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山田久美夫氏による2001年のデジタルカメラ業界の展望を前後編でお送りします。前編は全体の動向と注目される技術について解説します(編集部)
毎年、長足の進化を遂げているデジタルカメラの世界だが、今年はどのような展開を見せるのかを占ってみたい。
●300万画素機とコンパクト機が台頭した2000年
昨年台頭した小型モデル |
昨年の動きの中でも顕著だったのが、「キヤノン IXY DIGITAL」や「富士フイルム FinePix40i」、「ソニー Cyber-shot DSC-P1」に代表される、小型モデルの台頭だ。これらの機種は、コンパクトで、しかもカメラとしての基本スペックも、ほぼ必要十分なモデルであり、大ヒットした。
また、300万画素機が続々登場する一方、200万画素機の中堅機は1/2.7インチの小型CCDにシフト。年末の実販価格では、300万画素ズーム機で59,800円、200万画素ズーム機では4万円台のモデルが続々登場している。
また、昨年は「富士フイルム FinePix S1Pro」、「キヤノン EOS D30」などが登場し、デジタル一眼レフがなんとか個人レベルで入手できるようになり、話題となったことも記憶に新しい。
では、今年2001年の展開はどうだろう。まず、いわゆるコンシューマー向けモデルは、ズーム機が完全な主流になり、画素数競争もある程度、一段落した感がある。では、大きな変化がないのかというと、決してそんなことはない。
むしろ、各社とも21世紀最初の2001年を大きなターニングポイントと考えており、昨年にも増して、力の入った本格的なモデルを続々投入してくるに違いない。
●さらに広がるデジタルカメラの世界
2001年、デジタルカメラはまたまた、さらなる広がりをみせる。
具体的に、今年登場するモデルの特徴は、「デザイン」、「コストパフォーマンス」、「システム&ネットワーク化」といった点になるだろう。
つまり、パーソナル機の世界では、今年、デジタルカメラに要求されるポイントが変わってくる可能性が高い。これまでのような画素数やスペック至上主義的な世界から脱却し、よりスタイリッシュなものや、日常的に楽しめるモデル、コストパフォーマンスにすぐれたモデルへと、その価値観が大きく変貌するに違いない。
銀塩コンパクトカメラに比べると割高な印象があるデジタルカメラの価格も、今年は、中堅デジタルカメラが銀塩コンパクト機に迫る価格帯へ突入する気配だ。
具体的には、200万画素機の単焦点モデルで実販29,800円。ズーム機といえども実販39,800円クラスになる。さらに、300万画素ズーム機も実販49,800円前後の価格帯に突入するだろう。
一方、デザインやサイズについても、昨年は「IXY DIGITAL」や「FinePix 40i」などが市場で高く評価されたように、今年もその傾向は続く。そして、今年はより洗練されたものへと成長してくるだろう。
とくに、ここ数年、基本ボディを変えずに展開してきたオリンパスあたりから、新機軸になるような製品が登場する可能性が高そうだ。また、「P1」で大健闘したソニーも要注目だ。
さらに、今年は、携帯通信やネットワークとの親和性についても、再認識されてくる可能性もある。その一例として、ようやく登場し始めたBluetoothを内蔵したデジタルカメラが登場してくる可能性も十分にある。
また、P-in Compactに対応したモデルが登場し、直接ネット上に画像をアップロードするといった機能を備えたモデルが登場する可能性もないとはいえない。この機能はすでに昨年、「リコー RDC-i700」が実現しているが、同機のようなビジネス用途中心のヘビーで高価なものではなく、より親しみやすい形で登場してくるだろう。
●携帯電話は簡易モデルに取って代わる!?
一方、昨年後半に爆発的に売れた、1万円前後の簡易モデルは、今年、急速にその勢いを失うことが予想される。その鍵を握っているのが、5月開始予定のW-CDMA(IMT-2000)携帯電話の普及だ。
これは、昨年発売されたJ-Phoneのデジタルカメラ機能搭載機や、auの簡易接続式デジタルカメラユニットなどに代表されるような、携帯電話へのデジタルカメラ機能の標準搭載が、今春のW-CDAMをきっかけに広がると思われるためだ。
実際に、年末にソニーが発売したウォークマン機能搭載携帯電話のCMにあったように、携帯電話に欲しい機能でウォークマンに続いているのはデジタルカメラだ。あのCMを見ていると、ソニーが次機種にデジタルカメラを搭載するという予告編という感じするする。
デジタルカメラ機能を搭載したモデルでは、なんらかのメモリカードを併用する可能性が高いこともあって、価格は当初、それなりのものになると思われるが、来年末には新規登録であれば、1万円代後半で入手できる可能性もありそうだ。
もっとも、前記のようにBluetoothをカメラ側に搭載し、携帯電話をはじめとした各種モバイル端末と連携させるといった方向性も十分に考えられるが、Bluetoothの転送速度の問題もあって、内蔵型が多く登場すると思われる。
そうなったときに、現在1万円前後で販売されている簡易モデルは、さほど必要性がなく、出る幕がなくなる可能性もある。もっとも、海外、とくに米国では高機能携帯電話の普及度が日本とは異なるため、海外市場では低価格モデルの需要が当面続くだろう。
●ポイントとなる最新CCDたち
つぎにデジタルカメラの基本パーツである、イメージセンサーの動きを見てみよう。
昨年は1/1.8インチサイズの334万画素(ソニー)と、同サイズの337万画素CCD(シャープ)のCCDが主流となって、300万画素クラスが形成された。200万画素クラスも、一昨年は1/2インチが主流だったものが、昨年にはより小型で高密度な1/2.7インチタイプが主流になった。
秋にはオリンパスが他社(社名は非公開)との共同開発で、2/3インチ400万画素CCDを開発。「E-10」に搭載し話題となった。また、あまり話題にならなかったが、旭光学(ペンタックス)は、FT(フレームトランスファー)方式の2/3インチ224万画素CCDを「EI-2000」に搭載している。
一方、低価格モデルにしか採用されていなかった「CMOSイメージセンサー」が、高画質指向のデジタル一眼レフである「キヤノン EOS D30」に搭載されたのは大きな動きだ。これは、「安かろう悪かろう」的なCMOSのイメージを一掃した例として注目に値する。
2001年に登場するイメージセンサーは、すでにいくつかが正式発表されている。
まず、昨年10月25日に発表された、シャープの1/1.8インチ400万画素CCD。このCCDの最大のメリットは、昨年主流となった1/1.8インチ334万画素CCDと同じサイズで400万画素を実現してことだ。現行の1/1.8インチCCD搭載機に、このCCDを搭載すれば、レンズや筐体を新設計することなく、400万画素機を成立させることができる。
最大手のCCDベンダーであるソニーも、このタイプのCCDを製品化してくることが容易に想像できる。したがって、今年前半は昨年発表された300万画素級のボディをベースにした400万画素機が続々登場してくる可能性がきわめて高い。
画素密度は1/1.8インチ334万画素タイプから、さらに高まっているが、CCDの世界の技術革新もあり、昨春の334万画素タイプと同等か、それを越えるポテンシャルを秘めている可能性もある。
ちなみに、昨年末にオリンパスが1/1.8インチCCD用に新設計した大口径レンズを「C-3040Z」に搭載したのも、1/1.8インチ400万画素CCDへの布石と考えれば納得がいく。「C-3040Z」のボディを使った1/1.8インチCCD搭載400万画素モデルである「C-4040Z」(?)が、今春登場する可能性もありそうだ。
さらに高画素のものでは、先だってソニーが正式発表した2/3インチ500万画素CCDがあげられる。このCCDは基本的に、現行の1/1.8インチ334万画素タイプをベースにサイズを大きくし、高画素化を図ったものと考えられるため、画質面での心配はより少ない。
こちらは、CCDサイズが2/3インチと大きいこともあって、ボディを新規に開発しなければならないメーカーが多い。そのため、既存モデルの500万画素化ではなく、パーソナル向けのフラッグシップモデルとしてこのCCDを搭載した500万画素モデルが登場してくると考えた方が順当だろう。
松下の1/2.6インチ230万画素CCD |
また、昨秋のフォトキナでは、フィリップスがFT方式で2/3インチ300万画素CCDを公開しており、こちらの動きも注目される。とくに旭光学は「EI-2000」の後継機(EI-3000?)で、このCCDを搭載してくる可能性がきわめて高いだろう。
●携帯端末を視野に入れた高画素CMOSセンサーも続々登場
また、昨年あたりから、海外メーカーを中心にCMOSイメージセンサーの高画素化技術が続々公開されている。
CMOS素子の場合、これまではCCDに比べて画質面で劣るといったイメージが強かったが、現在ではCCDに近いレベルの画質を実現していると豪語しているメーカーも多い。さらに、低消費電力化や処理回路のワンチップ化により、より少ない部品点数で低コスト化を図れるといったメリットもある。
そのため、今後登場する携帯端末の“眼”となるデジタルカメラ部分のセンサーは、CMOSが主流になると見られる。とくに、今年5月からは世界に先駆けて日本国内でW-CDMAによる次世代携帯電話サービスが開始され、その目玉となるのが高速な通信速度を生かせる画像通信であることを考えると、今春発売されるW-CDMA対応携帯電話の多くに、デジタルカメラ機能が搭載されるのは確実だ。
当初は1/4VGA(320×240)サイズやCIF(352×288)サイズ、大きくてもVGA(640×480)サイズのデバイスが主流となる。だが、当然のことながら、この世界でも高画素化の波が近い将来に訪れる。
これはプリント用途への対応もあるが、携帯電話のような薄型の筐体の場合、ズームレンズを組み込むのが難しいこともあって、イメージセンサーの中央部のみを使ったデジタルズーム機能を備えたモデルが登場する可能性が高い。このような用途になると、やはりVGAでは力不足であり、XGA(1,024×768)クラスの画像が撮影できる130万画素クラスのイメージセンサーを搭載するモデルが登場することも十分にあり得る。
実は、130万画素クラスのCMOSセンサーはすでにサンプル出荷が開始されており、筆者自身もそのデモを見ており、実写画像も確認済みだ。光学系の性能差もあって、現時点ではCCDに比べると一歩譲る感じだが、画質最優先の分野ではないため、現時点のサンプル品でもなんとか実用になる実力だ。
また、CMOSの高画素化も始まっており、大手ではコダックが「KAC-0310」と呼ばれるVGAセンサーに続き、「KAC-1310」と呼ばれる1/2インチ130万画素CMOSセンサーを正式発表。
一方、米Motorolaは、低価格デジタルカメラ用として、1.3メガピクセルのCMOSセンサー「“Camera-on-a-Chip”MCM20027」を年頭に発表しており、サンプル出荷も今月開始されるという。
Y Media 1/2インチ317万画素CMOS |
ただ、CMOSセンサーの場合、CCDほどの高密度化を実現することが難しく、高画素になるにつれセンサーのサイズも大きくなる。そのため、携帯電話のデジタルカメラ機能に利用するにはやや大きいが、通常のデジタルカメラであれば、多少レンズが大きくなる程度で大きな問題はないだろう。
むしろ、コンパクトさが要求される携帯情報機器の場合、使用頻度がさほど高くなければ、省電力化に有利とされるCMOS素子よりも、現在の技術で確実に高画質が得られるCCDイメージセンサーを使った方が現実的という見方もある。
実際に、130万画素クラスであれば、1/3.6インチというコンパクトな汎用センサーを搭載したデジタルカメラもあり(ソニー DSC-S30など)、この手のセンサーのほうが総合的に有利であると判断することもできる。そのため、携帯情報機器が130万画素クラスなど高画素化指向になった折りには、むしろ高密度CCDへシフトする可能性もある。
●注目したい高圧縮技術とデータ記録メディア
さらに、今年早々には、これまで今一つ手つかずだった基本部分への大変革も予定されている。それが、新世代の画像圧縮技術である「JPEG2000」の搭載だ。
この「JPEG2000」は、かなり前から研究開発されていたものだが、昨年「ISO 15444」として正式に規格化された。これまでのJPEGと異なるWavelet(ウェーブレット)変換をベースとしている点が大きな特徴。そのため、現行のJPEGとの互換性はないが、そのぶん、圧縮率が極めて高い。同じ品質であれば、通常のJPEGの1/3~1/5近いデータ圧縮効果があるといわれている。さらに、原理上、JPEGのようなブロックノイズが発生しない点も大きなメリットだ。
実際にJPEG2000で圧縮されたデータを見ると、通常用途であれば、オリジナルデータの1/100のデータサイズに圧縮しても、モニター上での利用であれば十分実用になるレベルであり、まさに驚異的なアルゴリズムだ。プリント用途の場合には、もう少し圧縮率を控える必要があるが、それでも従来のJPEGよりも高圧縮で実用になるのはいうまでもない。
欠点は、従来のJPEGよりも圧縮展開にパワーが必要になることだ。もっとも、専用LSIの開発がすでに進んでいると見られ、搭載時にはユーザーに遅さを感じさせるようなことにはならないだろう。現在のPCはCPUのパワーが飛躍的に向上しているため、対応のプラグインソフトなどを経由することで対応できるようだ。
しかもこの規格は、すでに大手デジタルカメラメーカー数社が本格的に取り組んでおり、ことによると、年内に搭載機が登場する可能性もある。もし、このJPEG2000が搭載されれば、極端にいえば、メモリカードの容量が一気に3~5倍に増えたのと同じ効果が得られるため、当初は対応ソフトが少なくても、ユーザーメリットは大きなものになる。
なにしろ、400万画素機でも、仮に1/100圧縮なら、記録時のデータサイズはわずか120KB。計算上は、16MBカードでも130枚以上、128MBなら1,000枚ものデータが記録できる。カードの容量不足を気にするケースは激減するだろう。
これが200万画素機であれば、データ容量はさらに半減するため、32MBで500枚もの記録ができる。こうなると、内蔵メモリー専用機でも問題がなく、USB転送でも楽に扱えるため、メモリカードスロットを搭載する必要がなくなり、カメラのサイズがさらに小型化でき、デザインの自由度も飛躍的に増すなど、メリットは実に多い。
Bluetooth対応インフォスティック |
もちろんこれは、W-CDMAによる直接的なデータ通信をする際にも威力を発揮するのはいうまでもない。たとえば、ネット経由で10枚のプリントを依頼しても、データ容量はたかだか1MB強。ADSLやCATVならあっという間に転送できるレベルだ。
また、Webブラウザーが、JPEG2000に対応すれば、画像を多用したページの表示が飛躍的に高速化されるため、ますます軽快なネット環境が構築できるといったメリットも大きい。
●Bluetooth対応機も数社から登場
キヤノンのBluetooth搭載機 |
ようやく実用化が始まった感のあるBluetooth。昨年の各種イベントでもBluetoothを搭載したデジタルカメラが数社から登場している。
まず、昨年春の「CeBIT」では、カシオが「QV-3000SX」、富士フイルムは「FinePix S1Pro」にBluetooth機能を内蔵したモデルでの転送デモを公開。
さらに、秋の「CEATEC JAPAN 2000」や「CanonExpo2000」では、キヤノンが「PowerShot S10」の外付け式アダプターとして、Bluetooth対応機を参考出品し、Bluetooth内蔵プリンタと組み合わせたデモを繰り広げていた。
いずれも、参考出品というスタイルであり、そのまま製品化されるようなレベルではなかった。だが、今年はBlueTooth対応周辺機器が多数出そろってくることもあって、これらのメーカーを含めて、Bluetooth対応デジタルカメラが登場してくる可能性は極めて高い。
転送速度の関係でPCに大容量のデータをスピーディーに転送するといった目的には向かない。だが、インクジェットプリンタのように相手側の動作が遅い機器であれば、現時点でも実用十分な使い勝手を実現できるため、このような目的をメインとした展開が図られることだろう。
他のモバイル機器同様、通信中の電力消費という問題があるうえ、同ユニットを搭載することで価格も高くなるなど、Bluetoothにも問題はあるが、搭載機種は増えていくだろう。
●期待される小型大容量ディスクメディア
DataPlay |
まず、先だってのCESで大々的な展開を見せた「DataPlay」。このメディアは、わずか5cm四方程度のディスクに、片面250MB、両面500MBのデータが記録できるライトワンスタイプのディスクメディアだ。ドライブ自体もかなりコンパクトで、CF2カード用スロット搭載機であれば、プラスα程度のスペース(厚みは必要)で収まるため、通常のデジタルカメラへの搭載も可能だ。
実際にCESでは「東芝 PDR-M70」に内蔵したものが稼働しており、今秋には新規ボディに搭載したものの発売を予定しているという。
このディスクの場合、価格は500MBタイプで10ドルと安価。しかも、一回しか書き込みができないため、デジタルカメラにとっては、撮影したデータを消してしまう心配がない点でもフィルム感覚で扱えるというメリットが大きい。ただ、最終保存媒体として考えると、CD-Rに比べ割高な感じも否めない。
また、三洋、オリンパス、マクセルが共同開発したiD PHOTOも、いよいよ搭載機も今年2月には登場するため、こちらへの期待も高まる。
さらに、一昨年あたりからソニーとシャープが開発中の、iD PHOTOの対抗馬と見られる2インチディスクも期待される。こちらは赤色レーザー(波長655nm)で1GB、青色レーザー(波長405nm)では2GBと大容量な点でも注目される。
当初はシャープが、本ディスク搭載のビデオカメラを昨年中に発表するといわれていたが、現時点まで登場しておらず、今年の展開が楽しみだ。
これらのディスクはDataPlayと違い、通常の光磁気ディスクと同じように、記録再生が繰り返し可能なため、PC用のポータブルな記録媒体としても有望な部分があり、汎用性の高さも大きな魅力だ。
いずれのディスクメディアも容量あたりの単価が比較的手頃なレベルであり、デジタルカメラ普及のネックになっているデータ保存の面でも、新たな解決策となりうる可能性がある。とくに、PCに不慣れなユーザーやPCを持たないデジタルカメラユーザーでも、気軽に大容量のデータ保存をできるという点で大いに注目されるデバイスだ。
このほか、昨年中に発売されるとアナウンスされていた128MBのスマートメディアも、今年は登場する。スマートメディアを採用しているメーカーも、さらなる高画素モデルを投入する可能性があり、早期に発売されることを期待したい。
また、昨年来、各分野で搭載機が増えつつあるSDも、今年の注目株だ。現在、デジタルスチルカメラでは、松下のiPalmしか搭載機はないが、採用を検討しているメーカーもあるようだ。
●コンビニで楽々プリント
デジタルカメラを多くの人が使うようになって、大きなネックとなりつつあるのが、プリント環境だ。
まず、昨年は、多くのカメラ店で、富士のF-Diサービスの受け付けが開始された。さらに12月になって、セブンイレブンが店頭のマルチメディア端末である「セブンナビ」を使って、富士のTA方式プリンタによるプリントサービスを都内を中心に開始した。
そして今年は、他のコンビニでも、この手のサービスが開始されることが容易に想像できる。すでに一部のコンビニではテスト機の設置を予定しており、あっという間に認知度が高まる可能性もある。
さらに今年は、1時間プリントをウリにするミニラボでも、デジタルカメラからのプリントに対応できる店が徐々に増えてくるため、より気軽にプリントできる環境が整ってくることだろう。
また、昨年末は、デジタルカメラによる写真年賀状が大ブレイク。お年玉付きのインクジェットプリンタ用年賀はがきも即座に品切れになった店が続出した。これはとりもなおさず、ホームプリントが一般化したことの証だ。
とはいえ、インクジェットプリンタでのプリントでも、画像サイズや解像度、使用するペーパーや印刷時の品質など、まだまだ初心者には敷居が高い部分もある。このあたりは、まだまだ手つかずの部分もあり、できれば、PCカードからPCを経由せずにプリントできる機能を備えたプリンタが、より安価に普及することを期待したい。
(2001年1月25日)
[Reported by 山田久美夫]