ジャストシステム、一太郎/ATOKなど含む「JUST Suite 2008」を発表
2008年2月8日 発売 株式会社ジャストシステムは、統合オフィスソフト「JUST Suite 2008」を2008年2月8日より発売する。対応OSは、Windows 2000/XP/Vista。 構成内容は、ワープロソフト「一太郎2008」、日本語入力システム「ATOK 2008」、表計算ソフト「三四郎2008」、プレゼンテーションソフト「Agree 2008」、グラフィックソフト「花子2008」、メールソフト「Shuriken 2008」、PDF作成ソフト「JUST PDF[作成・編集」」の7本。 価格は通常版が26,250円、特別優待版が18,900円、特別バージョンアップ版とアカデミック版、ATOKユーザー向け特別優待版が15,750円。 各ソフトは単体でも同日に発売され、通常版の価格は一太郎が21,000円、ATOKが8,400円、三四郎が5,250円、Agreeが8,190円、花子が10,290円。このほか、素材集などのオプション製品や、ガイドブック、企業向けライセンスも発売する。 ●検索/閲覧/共有を一元的に実行できるSuiteNavi
同社では、「つながるSuite」をコンセプトに、JUST Suiteの新バージョンを開発。例えば、文書を作成するにあたっては、過去の文書やネット上の情報などを参照することで情報とつながり、それを複数のアプリケーションで利用することでアプリケーションがつながり、紙/PDF/ZIPといったさまざまな媒体に展開することで最終的にその文書が共有され人とつながる、といった具合で、それを実現するためのツールとして新たに「SuiteNavi」を実装した。 SuiteNaviはファイラーのようなアプリケーションで、ウィンドウ左側にドキュメント一覧、右側にドキュメントのビューワ、下側にドキュメントに対する操作用のアイコンが並ぶ。 左ペインではフォルダごとやドキュメントの種類ごとといった分類でファイルを表示したり、キーワードによるファイル名/全文検索などのほか、RSSリーダによるWeb情報の表示機能を搭載し、一元的にファイルや情報の検索ができる。 左ペインでファイルを選択すると、その内容が右ペインに即座に表示される。そのドキュメントのテキストだけを表示する機能もあり、一太郎などアプリケーションを起動せずにドキュメントの中身を確認できる。 同時に、下ペインの左側には、そのドキュメントを開くことができるアプリケーションのアイコンが表示される。JUST Suiteの各アプリケーションは連携できるため、例えば一太郎のファイルを選択していても、左下には一太郎以外にAgreeのアイコンも表示されるので、Agreeで起動すると、文書が自動的にプレゼンテーションに流し込まれる。Microsoft Officeとの互換性もあるので、一太郎ファイルならWord、三四郎ファイルならExcelのアイコンも表示され、それらからファイルを開くことができる。 ファイルを開く以外にも、PDFへの変換、ZIP圧縮、印刷、メール添付といった各種操作用のアイコンもあり、出力や変換作業を実行できる。中でもメール添付アイコンには、ドキュメントを「PDFファイルとして添付」するといった選択肢があり、これを実行すると、アプリケーションを一切立ち上げることなく、ドキュメントがPDF化されて添付された状態でメール作成画面が立ち上がるなど、作業を簡略化するための工夫が盛り込まれている。 このように、SuiteNaviでは、「探す」、「見る」、「共有する」という一連の流れを一元的に実行することができ、同社ではアプリケーション主導のOfficeから、ファイルを中心につながるOffice Suiteに進化したと表現している。 ●体感的変換精度が向上したATOK 2008 ATOKは従来、最も長く取れる2文節を優先的に選択する「n文節最長一致法」を採用していたが、近年この手法による誤変換の発生が稀ではなくなってきた。そこで、出現頻度や言語的性質などを数学理論によって1つの評価軸の上に積算する統計的言語処理手法を採り入れた。また、機械処理に頼らず、人手による検証と微調整を重ねることで、体感的な変換精度を向上させたという。具体的にはATOK 2007と2008で下記のような差が出る。 2007:請求書の/市は/来日時/ 2007:景気/回復の/広がりに/花岡/代を/残している。/ 2007:去年に/比べた/海水/順だ/ ブログやソーシャルネットが日常的に使われるようになったことで、これまで話し言葉モードでのみ変換可能だった表現が一般モードに採り入れられた。 2007:昼一までに/書類/津/くっと/いて。/ 2007:そんな/話/心/十/個/内よね。/ 2007:恥/メッカ/ら/もって/毛羽/いいのに。 入力支援の面でもいろいろな改善/機能強化が盛り込まれ、個別に変換した単語を1語として学習し、以降は一括入力しても同じように変換される「細切れ学習」、数詞や助数詞が並ぶ場合に、最初の言葉を変換するとそれに併せて残りの言葉も文字種や単位が変換される「次候補連動変換」、直前以前にまでさかのぼれる「確定アンドゥ」機能などを搭載した。 また、各種Webサービスとの連動機能も搭載し、変換作業の中から、はてなダイアリーキーワードサーチ、乗り換え案内、goo辞書、Yahoo!の検索結果を表示したり、ブラウザを呼び出したりできるようになった。
このほかのアプリケーションでは、一太郎で、エディタフェーズにプルダウンによるカラム変更機能、テキスト読み込み時に連番を自動でつける機能、ビューワフェーズに画面倍率変更時に複数ページを同時表示させるなどの機能強化のほか、異体字のサポート、Google/goo/はてななどとのWeb連動、コメントが残せる添削機能などを追加した。 三四郎は新たに「カード型編集」機能を搭載。データベースのように1列を1枚のカード状にして表示することで、視認性と操作性を高めた。 Agreeは、マウスカーソルを巨大な指さし棒や猫の手にすることで、カーソルを見やすくしたり、TV番組でみかけるようなフリップに貼られる「めくり」を再現する機能や、特定の場所にスポットライトを当てたり、その部分を拡大する機能を搭載するなど、遊び心のある表現が追加された。 Microsoft Officeとの互換性については、一太郎/三四郎/花子がOffice 2007ファイルの読込/保存(一太郎は読込のみ)に対応。また、Open Documentの読込/保存にも対応する(三四郎とAgreeは2008年秋対応予定)。
□ジャストシステムのホームページ (2007年12月11日) [Reported by wakasugi@impress.co.jp]
【PC Watchホームページ】
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