今回は秋月電子通商から発売されているブレッドボード・オルゴールキットを作ってみましょう。「電子回路やブレッドボードには興味があるけれど、何から始めてよいのかわからない」という方にも適した、簡単に作れる楽しいキットです。
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秋月電子通商のブレッドボード・オルゴールキットは、電池(単三形乾電池×2本)以外の必要部品が全て揃ったキットです。汎用のブレッドボードも付属しますので、ブレッドボードを使った電子工作入門にも最適です |
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【動画】完成したキット。3曲入りのメロディICとボタン操作により、異なる3曲を再生することができます。メロディICは2種類同梱されていて、IC交換により合計6曲を楽しめます |
このキットだけでなく、電子工作キットと呼ばれるパッケージの良いところは、間違えずに組み立てれば必ず動作することです。必要な部品も全て揃っており、ほとんどのキットには組み立て手順などが書かれた説明書も同梱されています。
少しの時間さえあれば、誰でも電子回路に触れることができるというハードルの低さが、電子工作キットの良さです。このオルゴールキットの場合、ブレッドボードをベースとしていますので、ハンダ付けが不要という手軽さも大きな魅力です。
それでは、さっそくキットの中身を見ていきましょう。
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キットにはこのような部品が含まれています。これ以外に必要なのは、単三形乾電池×2本と、わずかな時間だけです |
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簡素な説明書(A4サイズ1枚)も付属します。実体配線図と呼ばれる“見たとおりに作れば完成する配線図”も載っていますので、回路に関する知識が少なくても容易に組み立てられるでしょう |
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こちらは説明書にある実体回路図です。部品の形状を回路図記号として簡略化してありますが、配線は実体配線図とほぼ同じです |
今回購入したキットに付属する説明書について、一点、間違いがありました。実体配線図上のLED1は極性が逆になっていますので、このLEDを使う場合は注意してください。なお、配線図にはLED1とLED2の2つのLEDが描かれていますが、キットに付属するLEDが1個なので、接続するのはどちらか片方です。
そのほか、組み立てのポイントは、SW(M0)やSW(M1)を同時に接続しないこと、半固定抵抗やタクトスイッチの足はあらかじめラジオペンチなどで平らにしておくと挿しやすい、といったあたりでしょうか。以下に、付属する部品について簡単な説明を加えておきますのでご参照ください。
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一般に“タクトスイッチ”と呼ばれている押しボタンスイッチで、押下時にカチッという感触(tactile)があります。機構は、黄色のスイッチを例に挙げると、1と2の足、3と4の足は内部で繋がっています。[1と2]側、[3と4]側、と考えるとわかりやすいと思います。ボタンを押すと、[1と2]側と[3と4]側が接続される、というわけです。タクトスイッチの機構については、アルプス電気の部品カタログに詳しく載っています |
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半固定抵抗器です。抵抗値を変化させられる抵抗器(ボリューム)で、105という数字は1MΩを表します。105は、10×10の5乗=1,000,000Ω=1,000kΩ=1MΩ、と読みます |
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オールゴールの主だった回路およびメロディを収めたICです。3曲入りのICが2個付属しています |
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ICの足には番号があり、回路図を読む上で必要になりますので、番号の規則を覚えておきましょう。上から見て、切り欠きがある側を左とし、左下の足から反時計回りに1、2、3、……と読んでいきます。切り欠きのかわりに白い刻印などがあれば、その刻印を1番として同様に読みます |
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スピーカーです。このスピーカーに極性はないようです |
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左側はカーボン抵抗器です。右側は“0Ω抵抗器”と呼ばれる少し特殊な部品です。0Ω抵抗器がこのキットに付属している理由は、ブレッドボード用のジャンプワイヤよりも安価に供給できる(つまり導線がわりとして使える)からだと思われます |
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0Ω抵抗器は市販されています。基板上での試作などの時に、とりあえず導通させておき、後に問題があれば切断して導通させないようにしたり、抵抗器などの部品と取り替えたり、といった目的で用いられるようです |
以上が付属する部品の概要です。タクトスイッチ、メロディIC、半固定抵抗器や抵抗器、0Ω抵抗(ジャンプワイヤを使っても良い)程度の部品で電子オルゴールを組み立てられます。
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組み上がった様子。実体配線図どおりに作りました。よく見ると一部の0Ω抵抗が不要なことがわかりますが、とりあえずそのままにしておきましょう |
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キットを組み立てて動かしてみたところ、付属のスピーカーでは音がやや歪んでしまいました。試しに別のスピーカーと交換してみたら、音質が良くなりました |
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ワニ口クリップの反対側にブレッドボードへ挿せるピンが付いた特殊なコードです。こういったコードがあると、一時的にスピーカーなどを交換する時に便利です |
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本文とは関係ありませんが、ブレッドボードベースのリズムシーケンサーも存在します。The Breadboard Bandによる作品で、dorkbot tokyoというイベントで購入しました。ブレッドボードのおもしろさが随所に見られます |
キット製品は、このように手軽に組み立てて楽しむことができます。しかし、それだけではおもしろくありませんので、次回はこのキットを箱に詰め、箱を開くとメロディが鳴るように改造してみましょう。
□バックナンバー
(2008年9月4日)
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船田戦闘機、スタパ齋藤、上杉季明によるユニット。電子工作からバンド演奏までさまざまな活動を行なうが、各活動に共通するテーマは“電気が通ること”としている。電子部品・電子回路の玄人ではなく、それらに対して強い興味を抱いている。ブレッドボーダーズは、そんな立ち位置から電子部品・電子回路に触れていくプロジェクトである。 |
PC Watch編集部
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