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例年、COMDEXでは意欲的な展示を続けているソニー。今年も、初披露となるいくつかのテクノロジーデモを、様々な新製品とともに出展している。
さらに今回は「メモリースティックパビリオン」を自社ブースとは別に設営。ライセンシー各社とともに、最新のメモリースティック対応ハードウェアやメモリースティック拡張モジュールなどの展示を行なった。会場の模様を写真を中心に紹介する。
● ブロードバンドネットワーク時代を見据えたテクノロジーを紹介
ソニーブースの構造は昨年とほとんど変わらない。ブースの一角に設けてある階段から来場者を誘導して、ブースの二階部分に用意されたスクリーンでイメージ映像を流す。上映の終了後にスクリーンを開いて、さもイメージが具体化したようにブース内へと導くお馴染みのスタイルだ。そのため展示はブース内側へと向いているのが特徴でもある。そのなかで唯一、AIBOを紹介するコーナーだけが展示会場へ外向きに作られていて、まさにペットさながらに行き交う人々を誘いかけているというわけだ。
展示されている製品の多くは日本のユーザーとって見慣れたものだが、クルーソー搭載のC1に代表されるように、この場が米国での初公開となるものも含まれている。日本で先日正式発表されたVAIO GTとVAIO QRは、日本での参考出展時と同様にプレゼンターがミニステージに登場して披露する形が取られている。
日本未公開となるのは、いずれもテクノロジーデモ(技術参考出展)として展示されているブロードバンドネットワークを意識したプロトタイプ。1つは、IEEE802.11bをベースとしたホームターミナルで、すでに出荷されている同社ワイヤレス製品の中心に位置付けられるもの。もう1つは、ブロードバンドネットワークで実現する双方向の大容量データ転送をベースに、新しいコンセプトのホームサーバーとでも言うべきものである。
こちらIEEE 802.11bを家庭内のインフラとするホームターミナル。現行のワイヤレス製品に、ハードディスクや各種インターフェイスなど、必要な要素を単純に詰め込んでみたところ、こうした大きさとデザインになったとのこと。ただし、このコンセプトを製品化するときには、背後に写っている現行製品(PCWA-A100)の倍程度に収めたいとしている |
Bluetoothを搭載したVAIO C1。一見稼働しているかのように見えるが、実際には機能していない。隣接して展示されているポータブルミュージックプレイヤーやヘッドセット、PDAなどBluetooth対応機器とされる完全なモックアップとともに、ソニーもBluetoothへ意欲的に取り組むという意思表示とのこと |
● メモリースティックパビリオンでは、拡張モジュールをデモ
同じラスベガスコンベンションセンターのサウスホール内だが、ソニーブースからはやや離れた位置にある「メモリースティックパビリオン」。ライセンシーの1つ、GM製のクルマも展示されている |
さらに、ちょうど一年前のCOMDEXで明らかにされたメモリースティックに拡張機能を持たせるという製品プランが「Memory Stick Expansion Modules」という形で具体化している。
今回デモンストレーションされた3種類の拡張モジュールはいずれも参考出展ながら、すでにワーキングモデルとして利用できる状態だ。デジタルカメラは使い勝手などでやや改良の余地はありそうだが、GPSモジュールと指紋認証モジュールについては、機器レベルとしてはいつでも出荷できるという。ただし、製品を取り巻く環境やソリューションの提案などを含めて準備をした上で、いずれも2001年度中の発売をメドにして開発を続けているという。
また、パビリオン内には小型のメモリースティックDuoをベースとした製品イメージのモックアップが多数展示されており、華やかさも演出されている。
JONSON CONTROLSの「Travel Note」は、車載の録音機器。クルマのサンバイザーに取り付けて利用する | FIC製のインターネットアプライアンスのモックアップ。上部にメモリースティックのスロットが用意されている |
より小さいサイズのメモリースティックDuoをベースとして、デザインを重視したイメージモデルを大量に展示。来場者の多くが興味深げに、ガラスケースの中をのぞきこんでいく |
□ニュースリリース
http://www.world.sony.com/JP/News/Press/200011/00-1114/
□COMDEX/Fall 2000のホームページ(英文)
http://www.key3media.com/comdex/fall2000/
(2000年11月14日)
[Reported by 矢作 晃]