「TurboUSB」対応USBメモリをベンチマーク
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発売中
価格:オープンプライス
株式会社バッファローのUSB高速化技術「TurboUSB」に対応したUSBメモリ「RUF-CS-BL/U2」シリーズが発売となった。発表時には6月中旬予定となっていたが、店頭で購入できたのは6月28日だった。
今回は、RUF-CS-BL/U2シリーズから、容量4GBの「RUF-C4GS-BL/U2」と、8GBの「RUF-C8GS-BK/U2」の2モデルを試した。価格はオープンプライスだが、ヨドバシカメラでの購入価格は順に7,980円、14,980円だった。
「RUF-C4GS-BL/U2」 | 「RUF-C8GS-BK/U2」 | 16%の速度向上を謳う製品パッケージ |
USBメモリは日常で使うユーザーも多く、TurboUSBでどれだけ高速化されるのか気になるところだ。
●TurboUSBのユーティリティをインストール
TurboUSB機能をおさらいしておくと、USB 2.0のデータ転送のボトルネックを解消するため、各ハードウェアに合わせた最適化を行ない、実効データ転送速度を向上させるバッファローが開発した独自の技術だ。これまでHDDやDVDドライブなど、速度向上の恩恵を受けるUSB外付け機器がリリースされている。
なお、TurboUSB機能はWindows 2000/XP/Vista(x86)のみで利用可能。MacintoshなどでもUSBメモリとしては使えるが、TurboUSBの恩恵は受けられない。今回の測定環境は以下の通り。
デスクトップ | ノート | |
CPU | Athlon 64 3500+ | Core Duo L2500 |
チップセット | nForce4 SLI | 945GMS Express |
USB 2.0コントローラ | nForce4内蔵 | ICH7M内蔵 |
OS | Windows XP Professional SP2 | |
USB 2.0ドライバ | OS標準 |
まずは準備として、TurboUSBユーティリティのインストールが必要だが、ユーティリティはバッファローのサイトからダウンロードする必要がある。前回試した外付けHDD製品は、ユーティリティCDが同梱されていたり、HDDの中に記録されており、オフラインでインストールできたことを考えると残念なところ。本来はUSBメモリで完結するよう、あらかじめフラッシュメモリ内に入れておくのが使い勝手の面で望ましい。同社サイトでこのユーティリティが公開されたのが6月14日だったため、初期出荷分に間に合わなかったという線が濃厚だろう。
ユーティリティのインストールは前回同様、簡単に終了する。インストール後、ユーティリティから「TurboUSBを有効化」を選択して開始ボタンを押すと、USBメモリの接続を促される。USBメモリを接続後に「次へ」を押すと設定は完了。次回からのUSBメモリ接続時に、TurboUSBが有効となる。
ユーティリティのインストール画面。開始ボタンを押すとインストールは完了 | インストール後に、設定ユーティリティを起動 |
USBメモリを繋ぐように促される。今回試した4GB、8GBそれぞれで設定が必要だった。各デバイスの固有IDを見ているようだ | 完了後、USBメモリを再接続するとTurboUSBが有効になる |
●8GBモデルが40MB/sec超を達成
では、ベンチマーク結果を見ていこう。
4GBモデルの通常時は、デスクトップPCでリード32.50MB/sec、ライト23.60MB/sec。TurboUSB有効時は37.82MB/sec、ライト28.67MB/secとなった。速度向上率は順に約16.4%、約21.5%。この結果から、バッファローがアピールしているリード37MB/sec、16%の速度向上という性能向上が確認できた。今回はCPU使用率も測定してみたが、TurboUSBによってCPU負荷が増すということはなく、通常のUSB 2.0と同等のCPU使用率だった。
ノートPCではリード29.87MB/sec、ライト20.80MB/secから、リード36.94MB/sec、ライト26.36MB/secに上昇。性能向上率では、リードが約23.7%アップ、ライトが約26.7%アップし、デスクトップよりもTurboUSBの効果が高かった。
デスクトップPCでの4GBモデルのベンチマーク結果(TurboUSB無効) | デスクトップPCでの4GBモデルのベンチマーク結果(TurboUSB有効) |
デスクトップPCでのCPU使用率の推移(TurboUSB無効)。後半に上昇しているのは4KBランダムリード時 | デスクトップPCでのCPU使用率の推移(TurboUSB有効)。CPUへの負荷はTurboUSBの有効/無効ではほとんど変わらない |
ノートPCでの4GBモデルのベンチマーク結果(TurboUSB無効) | ノートPCでの4GBモデルのベンチマーク結果(TurboUSB有効) |
「RUF-C4GS-BL/U2」のベンチマーク結果 |
8GBモデルは4GBとは全く違った結果が出た。リード速度は4GBと同等かそれ以上だが、ライト速度は4GBと比べると圧倒的に遅い。8GBモデルは書き込みの遅いフラッシュメモリ素子が採用されているようだ。
ベンチマーク結果は、デスクトップがリード34.62MB/sec、ライト7.815MB/secから、リード41.49MB/sec、ライト8.525MB/secに向上。速度向上率は順に約19.6%、約9.1%。ノートがリード31.27MB/sec、ライト7.808MB/secから、リード38.13MB/sec、ライト8.414MB/secに上昇し、向上率は順に約21.9%、約7.7%だった。
デスクトップPCでの8GBモデルのベンチマーク結果(TurboUSB無効) | デスクトップPCでの8GBモデルのベンチマーク結果(TurboUSB有効) |
ノートPCでの8GBモデルのベンチマーク結果(TurboUSB無効) | ノートPCでの8GBモデルのベンチマーク結果(TurboUSB有効) |
「RUF-C8GS-BK/U2」のベンチマーク結果 |
●さらなる対応製品の展開に期待
TurboUSB機能は外付けHDDに続いて、USBメモリでも良い結果を出した。ユーザーにとってデータ転送速度の向上は素直に喜べる性能向上で、ベンチマーク結果の見た目にも納得しやすい。TurboUSB対応デバイスは現時点ではまだ数製品だが、今後のラインナップ拡充に期待したい。
今回試した2製品は、基本的なUSBメモリの性能差がみられた。特に8GBモデルの書き込み速度の遅さは気になる点だ。そのため、TurboUSBとは関係なく、本製品で速い書き込み速度を求めるユーザーは4GBモデルの方が良いだろう。逆に、8GBモデルはTurboUSB有効時のシーケンシャルリードが40MB/sec(デスクトップ測定)を超えており、これは一長一短と言える。自分の用途や予算で考慮してほしい。
□バッファローのホームページ
http://buffalo.jp/
□製品情報
http://buffalo.jp/products/catalog/flash/ruf-cs-bl_u2/
□関連記事
【5月31日】バッファローのUSB高速化技術「TurboUSB」の実力
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0531/buffalo.htm
【5月30日】バッファロー、「TurboUSB」搭載のUSBメモリ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0530/buffalo1.htm
(2007年6月29日)
[Reported by yamada-k@impress.co.jp]