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クリエイティブメディア NOMAD II MG FMチューナー内蔵の MP3＆WMAプレイヤー TEXT：藤本 健　Ken Fujimoto

本体正面には、液晶パネルだけが配置されている。このパネルは、本機を操作すると青く光る

　MP3のポータブルプレイヤーとして歴史のある、NOMADシリーズの第3弾「NOMAD II MG」がクリエイティブメディアから発売された。そのサイズは横58mm、縦90mm、厚さ18mmで、電池未装着時の重さが77.1gとなっており、ほかののシリコンオーディオプレイヤーと比較して決して小さいとはいえない。しかし、このNOMAD II MGは既存の各種プレイヤーと比較してユニークな機能が数多く装備されている。

　まずはMP3プレイヤーでありながら、Windows Media Audio（WMA）のフォーマットにも対応しており、今後ファームウェアのアップデートを行なうことで、ほかのフォーマットにも対応する可能性があるということ。前バージョンのNOMAD II SportsもWMAに対応するというアナウンスがあり、現在はアップデート用のファームウェアが、クリエイティブメディアのホームページからダウンロード可能になっている。

　また、FMラジオの受信が可能なこともユニークな点だろう。あまり感度のよい受信機ではないので、ビルの中に入ってしまうと、なかなかクリアな音では聞けないが、屋外での使用であれば問題はない。また周波数的には76.0～108MHzまでをサポート。このうちから32局までプリセット可能となっている。

本体の両側面には、操作ボタンが配置されている。FMチューナーや録音機能も備えるため、ボタンの数は多い

　そしてもう一つの特徴がレコーディング機能だ。残念ながらMP3方式で直接レコーディングはできないのだが、内蔵マイクを利用して内蔵メモリ、またはスマートメディアにレコーディングできる仕組になっている。気になるフォーマットはG721ADPCM/32kbps。あまりよい音質とは言えないが64MBのメモリがあれば約4時間のレコーディングが可能だ。また、FMラジオの音を同じG721ADPCM/32kbpsで録音することもできるなど、単なるプレイヤーにとどまらず、多彩な機能を装備しているのだ。ちなみにG721ADPCMのデータをPCに転送した後、付属のコンバータを利用すれば簡単にWAVEファイルにすることが可能だ。

　以前のNOMADシリーズをご存じの方ならば、一目見てお分かりかと思うが、デザイン的には初代NOMADに近いものとなっている。NOMAD II SportsはUSB化されて使いやすくはなったが、サイズが大きくなってしまった点は不評だった。またNOMAD II Sportsではラジオ機能を削除していたが、これが復活したわけだ。大雑把な言い方をすれば、初代NOMADをUSB化したのがNOMAD II MGと言えるほどだ。実際に触ってみると機能面ではいろいろと向上している。たとえば、ラジオを録音する機能はなかったし、音質もヘッドホンの品質が向上したためなのか、明かによくなっているのだ。また、内蔵のヘッドホンアンプの出力が大きくなり、迫力ある再生が可能になったということも大きなポイントだろう。

本機の付属品。オープンエア型ヘッドホン（左上、初回出荷版限定）、USBケーブル（右上）、インナーイヤー型ヘッドホン（左下）、リモコン（右下）

　さて、メモリ容量は内蔵で64MBを装備し、スマートメディアも利用できるので、現在のところ128MBまで、また近い将来128MBのスマートメディアが登場すると172MBまで装備可能となる予定だ。これだけ大きな容量があれば問題にならないが、内蔵メモリだけの場合、CD１枚分が入るかどうかギリギリだ。そんなときに威力を発揮するのがWMAである。これを利用すれば転送レート128kbpsのMP3と同等かそれ以上の音質を、64kbpsつまり半分のデータ量で実現できるので、約2倍の時間を収録できるのだ。そして、このWMAへのエンコードは付属のDigital Audio Centerを用いることでMP3と同様の手順で簡単にできてしまう。あとはデータ転送ソフトであるNOMAD II Managerを用いれば簡単に本体へのデータ転送が行なえるのだ。

PCと本機とのデータのやり取りを行なうNOMAD II Manager。ファームウェアのアップグレードの際などにもこのソフトを利用する

　初代NOMADの特徴を引き継ぎつつ、より多機能、高品質となった本機は、多くの競合製品の中でも目立った存在となるだろう。