CEATEC JAPAN 2008レポート 【マイクロソフト記者会見編】
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9月30日 開催
米Microsoft ブラッド・ブルックス氏 |
マイクロソフトは、30日のCEATEC JAPAN2008の講演終了後記者会見を開催。講演内容をあらためて説明した。
まず、講演のために来日した米Microsoftのコーポレートバイスプレジデント Windowsコンシューマープロダクトマーケティング担当のブラッド・ブルックス氏が講演で話した内容を踏まえ、マイクロソフトのコンシューマー事業に対するスタンスをあらためて説明した。
「マイクロソフトはコンシューマの皆様に、今までにない経験を提供するための努力をさらに強化していく。すでに多くの方が、PCだけでなく、携帯、Webサービスなどさまざまなものを利用している。それらを利用する壁をなくしていくことで、さらにエキサイティングな価値を届けるのがマイクロソフトの使命だ。我々はお客様の選択肢を増やし、世界中の人にWindowsを届けるための努力を惜しまず続けていく」
マイクロソフト 堂山昌司氏 |
次に、日本法人の代表執行役副社長でコンシューマー&オンライン事業部担当の堂山昌司氏が日本でのコンシューマ事業に対する意気込みを次のように話した。
「我々のミッションはコンシューマ事業を立ち上げること。最近のマイクロソフトは、法人向けのOffice、サーバー製品といった印象が強くなっている。しかし、原点はコンシューマから始まったのがマイクロソフトである。残念ながらこの10年の間、コンシューマのことを忘れてしまったのではないかと反省し、ワールドワイドでコンシューマに立ち戻ろうというのが、我々が担当するコンシューマ事業の仕事だ」と話した。
その上でコンシューマ事業の中でも、「我々が得意としているのはプラットフォーム事業。PCのプラットフォームに続き、携帯、TV、それぞれのプラットフォームが進化し、ユーザーの生活も進化しており、今日のブースを見ても、ハイビジョン、ハイクォリティなHD、Blu-rayが展示されている。これら新しいものをどうサービスとして、ソフトとしてつないでいくのかという課題を解決するのに一番強いのがマイクロソフトではないかと考えている。それぞれのメディア、プラットフォームの壁を取り払い、シームレスにつなぎ、サービスを提供していく。今日発表させて頂いた、スカパー!の新サービスがその一例。さらに、TBS、フジテレビと連携したことで実現した、いろいろなサービスを載っけることで、よりリッチな体験をしてもらう」と異なるプラットフォームを連携させることこそ、マイクロソフトの役割だと説明した。
記者会見には、スカイパーフェクト・コミュニケーションズの仁藤雅夫社長も参加し、「オープンインターネット上で、スカパー!に簡単にアクセスできるサービスとして提供を開始した。これまでスカパー!を利用していなかった人が利用できるものとすることで、我々に番組を提供していただいているパートナーさんにも理解してもらっている」と、新サービスがスカパー!のユーザー拡大につながるものだとの見方を示した。
番組を提供する側として、「ナショナルジオグラフィックス」などを提供するニューズブロードキャスティング・ジャパンの小泉喜嗣社長が登場し、「我々はあらゆるタッチポイントでサービス提供をしたいと考えている。このように手軽に、PCで即見える、新たな契約が必要ないサービスは顧客拡大にプラス」と話した。
その後、行なわれた質疑応答では、Googleと比較した場合のマイクロソフトの優位点はどこだと考えているのかという質問が飛んだ。
スカイパーフェクト・コミュニケーションズ 仁藤雅夫社長 | ニューズブロードキャスティング・ジャパン 小泉喜嗣社長 |
それに対しブルックス副社長は、「Windowsはさまざまな形に進化してきた。従来、ソフトはPCの中で存在していたが、進化によりどんどん形を変え、PCだけでなく、さまざまなメディアを使って、ソフトを使う機会も増大し、現在ではさらにリッチなサービスを提供するというのが重要な点になる。これまでのWindowsといえばPCに存在するものという認識が強かったが、これからのユーザーにとってWindowsはPCに限らず、携帯、インターネット、TVと自分が使うあらゆるところに存在するものとなっていく。自分が選択したいデバイスに常につながっている。それによって情報共有のいっそうの促進を実現する。私たちは今後もOSだけでなく、Live、サービス、さらに今日発表したスカパー!との連携などによる娯楽文化との連携などを実現させていく。こうした展開ができるのは我々マイクロソフトだけだ」と強気の見方を示した。
また、日本法人の堂山副社長は、あらためてコンシューマ事業を起ち上げると発言した意図について次のように説明した。
「私は昔のマイクロソフトは知らないが、5年前、10年前と比べると、ブロードバンド化、PCメモリの増大など環境が変わり、さらに消費者がどうPCを使うのか、使い方も大きく変わった。今までのマイクロソフト、コンシューマといえば、箱の中のソフト領域にとどまっていた。我々はその壁を取り除き、日本でいえば携帯ユーザーをどう取り込むか、TVというかディスプレイという考え方で、画面の窓口がどう変わるのかといったことに取り組まなければならない。OS、プラットフォームビジネスも継続していくが、どういうサービスがあったら消費者が楽しい生活を送ることができるのかという点に重きを置いていきたい。今の若い人たちは、携帯で写真を撮り、それを見せ合うことが当たり前となっている。北海道にいる友達が東京で撮った写真をすぐ見られる、パリで撮った写真が東京ですぐに見てもらえるといったシェアリングサービスを通して、サービスがもっと豊かになるのではないかと考えている」と語った。
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□CEATEC JAPANのホームページ
http://www.ceatec.com/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0930/ceatec02.htm
(2008年10月1日)
[Reported by 三浦優子]