MHzからCeleron 766MHzへ、メインメモリ容量は64MBから128MB、さらにHDD容量は30GBから40GBへと強化されている。従来機ではメモリ容量の不足からスワップが起きる場面も多かったが、AV7/765Tではこれが軽減されており、複数のアプリケーションを同時に起動しての作業も行ないやすくなった。

　このほかの特徴は従来機とほぼ同様で、本体前面および側面に用意されたIEEE1394およびUSBポート、PCカードスロット経由で、さまざまな機器を接続することができる。内部拡張スロットこそ持たないが、デジタルカメラやMP3プレイヤーなど、近年人気の高い製品を接続する際に問題とはならないはずだ。さらに、バンドルソフトにはPanasonic MotionDV STUDIO 3.0も含まれているので、家庭での需要が高いDVのキャプチャや編集環境としても活用することができる。このソフトやmAgicTVで作成されたビデオファイルは、内蔵のCD-R/RWドライブを利用して保存、閲覧が可能となっている。

iEPGにも対応したmAgicTV。操作系はシンプルで分かりやすいもの

　テレビ表示・録画という人気の高い機能を新たに備えた本機だが、そのWEB MARTによる直販価格は154,800円であり、お買い得感はこれまで以上のものと思われる。手軽で多機能な個人向けのAVマシンとして、有力な選択肢となる1台だ。