NEW PRODUCTS TESTREPORT

	メガソフト
	ミュージックCDデザイナー3
	CD-R書き込みにも対応したミュージックデザインツール
	TEXT：藤本 健　Ken Fujimoto

ノイズ除去やフェードイン・フェードアウト、無音抽出などさまざまな編集機能を装備している

　メガソフトから個人向けの音楽CD制作ソフト「ミュージックCDデザイナー3」がリリースされた。これは98年のデビュー以来、計60,000本の販売実績を誇るミュージックCDデザイナーシリーズの最新バージョンとなる。

　「専用の音楽CD制作ソフトがなくとも、音楽CD作るだけなら一般のCD-Rライティングソフトで十分ではないか」と思われる方もいるかもしれない。確かに一般のCD-Rライティングソフトでも音楽CDを作ることはできる。ただし、WAVファイルを羅列し、指定した曲順の音楽CDが作成されるだけで、そのほかのオプションと言えば、MP3から直接CDが作成できるといった程度だ。

WAV、MP3、WMA、TwinVQデータをもとに音楽CDを作成することができる

　それに対し音楽CD制作専用ソフトであるミュージックCDデザイナー3は、さまざまな機能を備えている。まずは、サウンドファイルの編集機能だ。たとえば曲のフェードアウト、フェードイン処理を施したり、二つの曲をクロスフェードでつないだりすることもできる。またイコライザによって音質を変えることもできれば、無音部分を自動検出して削除してしまうといったこともできる上に、曲のテンポやピッチを変更することも可能だ。さらに、一般のCD-Rライティングソフトの場合、曲と曲の間に自動的にプリギャップと呼ばれる2秒の空白を作るものが多いが、これの有無も自由に設定できる。

強力なノイズ除去機能によってヒスノイズやハムノイズを取り除くことができる

　また、個人で音楽CDを作成する目的として、古くから持っているアナログレコードやカセットテープをCD化して保存しておきたいというニーズもあるだろう。こういった作業をスムーズに行なうためのレコーディング機能も充実している。とくに、異なるソースからのレコーディングでも音量のばらつきをなくすことができる点は大きな特長だ。またアナログ機器からのレコーディングだけでなくBS・CS放送やMD、DATなどのデジタルソースをデジタルのまま取り込むことも可能。自動的に44.1kHz／48kHzの判別もしてくれるので、ユーザーは難しいことを考えずAV機器とPCをS/P DIF経由で接続するだけでよい。

　こうして取り込んだ音素材に対しノイズを取り除く機能を持っているのもミュージックCDデザイナー3の大きな特長と言えるだろう。カセットテープ特有のヒスノイズや電源が原因となって起こる“ブーン”という音のハムノイズ、またレコード盤面のホコリや傷によるプチプチいうポップノイズの除去なども簡単にできる。

　本製品では、このような処理を施した上で音楽CDを作るのだから、一般のCD-Rライティングソフトにおける音楽CD作成機能とは意味が大きく異なることが分かるだろう。

レコーディングした波形データから任意の部分を抽出することも可能だ

　以上のような基本機能のほか、今回のバージョンではWAV、MP3に加えて、WMA、TwinVQの各フォーマットにも対応し、本ソフトから直接インターネット音楽配信サイトに接続して曲をダウンロード購入、そのままCDに書き込むといった機能も備えている。

　そのほかにもCDの盤面デザインを行なって印刷したり、この際スキャナと接続して画像を取り込んだりとさまざまな機能が搭載されている。また、MP3やTwinVQファイルをCD-ROMとしてデータファイルのまま書き込む機能や、CDDBやKCDB、MIDB、CDDB2といった音楽CDデータサイトへの接続機能も搭載するなど、現在思い付く機能はほぼ網羅された優秀なソフトに仕上がっていると言えよう。