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MemCon 2008前日レポート
DRAMやNANDフラッシュ、SSDなどの将来を議論

7月21日はチュートリアル講演が行なわれていた

会期:7月21~24日(現地時間)

会場:米国カリフォルニア州サンタクララ
   Hyatt Regency Santa Clara



 半導体メモリに関する世界最大の講演会「MemCon(メムコン)」が、7月21~24日(現地時間)に開催される。会場は米国カリフォルニア州サンタクララのHyatt Regency Santa Clara。米国のDenali Softwareが主催する。

 Denali Softwareは講演会運営が専門というわけではなく、半導体メモリ業界では良く知られたソフトウェア開発企業である。メモリのコントローラ回路やメモリのシミュレーションモデルなどが主力製品であり、半導体開発やシステム開発などの現場では同社の製品が標準的に使われている。

 「MemCon」で講演するのはDenali Softwareのほか、DRAMベンダーやフラッシュメモリベンダー、メモリモジュールベンダー、標準規格策定団体などである。講演会の参加者は、半導体メモリとメモリモジュールに関する最新情報を入手できる。

 講演会の会期は7月21日~24日の4日間。初日の21日は有料のチュートリアル講演が実施される。22日~24日がMemCon 2008のメインイベントである、講演トラックとなる。前日レポートでは、講演トラックの概要を紹介しよう。

●7月22日:モバイル/フラッシュ

 講演トラック初日の22日は、「Mobility/Flash」のサブテーマが付いている。サブテーマ通り、モバイル用メモリとフラッシュメモリの講演が多い。

 午前の始めには、韓国Samsung Electronicsの無線端末部門でバイス・プレジデントを務めるMuzibul Khan博士のキーノート講演「A Quick View in the Future of Wireless」が予定されている。続いてDRAM大手ベンダーのQimondaがDRAM開発の課題について述べる。それからDenaliが、フラッシュメモリの進化がシステム設計に与える影響を説明する。そしてフラッシュメモリ大手ベンダーのSpansionが、NOR型フラッシュメモリの将来を展望する。特に、フラッシュメモリによるDRAMの置き換えについて述べるので注目したい。午前の最後は、Samsungがモバイル用メモリの動向を解説する。

 昼食休憩を挟んで午後の始めには、Denaliによるキーノート講演が予定されている。タイトルは「The Memory Era:The Tail Wags the Dog」(メモリの時代:尻尾が犬を振り回す)と挑発的だ。続いてIntelが、フラッシュメモリのキャッシュ技術によってPCの性能を向上させる手法を述べる。それからPortelligentが、2003年~2007年の携帯電話機用メモリの進化を解説する。同社は電子機器を分解し、解析するビジネスで知られている。過去4年間で325品種を超える携帯電話機を分解した実績を有しており、どのような内容になるのか興味深い。

 このほか、Qualcommのモバイル機器用メモリに対する考え方の講演、Denaliによるメモリ市場予測の講演などが予定されている。

●7月23日:デジタル家電/低消費電力

 23日のサブテーマは「Consumer Electronics/Low Power」である。始めに、Qimondaが民生モバイル機器用の低消費電力版DRAMについて講演する。続いてフラッシュメモリカード大手ベンダーのSanDiskが、モバイル機器向けのNANDフラッシュメモリ技術を解説する。次に高速メモリインターフェイス開発企業のRambusが、次世代モバイル用メモリに要求される速度や消費電力、価格などを述べる。また大手CPUコアベンダーのARMが、低消費電力版DDRインターフェイスの設計手法を議論する。

 午後はまず、Spansionがフラッシュメモリの将来像を展望する。フローティングゲート技術、電荷捕獲技術の両方について論じる。続いてDenaliが、次世代の低消費電力版DDR2 DRAMについて述べる。また電子回路設計ツール(EDAツール)の大手ベンダーであるCadence Design Systemsが、メモリ設計とメモリコントローラ設計における電源の扱いとノイズ対策を解説する。そして半導体の共通規格策定団体であるJEDECが、規格策定の最新動向を述べる。大手計測機器ベンダーのAgilent Technologiesは、メモリバスの計測と評価、デバッグの手法を解説する。

●7月24日:コンピュータ/SSD

 最終日である24日のサブテーマは「Computing/SSD(Solid State Drive)」である。午前のキーノートでは、大手メモリベンダーのMicron Technologyが半導体メモリの低消費電力技術に関して講演する。続いてRambusが、マルチコアプロセッサ向けのメモリシステムを論じる。それからDRAMの将来像を議論するパネルディスカッションが予定されている。

 その後はSanDiskがMLC(マルチレベルセル)方式のNANDフラッシュメモリによるSSDの可能性を展望する。それから高速NANDフラッシュメモリインターフェイスの共通規格策定団体であるONFI(Open NAND Flash Interface Workgroup)が、規格概要と活動状況を説明する。そしてMicrosoftが、不揮発性メモリ用ホストコントローラインターフェイスの共通規格を策定している団体「NVMHCI」の活動状況を報告する。最後には、SSDの用途、特にPC分野への普及を議論するパネルディスカッションが組まれている。

 このほかにも興味を引く講演が少なくない。PCWatchでは順次、現地レポートをお届けする予定である。

□MemCon 2008のホームページ(英文)
http://www.denali.com/en/memcon/2008/
□関連記事
【4月23日】日本HDD協会2008年4月セミナーレポート~HDD対SSD、その行方を議論
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【2007年11月20日】【MemCon Tokyo】「DRAMとPC」から「NANDフラッシュと民生/家電」へ
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【2007年11月19日】【MemCon Tokyo】NANDフラッシュがHDDを追いかける
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1119/mct.htm
【2007年11月16日】【MemCon Tokyo】デジタル家電がDRAMを牽引へ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1116/mct.htm

(2008年7月22日)

[Reported by 福田昭]

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