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イージーシステムズジャパン PrimoCD DeLuxe 4台同時書き込みもサポートした 高機能・低価格CDライティングソフト TEXT：正木堅児　Kenji Masaki

PrimoCDスタータ。多くのユーザーが利用する三つの機能をごく単純な操作で利用できるようにしたダイアログだ

　各社の製品が乱立しているCDライティングソフト市場に、新たに投入された「PrimoCD DeLuxe」は、5,800円と安価でありながら、複数台同時書き込みをはじめとする強力な機能を備えたソフトである。開発はフランスのPrassi Europe SARL、国内販売はイージーシステムズジャパンが行なっている。これらの社名は聞き慣れないものかも知れないが、そのライティングソフトはSONY、Pionner、Aheadなどに採用されたこともある大手メーカーであり、後者はこの9月までAdaptec Easy CD Creatorの販売を請け負っていたという大きな実績を持っている。

　また、今回紹介するのは、パケットライトソフト「abCD」、MP3エンコード機能を持つミュージックプレイヤー「earjam-IMP」、などが含まれるパッケージ版だが、これらが付属しないダウンロード版も3,900円で用意されている。

「データCDの作成」を選んだところ。ファイルを選択したら、下部にある作成ボタンを押せばCDが作成される

　PrimoCD DeLuxeは、ライティングソフトに本来求められる、安定した書き込み環境の実現を目指して設計された。そのための要素の一つは、ライティングエンジンに、64台もの同時書き込みに対応した業務用ライティングソフト「PrimoCD Pro」と同じ「PxEngine」を採用していることだろう。コンシューマ向け製品という位置付けから同時書き込みは4台までとなっているが、その安定性は折り紙付きだ。たとえば、バスの占有率を低くしてシステム全体にかかる負荷を軽減したり、アクセスのたびに短いサイクルでヘッドシークが発生する、サイズの小さなファイルを先読みしてバッファリングしたりすることで、バッファアンダーランを含む各種エラーの発生を極力回避する仕組になっている。これに加えて独自開発のASPIドライバを使用することにより、これまでのライティングソフトに見られた、仮想CDソフト、ソフトウェアDVDプレーヤー、他社製CDライティングソフトなどとのコンフリクトによる動作障害が起きにくくなっている。

　次に挙げられる特徴は、その操作の簡潔さだろう。今やライティングソフトには不可欠となったウィザード機能だが、PrimoCDではデフォルト状態でソフトの起動と同時に表示されるPrimoCDスタータという非常にシンプルなダイアログが用意されている。最初の画面には使用するCD-R/RWドライブと、そのドライブに入っているメディアの使用状況、そしてディスクコピー・データCDの作成・オーディオCDの作成という三つのボタンが存在し、この中からユーザーが希望する作業を選ぶ。あとは、ディスクコピーであればCD作成ボタンを押すだけでコピー作業が終了し、データCDやオーディオCDの作成であれば、表示されるメニューにエクスプローラなどから書き込みたいファイルやフォルダをドラッグ＆ドロップし、作成ボタンを押すだけでよいので、初心者でも迷うことなく作業を終えることができるだろう。

メインウィンドウではジョブによって、複数の作業の同時進行を楽に行なうことができる

　より綿密な設定を行ないたい場合は、メインウィンドウを呼び出すことになる。こちらでは、フォーマットやマルチセッション、バッファリング対象となるファイルサイズなどの設定をはじめ、リードアウト領域を利用してメディアの規定値以上の容量を書き込むオーバーバーンに関する設定も行なうことができる。また作業内容は「コピージョブ」、「データCDジョブ」、「音楽CDジョブ」などの「ジョブ」という単位で管理され、それぞれのジョブにカスタマイズされたウィンドウを使用する。特徴的であるのは、ジョブ一つ一つが独立して動作する点で、一つのジョブが同じデータを複数のドライブに書き込むこともできれば、それぞれのジョブが異なるデータを異なるドライブに対して同時に書き込むこともできる。これによって、複数ドライブの使い勝手が向上するだけでなく、1台のドライブのみの環境でも、2枚目、3枚目の書き込みデータを前もって用意しておけるわけだ。

　安定性と使い勝手の向上に特化した本製品は、簡単、確実かつ安価にCDを作成するための優れた選択肢だ。