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2000東京おもちゃショー開幕
右も左もロボットとデジカメだらけ!

看板 開催地:東京ビッグサイト
会期:3月16日~3月19日(16、17日は商談日)

 国内では最大規模となるおもちゃ関連のトレードショー「2000東京おもちゃショー」が16日に開幕した。ここ数年デジタルおもちゃに話題が集中してきたが、今年はロボット関連の製品が多数展示されたことと、低画素数、低価格のデジタルカメラ出展が目立った。このほかでは、相変わらずキャラクター商品が多いのだが、昨年度は会場を席巻していた感のあるポケットモンスターの勢いが一段落したようで、それほど目立たなくなっていた。



● ロボット商戦本格化? ロボットおもちゃ、大挙して出展される

 展示会場の中でも特に大きなブースを構えている大手メーカー3社(トミー、バンダイ、タカラ)は、今回揃ってロボット関連商品を大きく展開した。なかでもトミー、バンダイはブースの前面に大きなコーナーを設置。トミーでは、商談日にも関わらず数多くの観客が集まりデモのたびに「お客様、通路にはみ出さないようお願いします」と声を掛けるほど注目を集めていた。ロボットの開発に関して各社共にテーマに掲げたのが「コミュニケーション」。1人で家に帰っても、コミュニケーションをとる相手もいないというユーザーがそんなに多いのか疑問だが、テーマが各社共に共通していた点が面白かった。

 トミーが出展した中でとりわけ人気のあったのは、人間の言葉、それも関西弁を喋る犬型ロボット「人間DOG」とその子供「人間DOG Baby」と、2月にニューヨークで開催されたTOYSHOWで米SILVERLITが出展し人気を博した犬型ロボット「i-Cybie」。

 i-Cybieはいくつかのセンサーを搭載し、壁に当たりそうになるとよけたり、声に反応し振り向くなどの動作を行なう。普段は勝手に動いているが、リモコンで芸をさせることもできるほか、芸をさせるときに音声も吹き込めば、声を掛けるだけでも芸を行なうようになる。声による芸の登録をすると、登録した声にしか反応しない。秋口には2万円以下で販売したいとしている。
 人間DOGは人間とコミュニケーションを取ることで、いろいろな性格に変化していくという。センサーは頭をなでるなどのタッチセンサーのほか、接触センサーや光センサー、音センサーなどを備える。きちんとコミュニケーションを取れば素直な性格になるが、かまわないとほえてばかりで全く成長しないという。人間DOGは関西弁を喋るが、子供の人間DOG Babyは寂しがり屋で弱虫。ファービー同様、最初は犬語を喋るが、徐々に人間の言葉も学習していく。発売は今年末を予定しているが、価格は未定。
 このほかに「WALKING ROBO-06(仮)」が参考出展された。このロボットは、自分だけでバランスをとりながら完全自律2足歩行するロボット。全長20cm程度の小型ロボットだが、ゆっくりと地面を踏みしめながら歩く姿はなかなかのものだった。

【WALKING ROBO-06 歩行シーンムービー(8.95MB QuickTimeムービー)】

人間DOG(左)と人間DOG Baby(右)。犬が関西弁を喋るのはちょっと…… ニューヨークだけでなく東京でも人気爆発の「i-Cybie」 2足歩行ロボ「WALKING ROBO-06」。まっすぐにしか歩けないのが難点か


 バンダイブースでは13日に発表された猫型ロボット「BN-1(仮称)」を中心に、より製品に近い形の「ワンダーボーグ」が出展された。BN-1は目の前で動いている様子が楽しめるほか、現在の形状になるまでのプロトタイプも展示されている。また、BN-1をより発展させたものとなるペットロボット「PATAPATA」も同時に展示されている。

 ワンダーボーグは同社の携帯ゲーム機「ワンダースワン」で作成したプログラム通りに動かすことができる小型ロボットで、'99年秋のゲームショウで初めて公開された。このときは配線もむき出しでかなり小さいものだったが、今回は一回り大きくなり商品を意識したものとなっている。基本的に形状は“虫”だが、足を取り外したり、車を付けるなども可能。これらのパーツが同梱されるか、別売となるかは現時点では決定していないという。ワンダースワンからワンダーボーグへのプログラム転送は赤外線で行なう。転送機能はプログラムカセットの中に取り付けられる。発売はこの夏を予定しており、価格は1万円程度に収まるようにしたいという。

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【'99年9月17日】WonderSwanで、ロボットを操縦? デジカメと連携!
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990917/game04.htm
【3月13日】バンダイ、コロコロと動き回る猫型ロボット「BN-1」を開発
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000313/bn1.htm

猫型ロボット「BN-1」仕草がなかなかキュート BN-1のデザインバリエーション。現在の方がカワイイ
ペットロボット「PATAPATA」。表情がリアル。ハリウッド映画に登場するファンタジー世界の生物のよう この夏、遂に発売されるワンダーボーグ。各種センサーを使いプログラムを組むことができる


 タカラはブースの出口付近にロボットコーナーを設置。他社でも出展されていたようなコミュニケーション主体のペットに近いロボットも展示されていたが、注目されるのは実用性を兼ね備えたロボット玩具シリーズ「HOME ROBOT(ホームロボット ライン)」。たとえば、寝起きの態度によって起こし方が変わるロボット「さぁ~(Sa-)」、温度や湿度を感じ「寒いよぉ」などと知らせてくれる「ふ~(Fu~)」、光センサーを搭載しガードマンの変わりになる「く~(Cu-)」などなど。それらのシリーズ中もっとも多くの機能を持ちロボットに一番近いのが「Co-Pan」。人間とコミュニケーションをとり、占いなどをする一方で、ガードマン機能も持ち合わせている。ドアに設置したセンサーと連動しており、もし侵入者が発生した場合、警報を発すると同時に内蔵した電話から指定された電話番号に侵入者があったことを伝える。発売は12月で、価格は200,000円とさすがに高価なものとなっている。

 ペット型ロボットとしては、音声センサーを搭載した鳥型ロボットや、猫じゃらしで遊ぶ猫型ロボット、ハムスターをロボット化したものなど、センサーを搭載したおもちゃが数多く展示されていた。なかでも魚、クラゲ、エビ、カニといった水の中に住む生物をロボット化した「AQUAROID」シリーズが多くの来場者の関心を誘っていた。カニとエビの発売は9月で価格は15,000円を予定している。

 このほかにもタカラのブースでは、NECが発表したロボット「R100」も特別展示されていた。

ガードマンにもなる「Co-Pan」。けっこう大きいが愛嬌はある Co-Panと連動するドアのセンサー。これが離れると大きな警報と共に電話連絡される いつも違う起こし方をしてくれるロボット「Sa-(さぁ~)」


 トミー、バンダイ、タカラのブースでは、ロボットを使ってサッカーに似たゲームを行なう“ロボカップ”に対応したロボットがそれぞれ展示されていた。トミーはレーシングカーに似た形状の「RCT-2000L(仮称)」、バンダイはロボットタイプの「バトルクロス(仮称)」、タカラはその中間的な形をした「EX2000RCT(仮称)」をそれぞれ展示。バンダイのバトルクロスは、発売後にパソコンとの連動などでパワーアップしていく要素も検討されているという。

バンダイ「バトルクロス」 トミー「RCT-2000L」 タカラ「EX2000RCT」



●犬型ロボット花盛り!

 ロボットというか、AIBOに似た形の犬型ロボットタイプのおもちゃが数多く出展されていた。某ブースに展示されていたものは、あまりにAIBOに似ていたため「そっくりなんですが、大丈夫でしょうか?」と訪ねたところ「さぁ、ぼくはよくわかりませんね」という返答まで飛び出した。同じ名前なのに違う形をしていたり……こういった話には枚挙にいとまがない。これらのおもちゃは1年後にどれだけ残っていることやら。

 そんななか、ひと味違っていたのがセガ トイズの「プーチ」。PCと接続することでメールが来たことを伝えてくれる「PCプーチ(仮)」や、MITの協力を得て作られているプーチの発展形で、歩くなどの動作を行なう「AIプーチ(10月発売予定、5,980円)」など、次期商品が数多く展示されていた。

セガトイズ「プーチ」 タカラ「名犬ダッキーJr.」 TOHO「T-DOG 2000」
マルカ「ロボ犬」 マルカ「iDog」 ドリームズ・カム・トゥルー「バウワウ・テクノ」



●ミーシャに続け……、低価格デジタルカメラを各社一斉に展示

 ロボットに続いて多かったのが低画素数、低価格なデジタルカメラ。トミーが昨年秋発売した「ミーシャ」のヒットを受け、各社一斉に発表した。

 トミーはミーシャのハローキティバージョンを出展。プリクラ風のフレームにハローキティを採用したほか、ハローキティの付いたカメラケースが付属する。また、15万程度の画素数を持つデジタルカメラ「ヤフー・カム(YAHOO CAM)」も投入。赤外線センサーを搭載しており、センサーに反応すると自動的に撮影するなどの機能を搭載している。撮影枚数は6枚~12枚で8月頃に7,980円での発売を予定している。
 タカラは薄型の「あそ・デジカメラスリムショット」を展示。他社の半分ぐらいの薄さで、デザイン的には一歩先んじているように感じた。また、携帯電話を使い画像を転送できるサービス「Cute Club」にも対応している。
 バンダイはすでに発表済みのシーアットメールのほか、トランスミッターで動画をテレビに転送できる「撮っちゃおoh!」の新型も展示していた。

 デザイン的な違いはあるものの、どの機種も筐体がトランスルーセントなのが面白い。

バンダイのシーアットメール。12万画素で7,800円。4月下旬発売予定 トミーのヤフー・カム。赤外線センサー搭載で他社との違いをアピール ドリームズ・カム・トゥルーのデジタルカメラ「チビ・スケ」。かなりコンパクトにまとまっている
タカラの「スリムショット」。その名の通りかなりの薄型 humandreamの「Winky3D」。ホームページ作成に使えると宣伝 デジタルカメラではないがトランスミッターを搭載したビデオカメラ「撮っちゃoh!」。ラジコンカーとのセット商品が展示されていた



●ワンダースワンがモバイル端末に「ワンダーゲート」

 何度かすでに報道している、バンダイの携帯ゲーム機「ワンダースワン」と携帯電話を接続するキット「ワンダーゲート」の完成が近づいている。NTT DoCoMoから6月頃の発売が予定されており、価格は「1万円程度を予定している(NTT DoCoMo)」という。E-mailのほか、Webブラウザ(ブックマーク機能付き)、32KB程度のミニゲームのダウンロードなどが予定されている。また、カプコンの「ポケットファイター」などの対応ゲームの発売も控えている。アイテムなどのダウンロードや、ゲームによってはスコアランキングなども予定されている。

 また、プレイステーションとポケットステーションを通して連携させることができる「ワンダーウェーブ」もほぼ完成していた。会場ではデジモンでモンスターのやりとりを実際に行なっていた。価格が安いのが魅力で、1,500円となる。

ワンダーゲート。ワンダースワン本体が安いため、周辺機器として1万円程度が限界か? ワンダーウェーブ。ソフトはデジモン



●ほかにもデジタル関連グッズが満載

 このほかにもトピックとなるものは多い。トミーのブースにはIntelのロゴが掲げられているが、これはトミーのサーバーをIntelが管理しているため。インテルはサービスプロバイダを開始しようとしているが、トミーのケースが日本では初めてのケースとなる。また、トミーはこれ以外でもIntelと協力していくとしており、「Intelのチップを積んだおもちゃが登場する可能性もある」とコメントしてる。

 とにかくデジタル関連グッズを展示してるブースは多く、PC Watch読者であれば楽しめること請け合いだろう。一般公開日は土日のためかなりの混雑が見込まれるが、ぜひ会場に足を運んでみて欲しい。

PDAケースなど、「どこでもいっしょ」グッズもかなり見受けられた。これはUSB接続するとトロが動くグッズ ピンクのふにゃふにゃキーボード「ダイカット フレキシブルキーボード」 小さいチップに音楽を録音して聴くことができるグッズ。Tigerが制作したもので販売はトミー。音楽は2分間程度録音できる


□2000東京おもちゃショーホームページ
http://www.toynes.or.jp/TOYSHOW/top.htm

(2000年3月16日)

[Reported by funatsu@impress.co.jp]


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