続・「Xbox 360バリューパック」ハードウェアレポート
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従来版とバリューパック版のXbox 360 |
11月1日 発売
価格:34,800円
●バリューパック版のCPUは“Falcon”か
昨日掲載した『「Xbox 360バリューパック」ハードウェアレポート』において、Xbox 360本体のCPUについて触れた。
従来版(上)とバリューパック版の外観上の一番の違いは背面パネルのAV端子付近 |
CPUの外観上は、コアがシュリンクしていることは明らかだった。また、コアの縦横比が変わっていることから、大幅なレイアウト変更またはプロセスの移行が行なわれた可能性は高いと見られた。
その一方で、パッケージの化粧箱(外箱)の消費電力の記述が従来どおりであること、ACアダプタに表記されている仕様に変更がないこと、から最終的な結論は留保していた。
一言でいえば、「バリューパックに入っているXbox 360本体のCPUは、コードネーム“Falcon”と呼ばれる65nmプロセス製品である」と断言できなかったのだ。
編集部でもFalconだ、と断言できるよう引き続き情報収集は進めているが、今回は方向を変えて、Xbox 360本体の消費電力を測ることにした。
これまでのXbox 360(以下、従来版)とバリューパック版のXbox 360本体は、CPU以外の部分では変更点が少ない。光ドライブやHDDはほぼ共通の仕様であり、GPUの外観もほぼ変わらない。あえて言えば、HDMI端子の追加によって、バリューパック版の方が消費電力的には不利かもしれない。
したがって、従来版とバリューパック版で同じゲームをプレイし、その際の消費電力を比較すれば、それはかなりの部分、CPUによる変化であると言って良いだろう。
つまり、Falconであると、断定はできないまでも、有力な状況証拠は手に入るのではないかと思われる。
●「Forza Motorsport 2」で消費電力を測る
消費電力の計測は、サンワサプライの「ワットチェッカー」で行なった。
比較用に用意した従来版のXbox 360は、2006年9月に製造されたものだ。本体以外の環境を共通にするために、ACアダプタはバリューパック付属のものを使用した。使用したゲームもバリューパック付属の「Forza Motorsport 2」だ。
まず、従来版で「ダッシュボード」、ゲームを起動したあとの「デモンストレーション」、初期状態で全部デフォルトを選んだあとの「レース」、それぞれの消費電力を計測した。続いてバリューパック版で、同じ動作をして消費電力を計測した。
結果は次の表の通りだ。
種目 | 従来版 | バリューパック版 |
ダッシュボード | 153W | 103W |
デモンストレーション | 155W | 104W |
レース | 174W | 122W |
同じゲームをしても、バリューパック版(左)は従来版よりも消費電力が低い |
計測方法が簡単なので、結果を心配していたのだが、2台の間でははっきりとした差が出た。
それぞれ、何度か繰り返したが、差は数W程度で、ほとんどぶれない。
一言でいえば、「バリューパック版の消費電力は、従来版の約3分の2しかない」ということになる。
なお、デモ画面を3度繰り返した見た状態で、背面を触ったところ温度の上がり方がだいぶ異なっていた。両機の温度差がはっきりわかるのだ。放射温度計で同じ位置を測ったところ、従来版が48度、バリューパック版が43度という差だった。あまり負荷のかかっていない状態でも、これぐらいの差がある。連続負荷時には、両機の差はより大きいだろう。
●結論:Falconの可能性大
今回は時間の関係で簡単なチェックしかできなかったが、消費電力と温度で大きな差が出た。
「バリューパックのCPUは、かなり高い確率で65nmのFalconである」と言って良いと思う。
なお、末筆ではありますが、前回の記事に対してたくさんのご意見をお寄せいただいた読者の皆様に感謝いたします。
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【11月1日】「Xbox 360バリューパック」ハードウェアレポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/1101/xbox360.htm
【7月13日】【海外】Wiiとホームを意識し始めたMicrosoftのXbox 360戦略
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0713/kaigai372.htm
【2005年12月16日】Xbox 360の消費電力と騒音を調べる
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1216/ubiq137.htm
(2007年11月2日)
[Reported by date@impress.co.jp]