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PC100 SDRAM 価格変動グラフ |
PC133 SDRAM 価格変動グラフ |
まずは右のグラフを見ていただこう。今年一年間のAKIBA PC Hotline!でのメモリ価格調査における、PC100とPC133の256MB/128MB/64MBを、それぞれ最安値と平均価格でプロットしたものだ。PC100/PC133ともにほぼ同じような曲線を描いており、また256MB/128MB/64MBとそれぞれの容量でも、変化の幅こそ違うものの動き自体は似たようなものになっている。中でも、もっとも変化の激しい256MBを見ると分かるように、まるでジェットコースターのような曲線となっている。
1年間を振り返ってみると、'99年末は12月のはじめに急落したが年末はほとんど値動きがなくなり、2000年頭もその流れが続いて静かな始まりとなった。それが1月末から急落を始め、3月には一時的に反発したものの、4月になる頃には年頭の約2/3前後にまで値下がりし、5月末まではそのまま平行線の状態が続いた。
ところが6月に入った途端に値上がりが始まった。例年、夏場には値上がりすることが多いが、グラフ上でも曲線が急激に変化しているのが見て取れる。その後、価格は上昇を続け8月にピークを迎えると、再び値下がりに転じた。当初、この値下がはなだらかな曲線を描いていたが、10月になるとより角度を増し、11月にかけては暴落と呼べるほどになった。その後は一時的に反発したものの、値下がり傾向は現在も続いており、1月8日調査と12月23日調査のデータを比較すると、256MBと128MBは約1/3にまで値下がりしたことになる。
PC100&PC133 SDRAM 価格変動グラフ |
右のグラフは、上の2つのグラフを一つにまとめて、PC100 SDRAMとPC133 SDRAMの価格を比較したものだ。少々込み入っていてわかりにくいかもしれないが、ほぼ1年を通してPC100とPC133の間には価格差があり、一貫してPC133の方がわずかにPC100よりも高くなっている。Intelの815やVIAのApollo Pro 133が台頭してメモリバスの133MHz化が進んだとは言え、まだまだPC100 SDRAMの需要が高いのも一因だろう。しかし、10月の暴落以降、両者の価格差は急激に縮まる傾向にあり、12月以降になるとPC100とPC133の価格はグラフ上でほぼ重なってしまっている。現在では、PC133とPC100の製造コストはほとんど差がないと言われるが、ようやく市場価格にもそれが反映されるようになってきたようだ。
●PC133の台頭と大容量化が明確に
PC100&PC133 SDRAM 取扱量変動グラフ |
全体を通して見ると、所々で急激に取扱量が減っているところが目に入る。3月上旬、6月中旬、11月中旬あたりのピークが分かりやすいが、これを価格のグラフに当てはめていると、ちょうど急激に値上がりをした時期とぴったりと重なる。値上がりのニュースが流れると消費者が敏感に反応して、本格的に値上がりする前に買いに走ることが多いためと思われ、実際にショップでも値上がりのニュースが流れた直後は一時的にメモリの売れ行きが好調だとの話が聞かれた。
製品個別に見ていくと、通年でもっとも取扱量が多いのが、やはりPC100の128MB。短期での変動こそ激しいものの、年間を通したスパンでは上昇や減少などは見られない。PC133 128MBは、当初はPC100 64MBよりも少なかったのが増加を続け、最終的にはPC100 128MBとほぼ同じになっている。256MBも、PC100/PC133ともに年間を通して増加し続けており、また当初はPC100とPC133でだいぶ差があったのが、最終的にはほぼ同数となった。PC100 64MBはわずかな減少傾向が続いており、PC133 64MBはなだらかな増加傾向を続けているものの、第4四半期にはわずかに減少傾向になっているように見える。
これらのことはPC Watch読者環境調査でも明らかなメモリの大容量化傾向とメモリバスのPC133化の進行が、そのままショップの店頭にも明確に現れていることを示している。来年はこのグラフにDDR SDRAMなどが加わることが予想されるが、一体どのような動きを見せることになるのが、楽しみでもあり、また怖いところでもある。
(2000年12月27日)
[Reported by aoyama@impress.co.jp]