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ネットジャパン SecondChance 2.0日本語版 軽快な動作が魅力の アンドゥユーティリティ TEXT：正木堅児　Kenji Masaki

メイン画面からはファイルの復元やチェックポイントの即時作成が行なえる

　日々の作業やアプリケーションのインストールなどにより、Windows上のファイルは頻繁に追加、変更、削除されている。しかし、後になって更新されたファイルを以前の状態に戻すことは難しい。「SecondChance 2.0日本語版」はファイルの変更を検知し、指定した時点の状況に復元してくれるアンドゥユーティリティである。その仕組を簡単に説明すると、常駐したSecondChanceがディスク入出力用のAPIを監視し、ファイルの更新を行なう命令が発効されると変更直前のファイルをHDD上に保存する。さらにユーザーが設定した時刻になると、その時点までのファイルの更新履歴が「チェックポイント」として記録される。ユーザーはこのチェックポイントを指定すれば、SecondChanceが保存されたファイルを利用して自動的にチェックポイントが作成された時点の状態に復元してくれるのである。

チェックポイントの作成時刻は、曜日、時刻ごとに細かく設定することが可能

　インストールの際には、まず監視対象とするドライブを指定する。指定可能なのは物理ドライブのみで、ネットワークドライブを指定することはできない。インストール終了後、システムを再起動するとSecondChanceのシステム監視が開始される。インストール直後には、最初のチェックポイントが作成され、これ以降のチェックポイントには、一つのチェックポイントから次のチェックポイントが作成される時刻までのファイル更新履歴が記録される。チェックポイントの作成時刻は、デフォルト設定では月曜日から金曜日の午前8時に設定されているが、ユーザーの任意の時刻を指定することも可能だ。こうしてチェックポイントを設定しておくことで、一昨日作成した文書を復元したい、といった要求にも応えることができるだけでなく、新規にインストールしたアプリケーションが原因でシステムが不安定になった場合などでも、以前の安定した状態に戻すことができるのである。

チェックポイントビューアはエクスプローラライクな操作性で、初心者にも扱いやすい

　チェックポイントには、各ファイルがいつ、どのように変更されたかが記録されているが、これを確認する機能としてチェックポイントビューアが内蔵されている。このビューアではチェックポイントごとにファイル名・ディレクトリ・変更状況・ファイルタイプ・作成／更新日時を表示でき、必要なファイルを取り出すことも可能だ。

　また、システムが起動できなくなるような変更をしてしまった場合に備えて、FDDからシステムをブートして以前のチェックポイントに復元するための緊急用ディスケットも作成できる。

チェックポイントに加えないフォルダも設定できる

　チェックポイントを復元する際、バックアップソフトのように保存した時点以降のファイルが消えてしまう仕様であれば、復元の前に必要なファイルを別のストレージデバイスに待避させる必要がある。しかし、本製品では復元作業直前と直後にチェックポイントが作成され、復元作業自体が履歴として保存されるので、復元直前の最新ファイルをチェックポイントビューアから取り出すこともできる。この機能があることで、気軽に復元作業が行なえる点は大きな魅力だ。

　更新されたファイルのコピーが随時ディスクに保存されることは前述したとおりだが、このコピーを保存する領域は任意に調整でき、標準ではディスク容量の10%を使用する設定となっている。ドライブに占めるディスク容量を指定することも可能だ。チェックポイントの数が増え、占有領域を超えそうなときは警告が表示され、古いチェックポイントを消去することを促す。また、ドライブの変更内容すべてを監視していては、テンポラリファイルなどの監視不要なファイルの変更も保存されてしまうため、指定ディレクトリを監視対象外にすることができる。巨大な画像を扱うディレクトリや、差分管理機能を持つソフトのドキュメントなどの保存ディレクトリは監視対象外にすることでディスク容量を節約するとよいだろう。

　SecondChanceが常駐することで、システムの負荷が上昇することを気にするユーザーも多いと思うが、実際にはほとんど気にならない程度で、システムモニタでCPUの負荷をチェックしても非常駐時と比べて5%も変わらない状態であった。

　フォーマットやパーティションの変更、HDDの物理的な破損には対処できないが、バックアップソフトほど手間を必要とせず、使い勝手のよいソフトなので、ちょっとした保険としてビギナー、ヘビーユーザーともにお勧めしたい製品だ。