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ジャストシステム、ATOK/一太郎/花子 2007など一斉バージョンアップ
~統合スイート「JUST Suite 2007」もリリース

パッケージデザインが統一された新製品群

2007年2月9日 発売

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 株式会社ジャストシステムは、日本語入力システム「ATOK 2007 for Windows」、ワープロソフト「一太郎2007」、グラフィックソフト「花子2007」など、主要ソフト各種の最新版を2007年2月9日より発売する。また、7本のソフトが入った「JUST Suite 2007」も同時発売する。対応OSは、Windows 2000/XP/Vista。

●20代目になったATOK 2007

 日本語入力システムATOKは、今回のバージョンで20代目となり、同社の自然言語処理研究チーム「ATOK Lab.」の成果を組み込んだ新変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」を搭載した。価格は、通常版が8,400円、ダウンロード版が6,615円。

 前後の文節から意味を判断し、候補ウィンドウに表示される第2候補以降の候補順を動的に切り替える「最適候補提示機能」を搭載。例えば、「こうじ」を変換する際、通常では「工事」や「公示」が変換候補の上位にくるが、「こうじさん」と入力して変換すると、これを人名であると判断し「幸二」などの人名の候補を上位に表示する。同じく、「山本」という確定文字の直後に「こうじ」を変換させると、人名の候補を表示させる。

普通に「こうじ」と入力して変換した場合 これが「こうじさん」になると、名前の候補が上位に表示される 「こうじ」単体であっても、名字の後だと自動的に名前の候補が表示される

 このほか、共起用例が見直され、ATOK 2006では「それ/以外に/模様とを/探してみる」、「終了/意向に/発表する」となっていたものが、ATOK 2007では「それ/以外にも/用途を/探してみる」、「終了/以降に/発表する」と正しく変換される。

 ユニークな機能として、経路検索ソフト「乗換案内」をベースにした辞書が搭載されており、「けいきゅう」を変換すると「京急」が語頭につく駅名が変換候補に表示。さらに、サブウィンドウに表示される路線のリンクから停車駅を表示させたりといったことがATOK内だけででき、ブラウザに駅周辺地図を表示させることもできる。

「けいきゅう」で変換すると「京急」のつく駅名が表示 サブウィンドウには路線などの情報も表示され、クリックすると停車駅が表示 「地図」のリンクをクリックすると、ブラウザで駅近辺地図が表示される

 校正支援機能も強化され、「内蔵」と「内臓」、「以外」と「意外」など間違えやすい言葉の変換時に、似た同音語をツールチップに表示して注意を促す。

 前バージョンで好評だったという「日付入力支援機能」も改善され、新たに「去年」、「来月」、「金曜日」など、年月や曜日をキーワードとして、日付の入力ができるようになった。また、ATOKパレットに「日付入力パレット」が搭載。ここからカレンダーを表示させて、日付や時刻の入力が簡単に行なえる。

 Windows Vistaについては、Vistaの新ユーザーインターフェイスや「JIS X0213:2004」対応にあわせて、インターフェイスの見直しを図ったほか、表外漢字字体表の情報表示に対応した。

日付入力支援機能は、曜日、年月にも対応した 新たにATOKパレットから日付入力パレットを呼び出せるようになった。クリックするとカレンダーが表示され、日付をクリックすると一太郎などに入力される 日付の書式は欧米式から、元号表示まで多岐にわたる
Windows Vistaに完全対応し、格納時はIMEのようにツールバーに表示される 間違えやすい同音語を指摘してくれる 印刷標準字体へも対応

 なお、上場企業の正式社名の入力や会社情報の表示ができる「会社四季報 企業名変換辞書for ATOK」、「明鏡国語辞典・ジーニアス英和/和英辞典/R.2」、「『説得できる英文Eメール200の鉄則』文例」を標準搭載する「ATOK 2007 for Windows [プレミアム]」も同時発売される。価格は、通常版が11,550円、ダウンロード版が9,450円。

●エディタフェーズなどを搭載した一太郎2007

 ワープロソフト一太郎2007は、通常版、特別優待版、特別優待版ダウンロード版、バージョンアップ版、アカデミック版が用意され、価格は順に、21,000円、10,290円、7,770円、8,400円、8,400円。

 新バージョンの開発にあたり同社では、文章の入力に「書く」、「考えを練る」、「編集する」、「確認する」、「読む・見る」の5つの段階があると想定し、それぞれに対して「エディタ」、「アウトライン」、「基本編集」、「提出確認」、「ビューワ」の5つのフェーズを実装した。

 フェーズは画面左下のアイコンをクリックすることで切り替わり、エディタフェーズではカット&ペースト、基本編集では文字の装飾などというように、インターフェイスもそれぞれのフェーズに応じたものに切り替わる。

一太郎2007のスクリーンショット 利用シーンに応じたフェーズを使う新インターフェイスを採用 左下のアイコンをクリックしてフェーズを切り替える
フェーズを切り替えると、ユーザーインターフェイスも別物に変わる エディタフェーズの画面
見出しなどを整えるアウトラインフェーズ 電子印鑑などセキュリティ処理を行なったり、校正を行なう提出確認フェーズ ビューワフェイズでは文章の編集はできず、印刷プレビューなどとして利用する

 中でも特徴的なのはエディタフェーズで、メールの本文など、自動的に改行された文章を貼り付けた際に、範囲指定をしてボタンを押すだけで行末の改行を一括削除したり、逆に他のアプリケーションにテキストを貼り付ける際に、行末の折り返し位置に改行を入れるなどして、レイアウトを保ちつつデータを移動させる機能を搭載。

 また、行頭のスペースの数から見出しレベルを判断し、レイアウトを整える「見栄えの文章に整える」機能や、Internet Explorerの文字入力欄を右クリックすることで一太郎のエディタフェーズを呼び出して、文章を入力することで、誤送信などを防ぐ機能を搭載する。

 このほか、Vista向けにXPS(XML Paper Specification)出力や、デスクトップ検索、検索フォルダ、Windowsメールからのアドレス帳取り込みなどに対応する。

見栄えの文章に整えるを使うと…… 行頭のスペースの数から見出しレベルを判断し、整形してくれる Internet Explorerで文字入力する際に、右クリックから一太郎2007のテキストフェーズを呼び出せる

●文字入力ウィンドウを搭載した花子2007など

 グラフィックソフト花子2007は、書籍セット、ATOK 2007セット、優待版、アカデミック版が用意され、価格は順に、10,290円、10,290円、7,350円、7,350円。

 新機能として、画面左側に「文字入力ウィンドウ」を搭載。作成する図面に含まれる文字が全て表示され、エディタを操作する感覚で文字の入力や編集が行なえる。

 従来、多数のテキスト枠を持った画像の場合、テキストを修正するには、各枠をマウスでクリックした後に、キーボードで文字入力を行なう必要があったが、文字入力ウィンドウでは、キーボードだけで集中的にテキストの編集ができる。

 また、文字入力ウィンドウ上で、テキストを範囲選択して、右クリックから「長方形で囲む」といった文字付き図形への加工もできる。

花子2007。左側に文字入力ウィンドウを新搭載 テキスト編集を集中して行なえる。また、文字付き図形への加工も可能

 Agree 2007は、新開発されたプレゼンテーションソフト。通常版、通常版ダウンロード版、ATOK 2007セット、優待版、アカデミック版が用意され、価格は順に、8,190円、6,300円、10,290円、5,775円、5,775円。

 独自の機能として、プレゼンテーション中も、カーソルを画面右端に持って行くと、スライドのサムネール一覧が表示され、目的のスライドに簡単に移動できるほか、図形やテキスト枠をドラッグすると、他の図形などの端やセンタリングの位置を示すガイド線が表示され、横位置や縦位置などを合わせられる機能などを搭載。

 また、クリップアートが日本地図など日本人に向けたものを厳選して収録し、フォントもプレゼンテーションで見栄えがするという13の専用フォントを搭載する。

新開発のプレゼンテーションソフトAgree 2007。今回の発表会もこのソフトで行なわれた カーソルを右端に持って行くとスライドのサムネールが一覧表示されるので、ちょっと前に戻りたいときなどに便利 図形をドラッグするとガイド線が表示され、レイアウトを楽に行なえる

 表計算ソフト三四郎2007は、通常版、通常版ダウンロード版、優待版、アカデミック版が用意され、価格は順に、5,250円、3,675円、3,150円、3,150円。

 新機能として、複数のセルを範囲指定した際に、数値の合計が自動表示される「オートカルク」機能を搭載。表示部をクリックすると、平均、最小値、最大値、データの個数、数値データの個数に順次切り替わる。

 ATOKと連動することで、関数の書式が分からない場合に、「ごうけい」、「へいきん」などと入力すると「=SAM」、「=AVERAGE」といった関数が変換候補に表示され、そのままセルに入力できる。また、「兆億万」や「第一四半期」など日本固有の単位表示にも対応する。

三四郎2007 日本固有の「兆億万」といった単位の表示に対応 オートカルク機能により、セルを範囲指定するだけで、合計値などが自動的に表示される

JUST Suite 2007の内容

 これらのソフトに加え、メールソフト「Shuriken Pro4 /R.2」(Vista対応版)、PDF作成ソフト「Justsysytem PDF Suite」が付属する統合ソフトとしてJUST Suite 2007が発売される。価格は、通常版が26,250円、特別優待版が18,900円、特別バージョンアップ版が15,750円、アカデミック版が15,750円。

 また、一太郎2007、花子2007と連携可能なオプション製品として、翻訳ソフト「翻訳ブレイン」、地図ソフト「速攻!全国ゼンリン地図帳3」、OCRソフト「一発!OCR Pro5 for 一太郎」、テンプレート集「一太郎特選テンプレート&イラスト集[学校・教育編]」、XML作成ソフト「XMLテンプレートクリエーター3」も同時発売。価格は順に、31,290円、9,975円、10,290円、7,140円、21,000円。

●統合オフィスソフトの新たな選択肢に

浮川和宣氏

 12日に行なわれた製品発表会では、同社代表取締役社長 浮川和宣氏らが統合オフィスソフトに対する意気込みなどを語った。

 同社が示したスライドによれば、マイクロソフトOfficeのユーザーを対象としたアンケートで、マイクロソフト製品に対する評価は、品質や機能などについては高いものの、価格については評価が低い。一方、サンマイクロシステムズのStarSuiteについては、価格には満足しているが、サポート面で不満が残る結果が出た。

 対して、一太郎はどうかというと、価格を除く全ての点で、上記の統合ソフトを上回る結果だったという。

 こういった、従来製品の高評価を武器に、長らく寡占状態の続く統合ソフトオフィス市場に“新たな選択肢”を送り込む。ただし、浮川氏は「マイクロソフトの牙城の切り崩しがすぐにできるとは思っていない」としており、地道な改良と努力の積み重ねにより、徐々にシェアを広げていきたい考えだとした。

□ジャストシステムのホームページ
http://www.justsystem.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.justsystem.co.jp/news/2006l/news/j12121.html
□製品情報
http://www.justsystem.co.jp/software/

(2006年12月12日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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