●キーボードほどのこだわりはないが……
もう1つ、マウスに対してキーボードほどのこだわりを持てないのは、筆者にとってマウスが消耗品であるからだ。先週述べたように、筆者は今も10年近く前のキーボードを使っている。ちょっとキースイッチが渋くなり始めているとはいえ、立派な現役だ。だが、10年前のマウスが使えるかというと、残念ながらそうはいかない。マウスの耐用年数は、それほど長くないからだ。
●ケーブル劣化がマウスの寿命
マウスがなぜ使えなくなるのか。それはボタンの数が少なかったり、スクロールボタンがなかったり、といった仕様の問題でもなければ、ドライバサポートの問題でもない。筆者がマウスを交換する最大の理由は、ケーブルの経年変化だ。ワイヤレスマウスでない限り、マウスには必ずケーブルがついてくる。このマウスケーブルが経年変化で固くなり始めると、マウスの動きにクセがついたようで、もうそれだけでイヤになってしまう。
人によっては、マウスボタンのレスポンスやマウスボールの追随性が劣化することでマウスを交換するようだが、筆者にとってはこのケーブルこそ、最大のマウス交換要因ということになる。だいたい、1~2年程度で次のマウスに交換する、というのが通常のパターンだ。ならば、ケーブルのないワイヤレスマウスならもっと長持ちするのではないか、というのは誰しも考えるところ。筆者も、Logitechのワイヤレスマウスを3~4モデルは買っていると思うが、もう1つしっくりとこないでいるのが実情だ(昔に比べれば格段に良くなっているとは思うが)。
では、ケーブルのついたマウスなら、どんなマウスでも良いか、というと、実はそんなこともない。これは、筆者の偏見も多分に含まれているのだが、筆者が購入するのはMicrosoftかLogitechどちらかのマウスだけで、それ以外のマウスを購入することはない(ノートPC用の超小型タイプ等を除く)。
両社のマウスを購入する理由は、マウスそのもののデキもあるが、ドライバサポートも重要なポイントである。2社のマウスは、いずれの点でも安心して使える(ただし、最近のLogitech MouseWareは、Webブラウザへの連携など、だんだん過剰になりつつあると思っている)。
ついでに、今も筆者の手元に残る古めのマウス(さすがにキーボードほどものもちが良くない)と、今仕事に使っているマウスなど、何点か紹介しよう。
●筆者手持ちのお宝マウス
Microsoft Mouse 2.0 |
なすび形になった「Microsoft Mouse」 |
Logitech Mouseは、3ボタンマウスとしては、割と古いタイプのものだと思う(このワイヤレスタイプも持っていた)。Microsoft Mouse 2.0に比べると、全体に安っぽいのだが、中央ボタンが便利で、一時期、愛用していた記憶がある。この次の逆三角形タイプ(こちらはワイヤレスタイプ)も含め、結構な数を購入したように思う。
Logitechの3つボタンマウス | Logiechの3つボタンワイヤレスマウス | Intelli Mouse |
Logitech製の3ボタンマウスから、IntelliMouseに乗り換えたのは、ドライバサポートの問題があったような記憶があるが、今ではハッキリと覚えていない。また、ドライバサポートだけでなく、やっぱりスクロールボタンが便利だった、ということも間違いない。最初はこんなもの、と思っていても、しばらく使っているうちに、中指がスクロールボタンを探すようになるのである。Microsoftにしてやられたようで、悔しかったことを今でも覚えている。このIntelliMouseのUSB版は、WinHECのアンケートプレゼントでもらったものだ。
MouseMan+ |
ちなみに、このMouseMan+は、確かアメリカに取材旅行に行った際、Fry's Electronicsかどこかで購入したものだと思う(同様に、ここで紹介したマウスの多くは個人輸入したものである)。マウスなんて同じものが日本でも買えるのではないか、と言われるかもしれないが、どうも国内モデルと米国モデルでは、ケーブルの長さが違う(米国モデルの方がケーブルが長い)ように思えてならない(機会があれば、同時期に日本とアメリカで同じマウスを買って、実測してみたい)。PCを床置きしている筆者は、できればマウスケーブルに余裕が欲しいため、時々米国モデルのマウスを購入している。USBマウスならHubを手元におけば、長いケーブルは要らないだろうが、今のところPS/2が主力なのだ。
(2000年8月2日)
[Text by 元麻布春男]