NEW PRODUCTS TESTREPORT

	ロジテック
	LCM-T171AS
	ビジネス用途に最適な低価格17型液晶ディスプレイ
	TEXT：青海文哉　Fumiya Chinhai

台座部は簡単に着脱でき、VESA準拠のアームを取り付けることもできる

　ロジテックからビジネス用途に最適な、低価格17型TFT液晶ディスプレイ「LCM-T171AS」が発売された。同社は13.3型から18型まで6製品ものラインナップを揃えるほど、早くから液晶ディスプレイに力を注いできたメーカーである。最近では5インチベイに収納可能な4型TFT液晶という個性的な製品を発売したことでも有名になったので、ご記憶の読者も多いことだろう。

　そのロジテックのビジネス向け液晶ディスプレイの中核をになうと期待されているのが、このLCM-T171ASである。企業の液晶ディスプレイ導入は、年々増え続けているが、ここ最近の液晶パネルの低価格化を受け、しだいに大画面化の要求が強くなってきていた。そうした要望に応えるべく投入されたのが、このLCM-T171ASなのだ。

1,280×1,024ドット／32bitカラー表示。高輝度・高コントラストを実現しているわりにはハデさはなく、自然な発色の画面表示だ

　液晶パネルは、1,280×1,024ドット、1,677万色表示をサポートしており、画素ピッチも0.264mmという高精細さを実現している。また、輝度レベルは250cd/m²と明るく、コントラスト比にいたっては最大400：1という同クラスの液晶ディスプレイと比較してもトップクラスの性能を誇っている。走査周波数も水平30～82kHz、垂直56～77Hzに対応しており、最近の高性能なビデオカードと組み合わせても十分に対応できるレンジの広さを保っている。

　ビデオ信号入力はアナログRGB方式1系統で、ケーブルは直付けとなっている。また、本体前面には小型ながら最大3W＋3Wの出力に対応したステレオスピーカーが装備されており、ビジネス利用では十分なサウンド再生を実現する。

OSDメニューは日本語化されており、初心者でも操作にとまどうことは少ないだろう

　法人ユーザーの多いロジテックならではの配慮としては、日本語化されたOSDメニューや画像調整の簡便さが挙げられる。最近では、海外から安く出来合いの液晶ディスプレイを持ち込むことができるため、ショップブランドPCなどとセット販売される製品には、OSDメニューが英語やスペイン語しかなかったり、画像サイズや位置の自動調整機能を持たなかったりするものも多い。しかし、さすがは大手周辺機器メーカーらしく、本製品にも実にシンプルな内容ながらすべての機能を簡略に説明した日本語マニュアルが同梱されているほか、OSDメニューも完全に日本語化されているため、ちょっとディスプレイの設定を変更したいというときにも、簡単に調整できるはずだ。

本体前面のAutoボタンで自動調整、EnterでOSDメニューの呼び出しを行なう

　しかも、本体前面中央に配置されているAutoボタンを押せば、画像サイズや位置、フェーズ、色合いなどを自動的に調整してくれるため、ほとんどの場合、セッティングに苦労をすることはない。さらにロジテックではこの自動調整でも画面にチラツキやドットずれが生じたときに、ディスプレイの調整範囲の中で最適な設定ができるように、画面調整用のツールまで付属させている。

　実は、最近のビデオカードはCRTディスプレイの高性能化に伴い、デフォルトでもリフレッシュレートが高めに設定され、液晶ディスプレイでは逆にチラツキを生じさせる原因となる場合も多い。このようなときは、ディスプレイやビデオカードに関する知識が豊富なユーザーであれば、ビデオカード側の設定を変更したり、手動でディスプレイ側を調整したりするのだが、一般のユーザーが、これらの原因を特定することは難しい。そこでロジテックでは、画面調整用のパターンを表示させ、その出力信号レベルを確認することで、ビデオカード側の設定を変更せずにディスプレイ側の補正を行なうようにしているのだ。この辺りは、1日に何十台というマシンをセッティングしなければならないPC管理者にとってはうれしい配慮と言えるだろう。

ディスプレイケーブルは直付けだが、電源部と極力離すなどノイズ対策にも余念がない

　液晶の応答速度は45msと最近の液晶としては遅めで、DVD-Video再生などには不向きであるが、細かい文字までクッキリ再現する画質の高さはビジネス向け液晶としては十分なレベル。価格もこのクラスとしては廉価な13万円台を実現しているだけに、これからオフィスに液晶の導入を検討しているユーザーには見逃せない製品だ。