7月22日 受注開始 価格:194,980円 サードウェーブから発売された「Prime Galleria XX」は、ドスパラブランドで発売されるゲーマー向けショップブランドPCだ。1,333MHz FSBのCore 2 Duo E6850(3GHz)を、nForce 680i SLIチップセットと組み合わせた構成が特徴で、標準構成時の価格は194,980円。各パーツをハイエンドクラスで固めた本製品を紹介していこう。 ●Core 2 Duo E6850とGeForce 8800 GTS 640MBを採用 サードウェーブは、7月に登場した1,333MHz FSBのCore 2 Duoシリーズを搭載したドスパラブランドPCを多数発売した。その中でも、最上位モデルとなるのが、今回取り上げるPrime Galleria XXである。ショップブランドらしくパーツをカスタマイズして購入が可能だが、今回テストしたのは下記に示すスペックのモデルで、これが標準構成となる。
CPUはCore 2 Duoシリーズでは最高クロック動作のデュアルコアCPUとなるCore 2 Duo E6850を採用している。1,333MHz FSB対応CPUの最上位製品はクアッドコアのCore 2 Extreme QX6850であるが、ゲームにおけるマルチスレッド化は発展途上で、まだまだクロック重視の傾向が強い。デュアルコアであっても最高クロックのCPUを搭載していることの意義は大きい。 このほか購入時に選択可能なCPUは、Core 2 Quad Q6600/6700、Core 2 Duo E6750/6650/6550となっており、Core 2 Quad両製品を選択した場合には追加料金が発生する。このラインナップであれば、ことゲーム用途においてはCore 2 Duo E6850がベストな選択肢だろう。 メモリはDDR2-800が1GB×2枚装着されており合計で2GBとなる。Windows Vista Home Premiumをプリインストールしたハイエンド寄りのPCとしては妥当な容量といえる。試用機ではA-DATAのCL=5品が装着されており、メモリスロットに2スロットの空きを残しているのは後々の増設を考えると心強い。 ちなみに、DDR2-667の2GB構成や、4GB構成も用意されているが、メモリ速度はゲームパフォーマンスへの影響があるので、ここはDDR2-800にこだわったほうがいい。 ビデオカードはGeForce 8800 GTS 640MB版。最上級でこそ無いものの、ハイエンドに属するビデオカードであり、最高画質を望まなければ十分なパフォーマンスを得られる。PC価格への影響が大きいパーツでもあるので、20万円を切るPCであることを考えれば納得できる選択だ。カスタマイズ欄には、GeForce 8800 GTXやGeForce 8800 Ultraが並んでいるので予算が許せば購入時に選択し直せばいい。 nForce 680i SLIマザーボードは、NVIDIAリファレンスモデルをサードウェーブ独自にOEM提供を受けたものと見られる。当然ながらSLIにも対応したスロット構成となっており、SLIブリッジも付属する。ただし、電源が18Aと16Aの12Vラインを持つ550Wモデルということもあり、GeForce 8シリーズのSLI化は少々厳しい印象を受ける。 nForce 680i SLIといえば、ネットワーク周りの機能も1つの特徴となっている。ゲーム用途においては、FirstPacketというパケットに優先順位を持たせることでオンラインゲームのパケットなどを優先的に処理するような機能もある。ただ、この機能は現時点ではWindows Vistaでサポートされていないようである。これはPrime Galleria XXの問題ではなく、NVIDIAのドライバがサポートしていないことによるもので、今後のドライバアップデートに期待したい。 HDDやOSもカスタマイズ可能であるが、とくにHDDは気に留めておきたいパーツだ。試用機には500GBのSamsung製ドライブが搭載されており、容量単価で選ぶのであれば、変更する必要性は低い。ただ、Western DigitalのWD Raptor(74GBと150GB)が選択肢として用意されており、パフォーマンスで選ぶのあれば追加投資を検討してもいいだろう。
●静音性と付属キーボードに好印象 さて、ゲームを楽しむ製品という視点で、このPrime Galleria XXの細かいところを見ていきたい。ゲームをプレイするうえで、音は重要なポイントとなるが、本製品のサウンドはRealtek ALC885を用いた、HD Audio準拠の機能となる。マザーボードオンボードデバイスをそのまま利用しており、オーソドックスな機能になっている。 余計な雑音を避けるという意味では、静音性も気にしたいところだが、このクラスの製品としてはかなり抑制されている印象を受けた。耳を立てると低く唸るような音がするものの、ゲームのサウンドが流れ始めると、それを大きく妨害するほどのノイズではない。 ファンレスにこだわりすぎると当然販売価格へも響いてくるし、ハイエンドパーツのファンレスは夏の暑い季節などには不安も大きくなる。コストや安定した冷却性能が得られ、ほどよく騒音が抑える本製品は、ときにPCの稼働時間が長時間に及んでしまうことがあるゲーム向けPCとしては良いバランスだと思う。 続いては、付属のキーボード、マウスである。どちらもノーブランドの製品で、購入時のカスタマイズ画面を見ても「サービス」となっているとおり、おまけ的要素を強く感じる付属品である。 しかし、このキーボードは置いたときの安定感は悪くない。キーはメンブレンスイッチだがフワフワしたタッチではなく、キー入力ポイントがはっきり分かる。むしろ、ややストロークが深いと感じる人がいるかも知れないほどだが、キーが重いわけではないので疲れはそれほど出ないと思われる。 接続はPS/2。さすがに全キー同時押しには対応していないが、入力パターンによっては多いところで8キーを同時入力できており、サービスで付属するものとしては満足度の高いキーボードである。 マウスはレーザーマウスである。ホイール付きで、ホイール/ホイール手前/本体左×3個の計5個のボタンを備える。ただ、このマウスはレーザーというわりには反応がそれほど良くないうえ、左側のボタンが綺麗に並びすぎていて一番手前のボタンを押したつもりが真ん中のボタンを押していることが何度かあり、少々慣れを要する。 反応に関しては、マウスパッドが付属しており、この上では安定した動きを見せるので問題は小さいかも知れないが、本製品においてゲームのために何かを追加購入するとするならば、まずマウスを変えるべきではないかと思う。 ●多数のゲームをハイクオリティで楽しめる性能
さて、本製品のパフォーマンスについてだが、5種類のゲーム系ベンチおよび3DMark06において、安定した成績を出していることが分かる。DirectX 10世代のアプリケーションとなる「ロスト プラネット」や「World in Conflict」では、解像度やクオリティ設定が向上した時に性能不足を見せているが、そうでなければ高クオリティ設定でも余力すら感じるスコア/FPSをたたき出している。 今回のテストにあたっては、ディスプレイにはナナオのワイド24型液晶ディスプレイ「FlexScan HD2451W」を用いているが、この環境においてゲーム利用の満足度は非常に高い。FlexScan HD2451Wは発色や残像感の少なさに定評があるが、本ディスプレイに限らず1,920×1,200ドットという高い解像度の価値は高い。 高い解像度でゲームを楽しむためには、当然ながら高い3D描画の負荷に耐え得る高いパフォーマンスのPCが求められる。もちろん底なしの予算があるのであれば、最高のパフォーマンスを出せるパーツを集めたPCを作るなり購入するなりすれば良いが、現実的にはコストと性能のバランスを考えながらPCを選ぶことになるわけだ。そうしたときに、20万円以下でこのような安定した性能が得られるPCは魅力が大きい。
□ドスパラのホームページ (2007年8月17日) [Reported by 多和田 新也]
【PC Watchホームページ】
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