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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
アーク情報システム | ||
CD革命/Virtual Ver.5 | ||
より高度な仮想化を実現した仮想CDユーティリティ | ||
TEXT:正木堅児 Kenji Masaki |
CD革命/Virtual Ver.5のメイン画面。エクスプローラ風の操作のため、理解しやすい |
「CD革命/Virtual Ver.5」の基本機能は、CD-ROM、音楽CD、DVD-ROM、DVD-Videoなどの全体、または一部を仮想CDとしてHDD上に保存し、これをソフトウェア的に仮想CD-ROMドライブにマウントすることで、実際のCDと同様にアプリケーションやエクスプローラなどから読み込むことができるようにするものだ。そのメリットとしては、ディスクの入れ換えが発生しないことのほか、CD-ROMドライブなどに比べてはるかに高速なHDDのアクセスが常に利用できる点などが挙げられる。また、CD-ROMドライブを内蔵しないサブノートPCなどでは、外付けCD-ROMドライブなどを利用して仮想CDファイルを作成することによって、外出先でもCD-ROMを使用することができるようになる。さらに、仮想ドライブは最大23台まで同時に使用できるため、辞書ソフトと地図データなど、多数のCDを同時に扱うことも可能となる。
多数の仮想ドライブを使用している際、実際のドライブのみを表示することも可能だ |
また、UDFやミックスモードといった特殊フォーマットの仮想CDも編集可能となった。とくにNTFS環境でUDFを使用すれば、2GBを超えるサイズの仮想CDも作成可能なため、4.7GBのDVD-ROMを丸々仮想化することもできる。編集画面はエクスプローラと同様の操作性を持ち、ソースとなるファイルの種類に合わせてフォーマットが自動的に選択される。たとえば、通常のCD-ROMと音楽CDの双方をソースとした場合にはミックスモードの仮想CDができ上がるので、初心者でも比較的簡単に扱うことができるだろう。
仮想化可能なCDの種類も拡大され、音楽CDでは99トラックまで対応、一括仮想化時に限られるが、CD-TEXT付きの音楽CDにも対応した。さらにオプションで「RAWモード」を選択すると、より詳細なデータを仮想化することも可能で、これまで仮想化できなかった一部のゲームなどにも対応できる。ただ、このモード使えないCD-ROMドライブも存在するため、注意が必要だ。
また、DOS用仮想CDドライブのドライバも提供されている。これは環境によっては使用できないことや、DOS/Windowsに関してある程度の知識を要求とすることから、メーカーのサポート外となっているが、DOSから仮想CDを使ってのOSインストール、別パーティションに入れてあるリストア用CDからのシステム復旧などを快適に行なうこともできる。
CD Mapperでは簡単な操作によりドライブレターの変更に伴うエラーを回避できる |
このほか、仮想CDの構築時間が大幅に短縮され、平均で従来バージョンの7割程度の時間で構築が終了するようになったり、CPU負荷が低下していたりと基本性能も強化され、ますます使いやすくなっている。USB、IEEE1394接続のCD-ROMドライブがソースドライブとして利用できないなどの制限はあるものの、より自由度の高い仮想CD環境を実現したCD革命/Virtual Ver.5は、デスクトップ、ノートPCともにさまざまな用途で活用できるユーティリティである。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□アーク情報システムのホームページ
http://www.ark-info-sys.co.jp/
□製品情報
http://www.ark-info-sys.co.jp/cd/index_v95.html