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ソーテック PC STATION M370AV CD-R/RWドライブと DVD-ROMドライブを兼備し テレビ録画も可能なAVマシン TEXT：天野 司　Tsukasa Amano

本体背面を見ると本機の多機能性が一目で分かる

　ソーテックの「PC STATION M370AV」は、流行のDV編集やテレビ／ビデオキャプチャなど、マルチメディア機能をとくに強化したモデルだ。CPUがPentium III 700MHz、128MBメモリ、40GBのHDDと、ハードウェアスペックは総じて高い。さらに最大8倍速DVD-ROMドライブに加え、4倍速の書き換え、書き込みに対応したCD-R/RWドライブも搭載する、盛りだくさんの構成だ。最近では、DVD-ROMとCD-R/RW兼用のドライブも存在するが、二つのドライブが搭載されていることで、CD-ROMの辞書や地図ソフトを常に使える状態にしておきながら、DVD-Videoの再生を楽しむことや、2枚の音楽CDを同時に編集するといった作業が可能になり、1台の兼用ドライブよりも自由度は増している。

フロントパネル下部にもIEEE1394とUSBポートを備える

　フロントパネル下部にあるスライド式のフタの内部にはメモリデバイス専用のPCカードスロット、USB、それに4ピンタイプのIEEE1394端子が収められている。これによりDVカメラやMP3プレイヤー、デジタルカメラなどとのアクセスも容易に行なうことができる。

　マザーボードはカスタム設計のmicroATXタイプ。二つのメモリスロットのうち一つが128MB SDRAMで占有されており、空きは一つだ。チップセットは440ZXを採用しており、ビデオカードにAGP接続のATIのAll-In-Wonder 128（以下AIW128）を採用している。サウンドはオンボードで、CrystalのCS4281が採用されている。また、三つのPCIスロット（うち一つはISAと排他仕様）はそれぞれ、モデム、ネットワーク、IEEE1394カードで占有される。IEEE1394カードは専用設計で、フロントパネル下部に設けられたメモリデバイス専用のPCカードスロット、USB、それに4ピンタイプのIEEE1394端子はこのカードに実装されている。

ATI TV。PC上でのテレビ表示はオーバーレイ方式なので、スムーズな動きを見せる

　このモデルの最大の特徴は、何と言ってもAIW128による、テレビ受信・キャプチャ機能だろう。機能的には、単体売りされるAIW128と同じ仕様になっており、付属するソフトもATI製の日本語バージョンそのままだ。これを使えば、PC画面上でTVを視聴することはもちろん、リアルタイムのソフトウェアMPEGエンコーダを用いてキャプチャを行なうこともできる。タイマーを利用した留守録機能などもあるため、VAIO Rシリーズのように使うことも可能だ。

　ただしVAIOと異なり、AIW128では、MPEGエンコードをソフトウェアで行なっている。MPEG2フォーマットを用いれば画質自体は決して悪くないのだが、CPU負荷は非常に高い。さすがに、Pentium III 700MHzを持ってしても、長時間にわたってコマ落ちなしに安定したキャプチャを行なうことは困難なようだ。大抵はスムーズなキャプチャが行なえるのだが、ときどき引っかかるように画面が一瞬停止することも多いのである。また、内蔵のテレビチューナーでは、日本仕様の音声多重放送を受信できない点も残念なところだ。

Ulead VideoStudio 4.0 SE Basicの画面。低価格DVキャプチャカードによく採用されているが、MPEGファイルの生成や、ダイレクト編集を行なうことも可能だ

　DV編集機能に目を向けると、編集ソフトはUlead VideoStudio 4.0 SE Basicが使われるが、これは多くのIEEE1394カードにバンドルされるVideoStudio 3.0に対して、MPEGファイルを生成したり、直接編集したりする機能を追加したもの。AIW128でキャプチャしたMPEGファイルも、MPEG1フォーマットであれば、VideoStudioで直接読み込み、編集することが可能となっている。

　以上のように、本機のマルチメディア能力はそうとう高いレベルにある。多くのマルチメディアマシンが、200,000～300,000円といった価格帯にある中で、17インチディスプレイ付属ながら、本機は標準価格で200,000円を切っており、お買い得感も十分にある。手頃なAVマシンが欲しいと考えている方は注目してほしい製品だ。