NEW PRODUCTS TESTREPORT

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富士通
FMV-BIBLO LOOX T5/53W
H" INモジュールと
DVD-ROMドライブを装備した
Crusoe搭載サブノートPC
TEXT：法林岳之　Takayuki Hourin

全体的にキーピッチは広めに取られており、総じて扱いやすいキーボードだが、右Ctrlや右Altなどはやや小さめだ
　ユーザーのニーズの多様化により、A4サイズのオールインワン、B5サイズ以下のミニ/サブノートというノートPCのジャンルが崩れつつある。こうした流れの中、富士通が発表した「FMV-BIBLO LOOX T5/53W」は、従来のノートPCのジャンルを打ち破りながら、確実にユーザーを引き付けるだけの魅力を持ち合わせた新タイプのサブノートPCだ。

　本機は、Transmetaが開発した話題の低消費電力CPU、Crusoe TM5600 533MHzを採用し、128MBのメモリ、10GBのHDD、最大8倍速のDVD-ROMドライブを内蔵する。メモリは本体標準実装のみで拡張ができないが、通常の利用であれば、それほど不満を感じることはない。

　液晶ディスプレイは10インチのFLバックライト付きTFTカラー液晶を採用しており、解像度は1,280×600ドット表示が可能なワイドサイズとなっている。ワイド液晶を採用したPCとしては、下位モデルの「FMV-BIBLO LOOX Sシリーズ」やソニーの「VAIO C1シリーズ」があるが、これらよりも一回り大きな画面で、WWWページ閲覧なども十分実用になるレベルだ。液晶ディスプレイ下にはインジケータ用の小型モノクロ液晶ディスプレイも備え、HDDやDVD-ROMドライブのアクセス状況やバッテリ状態などが確認できる。

本体前面にはメール着信ランプが備えられ、ディスプレイを開くことなく着信を確認できる
　本体も、VAIO C1シリーズなどと比べてやや大きな印象を受けるが、DVD-ROMドライブを内蔵したモデルとしては比較的コンパクトだ。DVD-ROMドライブを内蔵していないLOOX Sシリーズとの厚みの差もわずか1.5mmしかない。

　キーボードはキーピッチ17mm、キーストローク2mmを確保しており、快適にタイピングすることが可能だ。ポインティングデバイスにはスティック式のクイックポイントを採用し、キーボード手前側に三つのボタンを配したレイアウトとなっている。この三つのボタンの内、中央のボタンを押しながら、クイックポイントを上下させることでマウスのホイールと同等の機能が利用できる。ただし、ボタンはキーボード側が沈む構造になっているため、若干の慣れを必要とするものだ。

DVD-ROMドライブが搭載されているため、好きな場所でDVD-Videoを楽しむことが可能となっている
　T5/53Wをはじめとして、LOOXシリーズには、「H" IN」（エッジイン）と呼ばれるモジュールを内蔵したモデルもラインナップされる。H" INはPHS最大手のDDIポケットの「H"」と同等の機能を持つPHSモジュールで、ユーザーは購入後にオンラインサインナップで回線を開通させることができる。通信速度もPIAFS2.1/64kbpsが利用できるため、モバイル環境でPHSや携帯電話、データ通信カードなどを別途、持ち歩く必要もない。また、オプションで用意されるワイヤレスステーションを併用すれば、家庭内の離れた部屋からインターネット接続も可能になる。ちなみに、H" INは新規契約だけでなく、すでに契約しているDDIポケットのPHS回線を変更することもできる。

H" INモジュールは背面部右側に位置し、写真では分かりづらいが、やや突出する形になる
　FMV-BIBLO LOOX Tシリーズで新たに採用されたCrusoeのパフォーマンスだが、実際に触った感覚ではCeleronクラスを搭載した普及モデルとほぼ変わらないパフォーマンスが得られており、実用上、不満になることはない。DVD-Videoの再生もややコマ落ちが見られるものの、ストレスなく再生することができた。バッテリ駆動時間も標準装備のもので約3.4時間、Lサイズのもので約7時間を確保しており、映画タイトルでもなんとか1本くらいはバッテリ駆動で再生できそうだ。