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E3 2000会場レポート コンシューマ その他編

噂が真実になった!!
ドリキャス用プレステエミュレータ「bleem! for Dreamcast」登場

会期:5月11日~13日(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center



E3開催初日のbleem!ブース。9時に会場がオープンしたにもかかわらず、bleem!ブースには黒いカーテンが掛けられている。そして「1:23」というオープン予告時刻が書かれた札が……。ただし、実際にブースがオープンしたのは2時過ぎだった。 予告時間よりオープンが遅れたものの、オープン後は常に大勢の来場者でブースが埋め尽くされていた
 それにしても突然の出来事だった。E3開催の数日前から、「Dreamcast上で動作するbleem!が出るようだ」という噂がインターネット上でささやかれていたが、それが本当に登場すると考えていた人はそれほど多くなかっただろう。しかし、PC Watchでも既報のとおり、Dreamcast上で動作するPlayStationエミュレータ「bleem! for Dreamcast」が発表され、E3会場において実際にデモンストレーションが実施された。

 bleem! for Dreamcastの詳細はすでにお伝えしているとおり、発売が今年の夏で、価格が19.99ドル、サポートするソフトの違いで4種類のパッケージが出荷される。bleem!スタッフに確認したところでは、6月15日をターゲットとして開発を進めているそうだ。

 bleem! for Dreamcastは、GD-ROMではなくCD-ROMで供給され、北米版Dreamcast上で動作する。そして、対応するPlayStation用ソフトも北米版だ。ただし、bleem! for Dreamcastにはハードウェアのリージョンチェックは無視するようになっているそうで(つまりリージョンフリー)、おそらく日本で発売されているDreamcastでも動作するものと考えられる。また、Windows版のbleem!上で日本のPlayStation用ソフトが問題なく動作していることを考えると、bleem! for Dreamcast上でも日本のPlayStation用ソフトが動作すると思っていいだろう。ただし、bleem!側は日本での発売や動作サポートは視野に入れておらず、あくまでも北米をメインターゲットとしているそうだ。

 ところで、bleem! for Dreamcastでは400本以上のPlayStation用ソフトが動作すると発表されているが、サポート外のソフトについても全く動作しないわけではなく、実際にはより多数のソフトが動作する可能性がある。ちなみにゲームのセーブはDreamcastのビジュアルメモリを利用するそうだ。また、PlayStation用コントローラをDreamcast用に変換するアダプタも利用でき、PlayStationとほぼ同じ操作環境も再現できる。

bleem! for Dreamcastのパッケージ。対応ソフトの違いによって「A」から「D」までのパッケージが用意される パッケージ裏面には対応するソフトの一覧を記載 PlayStation用コントローラをDreamcastで利用する変換アダプタを使用すれば、操作環境もPlayStationとほとんど変わらなくなる

 bleem! for Dreamcastの利用方法だが、詳しいことは発表されておらず、会場でもPlayStation用ソフトのデモ部分が繰り返し表示されているだけで、起動の様子を見せたりゲームを操作させたりといったことは行なわれなかった。CD-ROMで供給されるということは、まずbleem! for DreamcastでDreamcastを起動し、その後ソフトを入れ替えるという方法を採っているものと考えられる。

PlayStation用ソフト「OMEGA BOOST」のPlayStationでの実行画面。やや見づらいが、ロボットの境界線などにジャギーが見られる こちらは「OMEGA BOOST」をbleem! for Dreamcastで実行した画面。ジャギーがほとんど感じらず、画質は大幅に向上している

 また、動作状況は非常に良好で、同じPlayStation用ソフトをPlayStationとbleem! for Dreamcast上で同時に動作させながらデモを行なっている画面を見る限り、描画速度などに違いは全く感じられなかった。そして、解像度の向上やフルスクリーンアンチエイリアシング、バイリニアフィルタといった画像補正効果によって、ジャギーのない非常に美しい画面表示となっていた。その違いは一見してわかるほどで、ブースに来ていたある来場者が「これがDreamcastで実行した画面ならPlayStationって何?」という発言をしていたが、おそらくほとんどの人がそう感じるはずだ。

 もちろん、ブースのデモでは最も再現性の高いソフトを利用していたと思われるため、その他のソフトでも同様の結果が得られるかどうかはわからない。また、実際にプレイをさせてもらえなかったため、エミュレートが完ぺきに行なわれているかどうかも不明だ。しかし、もしかなり高いレベルでのエミュレートが実現されているとすれば、Dreamcastユーザーにとってはかなり気になる存在だろう。日本での発売は未定のようだが、ぜひ販売してもらいたいところだ。

■■「RIDGE RACER TYPE 4」の動作画面比較■■
【PlayStation】 【bleem! for Dreamcast】
RIDGE RACER TYPE 4 TM & (C) 1998 Namco Ltd. All Rights Reserved.

□E3のホームページ(英文)
http://www.e3expo.com/
□bleem!のホームページ(英文)
http://www.bleem.com/
□関連記事
【5月12日】米bleem、ドリキャスでプレステが動く「bleem! for Dreamcast」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000512/bleem.htm

(2000年5月15日)

[Reported by 平澤寿康@ユービック・コンピューティング]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp