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2009 International CESレポート【Toshiba編】

2009年中に携帯型ネットビューワを発売予定
~TransferJetも年内に製品化

Toshibaブース

会期:1月8日~11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center
   Sands Expo and Convention Center/The Venetian



 Toshibaは、CES会場で新技術や新機軸の製品の展示/デモを行なっている。その中の1つが、「Network Stationary」と呼ばれる参考展示品。訳すと「ネットワーク対応文具」となるが、基本的な用途は携帯型のインターネット端末だ。

 4型程度のタッチスクリーンとWiFi機能を内蔵し、持ち歩いて手軽にネットで検索したりするのを目的としている。イメージとしてはiPhoneから電話機能と音楽再生機能を削り、情報端末としての性格を強めたといったとこだろうか。

 これが今回「文具」と呼ばれているのは、文具のように気軽に携帯してもらいたいという意図が込められているためのようで、実際、手帳に取り付けるためのアダプタとセットで展示されている。

 製品に直接触ることはできなかったが、外から見る分にはきちんと動作しているようだった。東芝の説明員によると、このNetwork Stationaryは、2009年中の製品化を目指して開発しているもので、基本的な用途やサイズなどはこれに決定しているのだという。

Network Stationaryと名付けられた試作機。手帳のリングにはめるためのアダプタまで作られている。さっと取り出してWiFiでどこでもネットにアクセスして情報を得るのが目的 本体部分を取り外したところ。大きさや使い方はiPhoneに近い。ただし、音楽や動画の再生は基本的に用途として考えられていない。ちなみに右の電卓は普通の電卓

 そのすぐ隣には、「Wide LCD/DMFC Internet Viewer」というものが展示されていた。こちらは、分離されたキーボードがあり、燃料電池を使用するもので、まだプロトタイプの段階。しかし、ここから分かるのは、同社が携帯型ネット端末にかなり真剣に取り組んでいるということだ。ちなみにこのプロトタイプもタッチスクリーンで、燃料電池で7~8時間の駆動を想定している。

こちらは先のNetwork Stationaryより実験的な燃料電池で動作するネット端末のプロトタイプ。液晶部分だけはきちんと動作していた そのほかにもさまざまなプロトタイプ(こちらはモックアップ)が展示されており、このジャンルに対する同社の意気込みの強さが伺える

 もう1つ、2009年中の製品化を目指し、開発に取り組んでいるのが「TransferJet」対応機器だ。これはNFC(近距離通信)による無線通信技術で、FeliCaなどのように機器同士をかざすくらいに近づけて、データ通信を行なう。その速度は理論値で560Mbps、実効値で375Mbpsとかなり高速だ。

 デモに使われていたのは、TVにつなぐUSBアダプタと、TransferJet内蔵PCと、携帯型端末の試作品。携帯型端末をPCにかざして、データをPCに送ったり、PCの画面キャプチャを端末に送ったりということを行なっていた。

 TransferJetのコンソーシアムにはソニーやパナソニックなど大手家電系メーカーが多数参加しており、各社とも2009年から対応製品を出していく見込みだという。

TransferJetに対応した携帯端末の試作品 双方向通信が可能なので、端末からPCにデータを送ったり、逆にPCのデータ(ここではスクリーンショット)を受信することもできる これはTV用のUSBアダプタ。ここにTransferJet対応端末を置くと、それだけで写真や動画を閲覧できる

 このほか技術系デモとしては、「Super Charge Ion Battery (SCiB)」を使った急速充電のデモが注目を集めていた。SCiBはリチウムイオンより高速で、寿命が長く、安全性も高いことを売りとした二次電池。

 メインの用途はPCが想定されており、10分で9割の充電が完了することを目標に開発が進められている。SCiBのデモ自体はCEATECでもあったが、今回初めて外付けのSCiBのサンプルが用意された。

 SCiBの短所はリチウムイオンよりも駆動時間が短くなる点。そのため、急速充電が必要なときはSCiBを使って、長い駆動時間が必要なときはリチウムイオンをという使い分けが望まれるが、コントローラを統一できないため、この実現は難しいという。そのため、同社ではこのような外付けバッテリも検討しているのだ。この外付けバッテリには、ノートPC以外も充電できるよう、USBポートをつけるアイディアもあるという。製品化の時期や価格的なことは決まっていない。

外付けのSCiB。これをノートPCの電源端子に繋いで利用する 充電の早さを示すデモ。左がSCiB搭載機で右はリチウムイオン 結果はこのように圧倒的差が出る

□CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
□Toshibaのホームページ(英文)
http://www.toshiba.com/
□製品情報
【2008年7月17日】近接無線転送技術「TransferJet」のコンソーシアム設立
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0717/transfer.htm

(2009年1月13日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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