CeBIT 2008現地レポート【Intelマザーボード編】未発表チップセット「Intel 4シリーズ」が多数展示
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Intel P45チップセットのMCH |
会期: 3月4日~9日(現地時間)
会場: 独ハノーバー市ハノーバーメッセ(Hannover Messe)
●PCI Express 2.0サポートのメインストリーム向け「Intel 4シリーズ」
Intel G45搭載製品ではHDMI端子を装備する製品も多い |
2006年のIntel 965チップセット、2007年のIntel 3シリーズチップセットと、Intel製の未発表チップセットを搭載したマザーボードが、まずCebitで披露され、6月の台湾で正式発表、という流れが2年連続で続いていた。その流れを踏襲するかのように、今年のCebit会場でもIntelの未発表チップセットを搭載したマザーボードが多数展示されている。
展示されたのは、Intel P45/G45などの「Intel 4シリーズ」チップセットで、「Eaglelake」のコードネームで開発が進められ、今年第2四半期の投入が予定されているものだ。
メインストリーム向け製品として展示されているのは、Intel P45、G45、Q45、P43、G43の5モデルで、Intel P45/P43以外はグラフィック統合型チップセットとなっている。また、サウスブリッジは新登場のICH10シリーズが組み合わせられている。
Intel 3シリーズチップセットとの大きな違いは、PCI Express 2.0のサポートである。Intel 3シリーズチップセットでは、ハイエンド向けのIntel X38ではPCI Express 2.0がサポートされているが、メインストリーム向け製品はPCI Express 1.1サポートに留まっていた。Intel 4シリーズチップセットは、ハイエンドからメインストリームまでがPCI Express 2.0サポートとなるわけだ。
また、PCI Express x8×2によるCrossFireもサポートする。搭載製品もCrossFireに対応した製品が多いが、廉価モデルではPCI Express x16スロットを1基しか備えないものもある。
そのほか、FSBは1,333MHzまでのサポートであるが、非常に多くの製品が1,600MHzまでの対応を謳う。Core 2 Extreme QX9770などの製品を独自にサポートするであろうことも予想され、高い性能を持つ環境にも利用されることになりそうだ。
メモリは、DDR3-1333のほか、DDR2-800もサポートする。実際の展示製品もDDR3対応、DDR2対応の両方が存在している。また、こちらもオーバークロック動作によるDDR3-1600やDDR2-1066への対応をアピールする製品が多い。
このほか、グラフィック統合型モデルのグラフィックコアも変更される。Intel G45には「Intel GMA X4500HD」、Intel G43には「GMA X4500」が統合されていることが明記されている。Intel G45のGMA X4500HDでは、Blu-ray Disc/HD DVDなどのHDコンテンツ再生のアクセラレーション機能が実装されているとのことで、AMDのUniversal Video DecorderやNVIDIAのPureVideo HDに近いものが実装されているのだろう。
出力周りも強化されており、HDMI端子を備える製品も多い。また、J&W Technologyからは“DisplayPort Ready”を謳った製品も登場している(ただし当該製品にコネクタは実装されていない)。
Intel Q45搭載製品では、「Intel Danbury Technology」をサポートする旨の紹介も行われている。企業向けプラットフォームであるvProの機能で、ハードウェアによる暗号化サポートを実現する機能だ。
以下、各チップセットを搭載する製品を写真で紹介する。
●Intel P45
abitのP45+ICH10R搭載製品「IP45 GT3」。1,600MHz FSB、DDR3-1600をサポートする | abitのP45+ICH10R搭載製品「IP45 Pro」。1,600MHz FSB、DDR2-1200をサポートする | abitのP45+ICH10搭載製品「IP45」。1,600MHz FSB、DDR2-1066をサポートする |
JetwayのP45+ICH10搭載製品「HI04」。1,600MHz FSBをサポート。DDR2/DDR3両対応製品で、DDR2-800×4スロット、DDR3-1066×2スロットの構成。NVIDIA SLI対応とするが詳細は不明(間違いである可能性が高い) | JetwayのP45+ICH10搭載製品「I45P-SG」。1333MHz FSB、DDR2-800をサポート |
MSIのP45+ICH10搭載製品「P45 Neo3」。1333MHz FSB、DDR2-800をサポート。PCI×4本の構成も特徴 | MSIのP45+ICH10搭載製品「P45 Neo」。DDR2をサポートする同社製P45搭載品の最廉価モデル |
●Intel G45
J&W TechnologyのG45+ICH10搭載製品「JW-IG45-MX」。1,600MHz FSB、DDR2-1200をサポート | MSIのG45+ICH10搭載製品「G45M」。今回のCebit会場でIntel G45を利用したライブデモを実施していたのは、本製品のみである |
●Intel Q45
ECSのQ45+ICH10DO搭載製品「Q45T-M」。Danbury TechnologyやIntel AMTをサポート。ディスプレイ出力はD-Sub15ピンとDVIを備える |
●Intel P43
abitのP43+ICH10搭載製品「IP43」。ローエンド製品となるが、1,600MHz FSBやDDR2-1066をサポートしている |
●Intel G43
●Intel X48搭載製品も多数。発表は間近か?
Intel 4シリーズチップセットの最上位モデルであるIntel X48 Expressに関しては、すでに存在が12月に公表されている。
このチップセットを搭載した製品も多く展示されており、ハイエンド向け製品らしく大型のチップセットクーラーを備える製品が目立つ。また、ほとんどの製品が2基以上のPCI Express x16スロットを備えているのが大局的な製品傾向といえる。
また、ASRockとMSIのブースでは、DDR3スロット×4本、DDR2スロット×2本という構成のコンボ製品も展示されている。また、GIGABYTE、ASUSTeK、J&W TechnologyではDDR2 SDRAMモデルを展示。DDR2モジュールの安価さに対するニーズが依然として根強いことを感じさせる。
ちなみに、このIntel X48。いまだ正式発表はされていない。展示したベンダーのブーススタッフによれば、今月中には発表できるだろう、としており、そう遠くない将来に登場することになりそうだ。
Intel X48チップセットのMCH | abitのX48+ICH9R搭載製品「IX48-MAX」。形状のインパクトは小さいが、かなり大きいファン付きチップセットクーラーを搭載している | AlbatronのX48+ICH9R搭載製品「PX48」。DDR3-1600サポート製品 |
ECSのX48+ICH9R搭載製品「X48T-A」DDR3-1600サポート製品。 | GIGABYTEのX48+ICH9R搭載製品「GA-X48T-DQ6」。DDR3-1900をサポート | GIGABYTEのX48+ICH9R搭載製品「GA-X48-DQ6」。こちらはDDR2-1200サポートモデル |
□CeBITのホームページ(英文)
http://www.cebit.de/
□関連記事
【2007年12月10日】【多和田】1,600MHz FSBに対応する
「Core 2 Extreme QX9770」&「Intel X48 Express」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1210/tawada120.htm
(2008年3月6日)
[Reported by 多和田新也]