セイコーエプソン株式会社およびエプソン販売株式会社は、7月1日から10日まで支笏湖畔地域を含む千歳市において開催されている「J8(ジュニア・エイト)サミット2008千歳支笏湖」を支援。エプソン製プリンタで印刷した浴衣を、国内外から参加している小学生から高校生までの39人の全参加者に提供した。

　J8サミット2008千歳支笏湖は、7月7日から9日まで開催される「北海道洞爺湖サミット(G8)」と連動して開催されているもので、国際問題を子供の視点から話し合うことを目的に、2005年から実施されている。これまでにも世界各国の首脳に対して、子供たち自身が貧困や教育などの子供に関わる問題を解決するための提言を行なってきている。

　今回のJ8サミット2008千歳支笏湖は、日本政府(外務省)と、ユニセフが主催となり、G8各国の子供に加えて、バルバドス、コートジボワール、イラク、キルギス、モンゴル、ネパール、南アフリカといった国と地域から、合計39人の代表者が参加。7月7日には、G8首脳との直接会合を通じて、J8宣言が提出されることになる。

歓迎レセプション「Chitose Night」の会場となったホテル日航千歳

　セイコーエプソンは、新千歳空港近くにおいて、千歳事業所を、2005年4月から本格稼働。プロジェクタなどに使用されるHTPS(高温ポリシリコン)TFTパネルの生産を行なっている。今回のJ8サミットが千歳市内で開催されることから支援を決定したという。

　7月4日に、千歳市内で行なわれた、J8サミット市民実行委員会が主催した歓迎レセプション「Chitose Night」では、全参加者がこの浴衣を着用。海外からの参加者は、自らの浴衣姿に歓喜の声をあげたり、引率者や参加者同士が写真を撮りあうといった光景があちこちで見られ、参加者は日本ならではの風情を味わった。

　浴衣に描かれたデザインは地元千歳市の高校生が描いたもの。また、「千歳」、「支笏湖」の文字は地元の小学生が書いたもので、青地をベースとした爽やかな印象の浴衣となっていた。

　エプソンでは、このデザインを、最新のマイクロピエゾヘッドを搭載した大判プリンタ「MAXART(マックスアート) PX-20000」などで印刷。「前身ごろの印刷だけで、約40分かかる。これを縫い合わせて、参加者に提供した」(エプソン)という。

　印刷する布は、離型紙タイプとなっており、通常の紙と同じ工程で印刷。印刷されたものから布の部分をはがしたあとに、色落ちしないように定着させ、縫い合わせて、浴衣が完成する。

　「通常の工程では、染色、発色、定着、洗浄の各工程で、大量の水を必要とし、廃水が多く出る。また、電気、ガス、油燃料なども消費することになる。だが、インクジェットを活用することで、水をはじめとする資源の消費が少なく済み、少ロット多品種生産への対応、短納期への対応、色数に制約がないというメリットのほか、生産のためのスペースを小さくできるというメリットがある。環境に配慮した形で、浴衣が生産できる」(セイコーエプソン)としている。だが、その一方で、こうした生産分野におけるインクコストの改善は、今後の課題のひとつだという。

　また、会場では、インクジェットプリンタの最上位機であるPM-T990を活用して、うちわを作成。参加者や引率者などに配布していた。このデザインも地元の小学生などが担当したという。

Chitose Nightの様子	レセプション会場に置かれたエプソンコーナー	エプソンコーナーではPM-T990を3台設置し、その場でうちわを制作
エプソンのプリンタで印刷された浴衣	このように印刷後に離型紙からはがす	浴衣を着用したJ8代表参加者39人が記念撮影
会場で作成されていたうちわ	うちわはシールタイプの紙に印刷後、それをはがして、うちわに貼り付けると完成	こちらは、代表参加者39人に渡された特別なうちわ
会場にはけん玉をはじめとする日本固有の遊び道具が展示されたほか、海外で販売されている日本の漫画などが読めるようになっていた		千歳市内にあるセイコーエプソン千歳事業所

□セイコーエプソンのホームページ
http://www.epson.jp/
□J8サミット2008千歳支笏湖のホームページ
http://www.city.chitose.hokkaido.jp/j8/japan/j8index.html
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(2008年7月7日)

[Reported by 大河原克行]