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Macworld Conference & Expo / NewYork 会場レポート番外編
Apple Pro Mouseファーストインプレッション
~ クリックボタンがなくなったマウスの使い勝手は? ~

会期:7月18日~21日(現地時間)

会場:NewYork Jacob K. Javits Convention Center


 基調講演の冒頭で公開され、講演の最後には聴講者へのお土産として配布された「Apple Pro Mouse」。今回発表されたすべての新製品に添付されることになる、この新しい光学式マウスの試用感をレポートしよう。


■クリックには違和感なし。使い始めればすぐに慣れる

 基調講演の座席下に貼り付けてあった引換券によって、聴講者の多くがいち早く光学式を採用した新型マウス「Apple Pro Mouse」を入手することができた。しかしあろうことか、席には座らずにカメラマンのエリアで撮影を続けていたワタシには引換券を手に入れるすべがなかった。思い返してみれば、今回のMacworld取材で最も不運な出来事だったかもしれない。交換場所で、事情を話して交渉はしてみたものの残念ながら駄目(しかし、後から同じような事態に陥ったメディアが多数訪れたことで、一部にはメディアバッジの提示で配布が行なわれたらしい。速報用の写真をアップロードするため早々にプレスルームに駆け込んだワタシは、この恩恵にもあずかれず、不運なときはとことん不運なもんだ)。

 結局、哀れと思った友人のひとりが自分のApple Pro Mouseを貸してくれたので、なんとかこのレポートを書くことができるようになった。友人に感謝しつつ、自らの不運を呪うのはここまでにして、さっそく試用感などをお伝えしよう。

 Apple Pro Mouseの特徴はふたつ。ひとつは光学式を採用したことで、メンテナンスフリーを実現し、かつマウスの接地面を選ばなくなったこと。もうひとつが、クリックボタンがボタンではなくなり、マウスの上部全体でクリック可能になったことだ。早速持参のPowerBook G3のUSBポートに接続してみる。ドライバなどのインストールは一切不要で、接続すればそのままマウスとして機能する。ものは試しと、テーブルの上、資料の上、果てはホテルのカーペットまで、マウスを走らせてみたが、いずれの場合もマウスカーソルは意図したとおりに追従してきた。ジーンズを履いた腿の上でも大丈夫。まさにマウスパッド不要である。とはいえ、こうした機能はMicrosoftやサードパーティ各社が発売しているオプティカルマウスでも当たり前のこと。チェックすべきは、そのクリック感だろう。

基調講演の後に配布されたのは、ちゃんと「Macworld New York 2000」の文字が入っているオリジナルのパッケージ。くぅー、欲しかったぞぉー 真上から撮影。ホテルの部屋で撮ったので余計なものが映り込んでしまったが、内側パーツのさらに内部にある部品もうっすらと見えるのがわかる ほぼ、真横から撮影。外装となるクリアパーツすべてがクリックボタンとしての役割を果たす。半円の切り欠き部分は底面のパーツと一体になっている

 基調講演でスティーブ・ジョブズが認めたとおり、iMacの発表以降Macに添付されてきたUSBマウスは決して誉められた出来ではなかった。その真ん丸いデザインは持った感じこそ悪くはないが、使っているうちに上がどこかハッキリしなくなり、カーソルが意図せぬ方向へ動くこともしばしば起きた。しかし、今度は大丈夫。伝統的ともいえる楕円に近い形に戻っている。そして、特徴的な外装のクリアパーツ全体がボタンの役目を果たす。握りしめてしまっては元も子もないが、親指と中指(あるいは薬指)で、マウス全体を包み込めばクリック操作には違和感もない。ちょっと指先に力を加えるだけで大丈夫だ。ケーブルの付いている側からみて2/3ぐらいまでのエリアなら、指一本で軽くクリックができる。テールの部分はいわゆるヒンジになっているので、さすがにここでのクリックは難しい。いちおう、底面パーツと一体化している両サイドの半円部分がマウスをつまむ部分として想定されているのだろうが、もっと浅く握ってもクリックができなくなるということはない。このあたりの自由度はかなり高いようだ。

底面の発光部分と移動距離を検知する小さなピックアップ。この周囲を取り巻くリングは、感度を調整するスイッチになっていて、「-」「○(標準)」「+」の三段階に切り替えることができる 左右対称なので、左手でもっても違和感がない。半円の部分をグリップにして親指と中指(あるいは薬指)でつまむとしっくりくる Appleシステム・プロフィールでハードウェアを確認してみた。製造元のところにApple Computer(Fujitsu Takamisawa Component)の文字が見える。専用のドライバなどを組み込む必要はない

 まあ、外装がクリアパーツということで皮脂汚れなどは目立ちそうだが、この辺はマメに拭き取るしかない。しかし、使い勝手は明らかに向上しているので、既存のUSBマウス利用者も購入を検討して損はない。iMacをはじめ、USBインターフェイスのついたMacintoshなら、デスクトップ、ノートの区別なく利用することができる。日本では9月からApple Storeで販売が行なわれる。価格は7,500円。かなりの人気も予想されるが、Apple Storeにはくれぐれも品切れや納期の遅れなど起こさぬようにがんばって欲しいものである。  

■キーボードから電源キーがなくなった

 同時に発表された「Apple Pro Keyboard」については、展示会場でしばらく操作してみた感じをお伝えする。まず、キータッチだが、現行の「Apple USB Keyboard」よりほんのわずかに硬めという感じで、クリック感のあるキーボードが好きなワタシにはわずかでもありがたいところ。もちろん、この辺はユーザーによって好みが大きく分かれるので機会をみつけて実際に触れてみることをオススメする。キーピッチはほとんど変わっていないはずだ。カーソルキーなどが独立した関係上、キーボード自体の横幅はやや広くなっている。カラーはシルバーとクリアをベースにした一色だけ。今回、iMacには既存のグラファイトに加えて4色の新色が発表されたが、そのいずれにもこのキーボードが付属する。以前のように、本体のカラー別にキーボードのカラーも異なるということはない。

 Mac OS 9からは、キーボード上のファンクションキーに様々な機能を割り当てることができるようになっており、すでにiBookやPowerBook G3などでは標準でいくつかの機能が割り振られている。「Apple Pro Keyboard」では、これらのなかから、ボリューム調整、ミュート、CD/DVDのイジェクトなどを独立させ、10キーの上部に配置した格好だ。

 そして、もっとも大きな変更点は、初代MacintoshからPlusまでを除くすべてのMacキーボードに付いていた「Powerキー」がなくなったこと。Apple Computerによれば、特に初心者の混乱を避けるため、電源のON/OFFは本体でのみ行なうことにしたということである。もうひとつの理由として、省電力化がすすみスタンバイ/スリープ時の待機電力がわずかなため、使わないときにはシャットダウンではなくスリープを使ってほしいという意向のようだ。スリープ状態なら、何らかのキーに触れることで、キーボードからの復帰が可能になる。しかし、既存のユーザーにとっては、キーコンビネーションによるキーボード・リセットが使えなくなったことは残念なことだ。

 Apple Pro Keyboardも前述のマウスと同様に、9月からApple Storeで購入できるようになる。日本での価格は7,500円。

英語版キーボードのキー配置。古くからのMacユーザーなら、Apple拡張キーボードとほぼ同じ配置にいくつかのファンクションキーが追加されたものと考えるのが手っ取り早い。キーボードからPowerキーがなくなったのが史上最大の変更点 10キー部分上部のクローズアップ。ボリューム調整、ミュート、CD/DVDのイジェクトがここから操作できる。USBポートを搭載し、Mac OS 9がインストールされたハードウェアで、これらのキーが有効になる

□Appleのホームページ(英文)
http://www.apple.com/
□Macworld Conference&Expoのホームページ(英文)
http://www.macworldexpo.com/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000720/macw02.htm
【7月21日】アップル、新型Macintoshを国内でも発売
―Cubeは198,000円で8月中旬から、iMacは98,000円より28日から
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000721/apple.htm

(2000年7月24日)

[Reported by 矢作 晃]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp