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インテル、こども環境サミット札幌で100台のUMPCを貸与
~世界11カ国の子供たちが学習ツールとして活用

こども環境サミット札幌のロゴマーク

6月27日~29日 開催



 インテルは、北海道・札幌で開催している「こども環境サミット札幌」に協力企業として参加。同サミットに参加した子供たち約100人を対象に、UMPCを貸与した。

 「こども環境サミット札幌」は、 7月7日から開催される北海道洞爺湖サミットを記念して、6月27日から29日までの3日間、札幌市内で開催されたもので、日本をはじめ、米国、中国、ドイツ、ロシア、オーストラリア、インド、フィリピン、韓国、シンガポール、タイの11カ国から、11~15歳(小学校5年生から中学校3年生)の児童、生徒ら102人(日本から62人、海外から40人)が参加。地球環境について各国の取り組みを子供たちが紹介するとともに、環境に関する知識の修得、情報交換などを通じて、世界規模での環境への取り組みをさらに加速しようというもの。

 主催は、札幌市、環境省、北海道、札幌商工会議所、札幌委青年会議所、北海道新聞社で構成される、こども環境サミット札幌実行委員会。札幌市内のモエレ沼公園、サッポロさとらんど、札幌サンプラザの3カ所を結んで、基調講演やワークショップ、レクチャータイム、フィールドアクティビリティなどのプログラムを実施。さらに、期間中に行なわれるフレンドシップパーティーやファンタイムを通じて、交流を深めた。

会場の1つとなったモエレ沼公園ガラスのピラミッド
こども環境サミットのワークショップの様子。各国の環境への取り組みが報告された インテル事業開発本部・宗像義恵本部長

 初日に行なわれた基調講演では、アルピニストの野口健さんが登壇。環境問題に取り組むことの重要性などについて、自らの体験をもとに訴えた。また、最終日には、「こども環境サミット札幌・メッセージ」として、世界に向けて、地球環境を守ることの大切さをメッセージとして発信した。

 こども環境サミット札幌の開催期間中、インテルが子供たちに貸与したのは、富士通の法人向けPCであるLIFEBOOKシリーズの「FMV-U8250」。個人向けPCとしては、「LOOX U」として製品化されているUMPCだ。

インテルが子供たちに配布したFMV U-8250

 「インターネットを利用して、学習に必要な資料を調べたり、言葉が通じない場合の補助ツールに利用するといった用途を想定したほか、メールで家族に連絡するといった手段にも使えるように提供した」(インテル)という。

 札幌市内の情報や環境問題について解説しているサイトや、異文化交流に役立つサイトをあらかじめ登録。見学する場所の下調べや、授業前の情報収集、自国の文化の紹介に役立ててもらうほか、Skypeによる遠方の家族とのコミュニケーションなどにも利用できるようにした。

 また、子供たちが仲間づくりに役立つように、特製の名刺作成を支援。28日に北海道入りした環境省の鴨下一郎大臣に、参加者からメールを送信するといったイベントも用意されており、FMV-U8250は、そのツールとしても活用された。

英語版にはUbuntuを搭載している 日本語版にはWindows Vistaを搭載した

 日本の子供たちには、Windows Vistaを搭載し、日本語で操作できる環境を提供。Internet Exproler 7やOpenOffice、Picasaなどを搭載。一方、海外の子供たちには、OSにUbuntuを搭載し、英語で利用できる環境で提供。FireFoxや、OpenOfficeなどを搭載。また、辞書機能としてStarDictを搭載し、ローカルでは単語の検索を、ネット接続すれば長文の翻訳もできるようにした。加えて、札幌市が環境対策に取り組んでいる様子を紹介したDVDコンテンツを、日本語、英語、韓国語、中国語の4カ国5言語(中国語で2言語)で収録した。

 宿泊場所となった札幌サンプラザには、1階ロビーに、インテルがインターネットスポットを開設。さらに、ヘルプデスクサービスコーナーを設置し、PCに不具合が起こった際には、ボランティアで参加したインテル社員約20人がサポートする体制を整えた。

 「社内で参加者を募ったところ、定員を上回る応募があった」(インテル)という。

インテルが開設した札幌サンプラザロビ1階の無線LANスポットとヘルプデスクセンター ヘルプデスクセンター内に設置した無線LANスポット ヘルプデスクセンター内には、各国の環境に関する研究レポートが貼り出されていた
子供たちの質問に答え、操作を教えるインテルの社員。ネットの利用方法のほか、韓国の子供たちからは韓国語で利用できるようにして欲しいという要望もあり、韓国語が話せる社員がその設定にも対応するという一幕も

 こども環境サミット札幌の開催前日夕刻に行なわれたオリエンテーションでは、参加した子供たちに、1人に1台ずつ、FMV-U8250が配布され、操作方法を説明。海外からの参加者たちは、初めて見る超小型のPCに驚いたり、熱心に操作する様子が見られた。

開幕前日のオリエンテーションでFMV U-8250が配布された直後の様子

 「配布した直後は、日本の子供たちに比べて、海外の子供たちの方が積極的に活用している様子が見られたが、開催初日以降は、子供たちが喜んで使っているシーンがあちこちで見られた。なかには、ロシアの中学生が、無線LAN環境の先のDSL回線がネックになっていると指摘するなど、知識の高さにも驚いた。万全の用意を期したが、100台を一斉に接続したら、回線がパンクするという事態が発生し、こうした体験を通じて、我々もWiMAXの必要性を改めて感じた。子供たちに喜んでもらえるような形で、インテルがサミットに協力できてよかった」(インテル事業開発本部・宗像義恵本部長)と語る。

 インテルでは、『グリーンIT』の実現に向け、IT製品そのものの電力効率を向上させる技術の採用、省エネ対策により、CO2の排出量を抑える対策を行ない、IT製品およびITサービス利用時における地球環境保護や温暖化対策に取り組んできた経緯がある。Go Manageの観点からは、vProなどの管理機能を利用することで効率的な電源管理ができるようにしたほか、Go Mobileとして、モバイル化によって省電力化や、CO2排出量の削減などに貢献するという環境対策提案も行なっている。45nmプロセスの最新CPUや、UMPCなども環境に配慮した製品と位置づけている。

 一方、教育分野に対する取り組みも行なっており、新興国向けにClassMate PCを市場投入するなど、教育を支援するツールとして、IT化を促進する環境を整えており、先進国と新興国との情報格差の是正効果にもつなげようとしている。

 今回のこども環境サミット札幌に協力した理由として、宗像本部長は、「こうした環境対応や教育支援に取り組んでいるインテルにとって、今回の環境をテーマとしたこども環境サミットは、インテルの方針と合致するもの。これからの世代を担う子供たちに、地球温暖化防止に向けて、テクノロジーが貢献することを知ってもらうとともに、同時に、環境に対する意識を持ってもらうことが狙い。環境問題への取り組みの重要性をこどもたちが再認識する機会を提供したいという想いから協力したもの。最新技術を搭載したITを活用することが、環境対策にも大きく貢献するということに、興味を持って欲しいと考えている」(宗像本部長)とした。

名刺をプリントアウトする子供たち。大人気のサービスだった 子供たちが作った名刺のサンプル。写真の名刺はインテル・宗像本部長が試作品として作ったもの 無線LANスポットのあるヘルプデスクセンターが閉まっても、無線LANが届く場所を見つけて使う子供たちが相次いだ
UMPCは、サミット期間中、子供たちにとっては欠かすことができないツールとなっていた 参加者は鴨下一郎環境大臣にもメッセージを送ることができた
最終日に行われた宣言セレモニーで、子供たちがメッセージを発信した 宣言セレモニーでは環境省の鴨下一郎大臣が挨拶。自らもUMPCを手にしながら、「皆さんからのメッセージを受け取りました。新しく出会った海外の友だちとも、こうした端末を使用し、コミュニケーションを続けてください」と語った。

□こども環境サミット札幌のホームページ
http://www.city.sapporo.jp/kankyo/event/2007/csummit/
□インテルのホームページ
http://www.intel.com/jp/
□関連記事
【6月26日】インテル、企業向けPCのエコに対する取り組みを紹介
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0626/intel.htm

(2008年6月30日)

[Reported by 大河原克行]

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