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「Xbox 360バリューパック」ハードウェアレポート
~HDMI端子の追加と、GPUの冷却強化

「Xbox 360バリューパック」

11月1日 発売

価格:34,800円



 11月1日に、「Xbox 360バリュー パック」(以下バリューパックと略)が発売された。

 これは、スタンダードモデルのXbox 360本体に、ゲームソフト2本を同梱したお買い得なパッケージだ。価格は、同じく11月1日に値下げされたスタンダードモデルと同じ34,800円で、事実上、年末商戦の主力とみてよいだろう。

 しかも、このバリューパックのXbox 360本体は、ただのスタンダードモデルではない。なんと、HDMI端子搭載が確約されているのだ。つまり、日本でも発売されたばかりの「Xbox 360 エリート」と同じ内容の最新ロットであることが推測される。

 編集部でもバリューパックを入手できたので、内部構造の変化を中心にレポートしよう。

【11月2日追記】11月2日付でCPUの種別について考察した『続・「Xbox 360バリューパック」ハードウェアレポート』を掲載いたしました。あわせてお読みください。

【11月12日追記】本記事の当初掲載時において、CPUのプロセスが90nmである誤って記載されておりましたことをお詫びいたします。ご指摘をいただきました皆様に感謝いたします。

●お買い得なバリューパックの内容

 バリューパックのパッケージ内容は次のとおりだ。

・「あつまれ!ピニャータ」ゲームソフト 1本
・「Forza Motorsport 2」ゲームソフト 1本
・Xbox 360 本体 1台
・Xbox 360 HDD(20GB) 1個
・Xbox 360 ワイヤレスコントローラー 1個
・Xbox 360 メディアリモコン 1個
・Xbox 360 D端子 HD AVケーブル 1本
・LAN ケーブル 1本
・AC アダプター 1個
・取扱説明書 1式
・単三乾電池 4本

 バリューパックを購入する際の、チェックポイントは2つある。

 Xbox 360本体は、HDMI端子を持っているが、付属するケーブルはD端子用だ。HDMIで接続する場合は、別途ケーブルが必要となる。

 純正の「HDMI AV ケーブル」は、希望小売価格が5,250円と高価だが、付属のオーディオアダプタで音声出力ができる。デジタルオーディオ出力をしたいという場合は、こちらが必須だ。これは、どういう仕組みかというと、通常のHDMIケーブルと、薄型のコネクタを持ったオーディオアダプタがセットになっているのだ。従来のAVケーブルは端子が大きすぎて、HDMI端子まで塞いでしまうためので、AVケーブルとHDMIケーブルを同時に接続することはできない。

 逆に言えば、HDMI端子を持つTVにつないで、TVの音声出力を使用する場合は、純正品ではなく通常のHDMIケーブルでも接続できる。手元にHDMIケーブルを持っている場合は、あわてて純正品を買わずに、まず接続してみることをお勧めする。

 もう1つは、HDDの容量で、エリートとは異なり、20GBとなっている。これで十分な場合も多いが、大量にダウンロードする場合は、容量に注意したい。また、些細なことだが、「あつまれ!ピニャータ」と「Forza Motorsport 2」は1つのケースに収められた専用版となっている。

 ACアダプタや、コントローラーなどの周辺機器類は外観から見る限り変化がなかったので、今回はXbox 360本体の内部を中心にお伝えする。

パッケージ表面 パッケージ裏面 バリューパックを表わすシール

パッケージ裏面の表記1。HDDは20GB 表記2。「HDMI端子(1)」と明記されている 表記3。消費電力は従来と同じ116W(typ)/254W(Max)

CEROレーティングに関する警告シール 箱に入っていたレーティング一覧

箱はこのように開く 開けると、Xbox 360本体がきちきちに入っている 本体を外に出すと、付属品類がカラフルな袋に入って詰め込まれている

袋の表記例。「電源」は良いが「動かす」って直訳すぎ 内容物一覧。左下にあるようにゲームは1つのケースに2枚のディスクが入っている ACアダプタの仕様は、初期ロットと同じようだ

Xbox 360本体 立てた状態の正面 上面

右側面 左側面 底面

横置きした状態 横置きした正面 背面

HDMI端子はAV端子のすぐ下にある 付属のAVケーブルを差すと、HDMI端子を塞いでしまう とりはずしたHDDの裏面

■■ 注意 ■■

・分解/改造を行なった場合、メーカーの保証は受けられなくなります。
・この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害はPC Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。
・内部構造などに関する記述は編集部が使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません
・PC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。

●強化されたGPUの冷却機構

 Xbox 360本体の分解は、約2年前に分解した最初のロットの製品とまったく同じ手順で行なえた。

 つまり、フロントパネルをはずし、上下パネル、サイドパネルと外していく。ネジはすべてトルクスで、長短3種類が使い分けられている。

 初期ロットと異なっていたのは冷却機構で、CPUのヒートシンクが小型化されている。また、GPUについては、以前からあった低いヒートシンクに加え、ヒートパイプによって導かれた新しいヒートシンクが追加されている。新しいヒートシンクはCPUのヒートシンクの手前に設置されており、ファンへの風路にあり、有効な冷却が行なえそうだ。いわゆる「レッドリング(ランプ3個点灯時のトラブル)」の原因としてGPUの加熱を指摘する声があったが、それと直接関係するかどうかはわからないが、より安定した動作がもたらされることは確実だろう。

 なお、ヒートシンクの追加により、ヒートシンクを支えるリテンションも強化されているようだ。

 マザーボードの配置は基本的に初期ロットと同じだが、いくつかコンデンサが省略されているところがあった。初期ロットのマザーボードは過大なほどコンデンサと抵抗が搭載されていたが、動作確認が進んで最適化されたものと思われる。

 HDMI端子が増設されたことによる変更は、ごく少ないようで、特に目立つチップの増設などは行なわれていない。HDMI端子の追加については、当初から告知されていたので、初期ロット時から搭載を前提とした設計となっていたようだ。

 また、DVDドライブについては「日立LG」製のものが搭載されていた。ごく短時間ピニャータをプレイした限りでは、初期ロット時と同じ程度の動作音に感じられたが、このあたりはゲームソフトの種類にも左右されるので、参考意見として考えてほしい。

フロントパネルをはずしたところに封印シールがある 封印シールは一度剥ぐとこのようにわかってしまう。もちろん保証の対象外となる サイドパネルを片方はずした状態

シールドがよさそうな金属ケース。ネジはすべてこの方向から止められている 残っていたサイドパネルをはずすとマザーボードが見える 手前が本体正面。左下のDVDドライブと比べると大きさがわかる

DVDドライブ以外は、冷却機構に覆われている 右手前にあるヒートシンクが目新しい ドライブは2本のケーブルで接続されている

DVDドライブのラベル。日立LG製だ ドライブをはずすと、GPUのヒートシンクが表われる 冷却用のダクトは凝った形状だ

冷却ダクトをはずした状態。主要部分はヒートシンクで覆われている。ヒートシンクの上に見えるのは15cmの定規 冷却ファンは従来通り2連 新しいヒートシンクはGPU用ヒートシンクとヒートパイプでつながれていた

追加されたヒートシンクは、ぎりぎりでコンデンサを避ける高さに片持ちのステー1本で支えられている シャーシからマザーボードをはずす 外したシャーシの刻印。FOXCONNは大手ODMメーカー

マザーボードを正面上方から 同じく背面から コンデンサと、ぎりぎりの高さ

GPUヒートシンクを単体で マザーボード背面には2つのリテンション リテンションの形状は同じにみえるが、強化されているらしく、とても外しにくい

マザーボードの全景(拡大画像は1,280×960ドット)

CPU。初期ロットとダイの縦横比が異なる GPU メモリはhynixだった

XSBと書かれたサウスチップ アナログ関係のチップ マザーボードの刻印

マザーボード表面(拡大画像は1,280×960ドット)

マザーボード裏面(拡大画像は1,280×960ドット)

●2年分の蓄積はあり

2005年12月に発売された初期ロットのヒートシンク部。これに比べると今回の製品は、CPUのヒートシンクが小型化し、GPUのヒートシンクが強化されたことがわかる

 ハードウェアとしてみた場合、Xbox 360本体はHDMI端子搭載によって、大きな変化はなかった。

 ただし、ヒートシンクを中心に、マザーボードの細部などにわたって、細かな改良が加えられていることがわかった。

 ワールドワイドでは健闘しているゲーム機だけに、ユーザーからのフィードバックを受けて、継続した開発が行なわれているとみて良いだろう。

 なお、CPUについては、ダイのサイズはあまり変わっていないものの縦横比の変化などから65nmである可能性はある。ただし、90nm→65nmではシュリンクの度合いも消費電力もあまり変わらないため、これが65nmプロセスの製品であるという明確な確認はできなかった。海外の一部情報サイトでは65nmとしているところもあるが、今回は結論は保留とさせていただきたい。この件については、引き続き情報を収集している。

 ただし、CPUプロセスの問題抜きにしても、今回のバリューセットは、購入には良いタイミングの製品であると感じている。

【11月2日追記】11月2日付でCPUの種別について考察した『続・「Xbox 360バリューパック」ハードウェアレポート』を掲載いたしました。あわせてお読みください。


□Xbox 360のホームページ
http://www.xbox.com/ja-JP/
□ニュースリリース
http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20071022.htm
□関連記事
【10月22日】マイクロソフト、「Xbox 360」の希望小売価格を改定(GAME)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20071022/xbox.htm
【2005年12月10日】Xbox 360ハードウェアレポート【本体編】
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1210/xbox360.htm
【2005年12月12日】Xbox 360ハードウェアレポート【周辺機器編】
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1212/xbox360.htm

(2007年11月1日)

[Reported by date@impress.co.jp]

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