MACWORLD Conference&Expo /San Francisco 2001 直前レポート

　昨年、ニューヨークで開催されたMacworld Conference&Expoで華々しく発表されたPowerMac G4 Cubeは、その期待の大きさとはうらはらに電源部分や本体表面のキズなどさまざまなトラブルを抱え、深刻な販売不振へとつながった。また、Steve Jobs氏がApple Computerへ復職して以来はじめて、2期連続で四半期の業績予測の下方修正が行なわれた。Mac OS Xのリリースイヤーとなる2001年、起死回生の一手となる新ハードウェアの投入は、誰もが待ち望むところである。

　ここ数年、新製品の発表に際したMacworldでは、前日から掲げられる『何かが覆い隠された垂れ幕』が恒例となっていた。しかし、今回はこうした思わせぶりな仕掛けがどこにも見あたらないないばかりか、ほかの出展社のポスター掲示も少な目。明日からの開幕が不思議に思えるほどの静けさだ。

　最高経営責任者のSteve Jobs氏による基調講演は、現地時間の9日午前9時からはじまる(日本時間では10日午前2時より)。この模様はQuickTimeによるストリーミング中継で全世界に発信されるが、そこでの発表が噂されるのはPowerPC G4を搭載するノートブック。現在の同社のラインナップの中で、もっとも以前に発売された製品は同社がプロ向けのノートブックと位置付けるPowerBook G3なので、この製品ラインをモデルチェンジする可能性がかなり高い。

会場のモスコーニ・センター。道路を挟み南側ホールと北側ホールとにわかれているが、地下通路では連結されている。現在、西側にもホールを増築中だ	8日のうちはまだ閑散としている入場登録センター。報道関係者や出展者は慌ただしく入場登録をこなしているが、一般来場者のところはご覧のとおり。しかし、明日の午前にはここが来場者であふれかえることになる	明日の開幕にむけて、急ピッチでブースの設営が進む展示会場。写真の北側ホールに比べて、Apple Computerのあるサウスホールのほうがガードも固い。Mac OS X向けのソフトウェアが出展されているブースには、右のマークがつく模様

中央のエスカレーターを上がった先に、基調講演の行なわれるホールがある。前回より大幅に減ったThink differentのポスターは、そのほとんどがこの場所に集中。9日は朝早くからここに基調講演会場への入場を待つ長い列ができあがる	前回まで白布で覆い隠された垂れ幕があったりThink differentのポスターがあった場所は、今回そのほとんどが主催者のIDGとMacworldのものとなった。いまのところ、Apple Computerをはじめとする出展各社の広告は意外なほど少ない

　また、業績の下方修正と販売の不振を株主に伝える場で、その理由として取り上げたのが、データの書き込みが可能なCD/DVDドライブのMacintoshへの搭載が大きく遅れてしまったこと。つまり、書き込み可能なCD/DVDドライブを標準搭載するデスクトップ機も有力な新製品候補だ。

　ソフト面では現行OSのアップデートバージョン「Mac OS 9.1」がリリースされることや、Mac OS Xの正式発表に向けてどれだけ多くのサードパーティが、Mac OS X向けに最適化されたソフトをアナウンスできるかがカギとなる。

　PC Watchでは基調講演をはじめとして、Apple Computerの新製品や周辺機器などを紹介する会場レポートを連日掲載する予定である。

□MACWORLD Expo/San Francisco 2001ホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
□Apple Computerのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
□Apple ComputerによるMACWORLD Expo/San Francisco 2001情報(英文)
http://www.apple.com/hotnews/
□スティーブ・ジョブズ氏による基調講演のQuickTime中継ページ(英文)
http://www.apple.com/quicktime/qtv/mwsf01/

(2001年1月9日)

[Reported by 矢作　晃]