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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
セイコーエプソン | ||
Colorio コピー・ライト CC-500L | ||
低コストでカラーコピーを実現するプリンタ・スキャナ複合機 | ||
TEXT:本間 文 Bun Honma |
コピー機を思わせる操作パネル。液晶が小さいため、モードの選択や確認をするときの視認性は今一つ |
そうした市場動向に敏感に反応して、エプソンはCC-700の下位モデルにあたる、複合プリンタ「Colorioコピー・ライト CC-500L」を発売した。本製品は、アジア市場では昨年夏には投入されていたモデルであり、とにかくコストパフォーマンスを追求した作りになっている。
インクカートリッジ交換が容易にできるように、スキャナ部全体が開閉する仕組になっている。これで、カラープリンタのインク交換と同じ感覚で作業できる |
一方、コピーやFAX機能の要となるスキャナ部は、光学解像度600×1,200dpiのCCDを採用、最大読み取り解像度は9,600dpiを実現する。また、読み取り階調はRGB各色12bit入力、8bit出力をサポートしているため、雑誌などのカラーコピーだけでなく、写真のスキャニングなどにも十分な性能を持っている。
PCとのインターフェースはUSBのみで、パラレルポートは装備されていないが、接続の容易さを考えれば妥当な仕様と言える。対応OSは、Windows Me/98に加え、Windows 2000 Professionalにも対応しているあたりは、企業ユーザーも視野に入れているためだろう。
読み取り可能範囲はA4サイズまで対応する。ただし、プリント可能領域は上下左右3mmの余白が必要となる |
これにより、ユーザーは原稿台に写真を置き、プリントモードを選ぶだけで簡単に写真の焼き増しができてしまうほか、付属の多機能デスクトップソフト「SMART PANEL」を使えば、FAXやコピーはもとより、簡単なマウス操作で、スキャンした画像を自動的にメールソフトに貼り込んだり、付属のOCRソフト「読んde!!ココfor EPSON」を自動起動して、新聞などの情報をテキストデータに変換したりすることも可能だ。
また、CC-500Lでは、印刷時間がA4カラー/ノーマルモードで約49秒、カラー/ファインモードで約3分27秒と、上位モデルのCC-700より高速化が図られている。しかも、モノクロではA4ノーマルモードで約16秒を実現しており、PCからのプリントアウトと同等の高速印刷を実現する。これは、インクを6色から4色へと変更したことだけでなく、カラー各色48ノズル、ブラック144ノズルというヘッドの高密度化を実現した成果だ。
確かに、実際にプリンタ製品を選ぶ上では写真画質の差に目が行くのは仕方ないが、こと複合機に関しては、画質以上にストレスなく印刷できることのほうが重要だ。その意味では、スペックダウンした低コスト版とも見られがちな本製品こそ、複合プリンタ市場をさらに拡大させる起爆剤的な存在となるだけの実力を秘めた製品なのである。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□エプソンのホームページ
http://www.i-love-epson.co.jp/
□製品情報
http://www.i-love-epson.co.jp/products/spc/cc500l/cc500l3.htm
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【2月28日】エプソン、カラーコピーも可能な複合機
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010228/epson.htm