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日本IBM ViaVoice Pro USB ミレニアム 日本語版 USBマイクの採用で認識率が
TEXT:清水 理史 Masashi Shimizu |
本製品付属のUSB音声入出力ユニットとヘッドセット。プラグ&プレイで自動認識されるので接続も簡単に行える |
これまで、ViaVoiceを利用するためには、PC側のサウンドカードのマイク端子とヘッドホン端子に直接ヘッドセットを接続する必要があった。しかし、サウンドカードの品質が低いものだとPC内部のノイズを拾いやすかったため、発音がうまく認識されないこともめずらしくなかった。これに対して、今回のバージョンではPCにUSBタイプの音声入出力アダプタを接続し、このユニットのマイク、ヘッドホン端子にヘッドセットを接続する仕様になっている。PCの外部で音声を取り込むため、サウンドカードの品質やノイズの影響を受けにくくなり、確実に認識率が向上するというわけだ。さらに、USBポートさえあればサウンドカードが装備されていないマシンでも利用できるというメリットもある。ただし、USBアダプタの動作が保証されているのはWindows 98SEのみで、ほかのOS環境ではサウンドカードなどのマイク、ヘッドホン端子を利用することになる。
エンロールは文章の指定された部分を次々と読み進めることで実行される |
とはいえ、思いどおりに認識させるには、エンロールと呼ばれる作業を実行する必要がある。エンロールとは、いくつかの例文を読むことで、ユーザーが固有に持つ発音のクセを学習させる機能だが、この実行の有無で認識率に大きな違いが出る。ViaVoiceミレニアムからは新方式の「アンスーパーバイズドエンロール」を搭載することで、セットアップ時に行なう音声登録作業を1/3に減らすことに成功しており、それ以前のバージョンほど手間はかからなくなった。とりあえず試しに使ってみるといった場合には、5、6分程度で終わるクイックエンロールでも十分な認識率を発揮する。しかし本格的に使いこなそうというのであれば、2時間程度を必要とするが、すべての例文を学習させるほうがよいだろう。
また、誤認識した言葉を学習させることも重要となる。これは発音のクセの影響もあるが、筆者の場合はアルファベットの認識率が、芳しくない場合があった。たとえば、「HDD」と発音しても「HDTV」などと誤認識され、その後「D」と認識させ直そうとしてもなかなか成功しなかった。しかし、これを一旦学習させてしまえば、次からは正確に認識するようになった。インストール直後はもどかしく感じるかもしれないが、エンロールと学習をこまめに実行していけば、非常に高い認識率が実現される。
また、今回のバージョンにはボーナスパックが同梱されており、ここから「VoiceATOK3エクステンション」や「Microsoft IME 2000 IMEパッド音声入力アプレット」を追加することで、IMEへの音声入力が可能となり、多くのアプリケーションで音声によるテキスト入力が行なえるようになる。そのほか「、」「。」の発声を省くことができるようになるオプションや、音声で日記が付けられる「VoiceFriend ami」、「声でクイズ」、辞書ソフト「辞スパ」の音声対応版「Voice辞スパ」の体験版も収録されている。これで、従来バージョンのViaVoice Proミレニアムと同じ18,000円なのだから、お買い得感はそうとう高い。キーボードの入力に自信のない方や、最新テクノロジを味わってみたい方は試してみる価値があるだろう。
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■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□日本IBM株式会社のホームページ
http://www.jp.ibm.com/
□製品情報
http://www.jp.ibm.com/voiceland/usb/usb_top.html
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000529/ibm.htm