[an error occurred while processing the directive]

2008 International CES開幕直前レポート
~プレビューイベントでSanDiskのVaulter Driveが登場

会場の1つであるLVCC

会場:Las Vegas Convention Center
    Sands Expo and Convention Center/The Venetian

会期:1月7日~10日



 IT関連の最大規模の展示会である「2008 International CES」が、現地時間の1月7日から10日の会期で開催される。

 例年通り、開幕前日から各社のカンファレンスが始まる。基調講演のトップバッターは今年もMicrosoftのビル・ゲイツ氏が務め、翌日以降は、Intelのポール・オッテリーニCEO、パナソニックAVCネットワークスの坂本俊弘社長といった顔ぶれが並ぶ。

 PC関連の話題としては、Intelが予定していたYorkfiledコアCore 2 Quadの発表が、直前になってキャンセルされ若干の不安もあるものの、公開が近づいたWindows Vista SP1絡みのものに注目が集まるほか、UMPCやモバイルノートPC関連で本体およびパーツメーカーから新製品の発表がなされるとの噂も広まっており、期待が高まる。

会場では最終設営作業が急ピッチで進む CES直前にLenovoが電撃発表したモバイルノートPC「IdeaPad」の垂れ幕

 1月5日(現地時間)にはInternational CESのプレビューとして主催者により開催されるCES UnveiledがSands Expoの特設会場において開催された。CES UnveiledはInternational CESの主催団体であるCEAが特別賞を与えた製品などが、本開催に先駆けて展示されるということもあり、毎年多くの報道関係者でにぎわっている。

 その中のPC関連でもっとも注目を集めたのは、フラッシュメモリカードなどで知られるSanDiskによるVaulter Driveと呼ばれる製品だ。写真の通り、PCI Express Mini Card上にフラッシュメモリと専用のコントローラが搭載される形になっており、一見するとIntelのRobsonことIntel Turbo Memoryと同じようなカテゴリーの製品に見えるかもしれないが、実はそうではない。フォームファクタはどちらもPCI Express Mini Cardだが、大きな違いは主に2つある。1つは容量の違いで、現行のIntel Turbo Memoryが1GBであるのに対して、Vaulter Driveは16GBとそれだけでOSが入ってしまいそうな容量だ。

 もう1つの違いはその利用方法だ。Intel Turbo Memoryは、HDDとメモリの間にある速度差を埋めるためキャッシュとして利用され、HDDのシークタイムのレイテンシ(ヘッドが円盤のデータが記録されている領域へ移動する時間)の遅さを埋める役目を果たしている。ソフトウェア的にはWindows VistaのReadyDriveとReadyBoostの仕組みを利用して、HDDのシークタイムにより発生するランダムアクセス性能の遅さをカバーし、OSやアプリケーションの起動時間を速めている。

 これに対してVaulter Driveは16GBあるのでSSD(Solid State Drive)として動作し、それ自体にOSをインストールする(つまりCドライブ)。そして、Serial ATAなどに接続されているメインのHDDをデータドライブとして利用する(つまりDドライブ)のだ。つまり、SSD+HDDという最近登場し始めた構成として利用できるのだ。

 ポイントは、フォームファクタがHDD互換型のSSDに比べて小さくすむこと、そして16GBで200ドル前後という価格だ。Vaulter DriveはPCI Express Mini Cardというフォームファクタになっているため、ノートPC自体を小さくすることができることだ。また、誰もが指摘するようにOEM価格で300ドルを超えるSSDに比べて、Vaulter Driveは200ドルのコストアップですむので、搭載してみようかというメーカーも出てくる可能性は高い。

 もっとも、Windows XPであればOSに必要な領域は小さいが、Windows Vista+2007 Office system(いわゆるOffice 2007)という組み合わせだとそれだけで15GBぐらいいってしまうので、Windows Vista環境で利用するにはまだまだ容量が不足であるのも事実だ。最近のフラッシュメモリは1年で倍というムーアの法則を超える勢いで大容量化が進んでいるので、来年になれば同じ200ドルで32GBという容量も実現不可能では無くなるだろう。そうなればSSD+HDDという構成がノートPCのスタンダードになる日も近いかもしれない。

報道関係者向けのプレビューとして行なわれたCES Unveiled SanDiskのVaulter Drive。16GBの容量を持ち、形状はPCI Express Mini Card。なお電気的にはPCI Express x1とUSBの両方をサポートする SanDiskの新しいUSBフラッシュドライブ。データを自動的にWebにバックアップする機能を備えており、データの紛失に備えることができる。データはパスワードにより保護されるほか、Webサイトで紛失の設定をすることで、次にどこかネットにつながっている環境でこのメモリが使われると自動的に中のデータが削除される仕組みになっている

Wireless USBの機能を備えたディスプレイ。ノートPCとはWireless USBで接続され、映像がWireless USB経由で転送されている(ちゃんとWindows Aeroが有効になっていることに注目)。なお、この製品はまだ試作品で、いつ製品が登場するかは未定とのこと USB接続の金庫。内部の端子にスルーしているだけで、金庫にいれたままの状態でHDDなどのデータが読める。通常の金庫のように耐火防水性があるので、火事などから光学ディスクやHDDなどを守ってくれる

e-detailのタブレットPCは、反対側にも液晶がついている。保険業など、接客業向けのソリューションだという AMDはGeode LXを搭載したいわゆる100ドルノートPCを展示 AMDのブースでは昨年のAMD最大の“戦果”である東芝のAMD CPU搭載ノートPCが誇らしげに展示されていた。今年のターゲットは、Lenovoとソニーあたりだろうか

□2008 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
□関連記事
【2007年12月21日】【笠原】Intel、YorkfiledコアCore 2 Quadの出荷を延期
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1221/ubiq207.htm

(2008年1月7日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp/笠原一輝]

【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
お問い合わせに対して、個別にご回答はいたしません。

Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.