AMD、45nmプロセスクアッドコアの「Phenom II」を正式発表
1月8日(現地時間) 発表 米AMDは8日(現地時間)、45nm SOIプロセスを採用したデスクトップ向けクアッドコアCPU「Phenom II」を正式発表した。日本でも1月10日よりボックス版の発売が開始される。 先だって発表されたサーバー/ワークステーション向けのShanghaiコアOpteronをベースにしたプロセッサ。これまでの65nm SOIから45nm SOIプロセスへとシュリンクされたほか、いくつかの機能改善を施し、ブランド名もPhenomからPhenom IIへと変更された。
主立ったPhenomとの相違点は、共有L3キャッシュ容量が2MBから6MBになった点と、DDR2-1066に加え、DDR3-1333にも対応する点(ただし、当初の対応メモリはDDR2のみとなる)。 また、クロック当たりの性能を改善し、動作クロックも最大3GHzまで引き上げることで、従来のPhenom最上位モデルに対して、およそ2割程度性能を向上させた。なお、同社によるとPhenom IIは空冷で4GHz程度、液体窒素を使った環境では6GHzまでオーバークロック可能としている。 消費電力面では、Cool'n'Quiet 3.0を実装。Pステートが追加され、動作最低クロックが1GHzから800MHzに下がり、動作電圧も下がったことで、動作クロックを上げつつも、TDP(熱設計消費電力)は、これまでと同じレベルにとどめた。 製品ラインナップは、Phenom II X4 940 Black EditionとPhenom II X4 920。1,000個ロット時のOEM価格は、それぞれ275ドルと235ドル。前者がコアクロック3GHzで非倍率固定、後者が2.8GHzで倍率固定である以外、仕様はほぼ共通。 L1キャッシュはコアごとにデータ64KB+命令64KB、L2キャッシュはコアごとに512KB、L3キャッシュは共有で6MB。バスインターフェイスはHyperTransport 3.0でリンク速度は1.8GHz。トランジスタ数は7億5,600万で、ダイサイズは258平方mm。コア電圧は0.875~1.5V。TDPは125W。最大周辺ケース温度は62℃。CPUソケットはSocket AM2+。 AMDではこのPhenom IIと、AMD 790FX/GXチップセット、Radeon HD 4800シリーズを組み合わせたものを「Dragonプラットフォーム」と称している。Phenom+AMD 790+Radeon HD 3800で構成される「Spiderプラットフォーム」と比較して、平均で5割前後、ゲームでは最大3倍程度性能が向上したとしている。 Socket AM3(DDR3)に対応したPhenom IIは2009年第1四半期中に出荷開始の予定。現行のPhenom X4/X3シリーズは当面、販売を継続する。
□AMDのホームページ(英文) (2009年1月8日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
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