COMPUTEX TAIPEI 2007会場レポート 【スモールフォームファクタ編】
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DTXのリファレンスデザイン |
会期:6月5日~9日
会場:Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/2/3
Taipei International Convention Center
COMPUTEX TAIPEI 2007では、組み込み向けのMini-ITXを中心にスモールフォームファクタ(以下SFF)製品が多数展示されている。一方、少数ながらもコンシューマー向けにSFFを展開するベンダーもある。本稿では、そういったMini-ITX製品やAMDの推進するDTX製品などをピックアップして紹介する。
●ついに登場したMini-DTXケース
AMDは5日に開催したプレスカンファレンスにて、TDP 45WのAthlon X2とDTXフォームファクタを組み合わせることで、省スペース/省電力なPCを安価に提供できるとアピールした。しかし、現状では少数のベンダーがDTX対応マザーを展示するのみで、多くのSFF製品はMini-ITX規格となっている。
DTXマザーボードは、Albatronの「KD690-AM2」とASUSTeKの「M3A-MX」のほか、AMDがGIGABYTEと共同でWindows Home Media Server向けに開発した「Home Media Server Churchill RDK Board」を公開している。Home Media Server Churchill RDK BoardのフォームファクタはMini-DTX、Socket AM2をサポート。本体サイズは203×170mm。
そして、ECSがMini-DTXとMini-ITXに対応したケース「131A(シルバー)」と「131B(ブラック)」を公開した。本体サイズは90×300×270mm(幅×奥行き×高さ)で、容量は約7L。5インチ×1、2.5インチシャドウ×1の拡張ベイと、Low Profile×2の拡張スロットを備える。電源はFlex ATXの250Wを採用。Mini-DTXとはいえ、AMD以外からのMini-DTX対応ケースは初とみられる。
AlbatronのKD690-AM2 | ASUSTeKのM3A-MX |
AMDとGIGABYTEが共同で開発したHome Media Server Churchill RDK Board | Mini-DTX/Mini-ITX対応ケース「131A(シルバー)」と「131B(ブラック)」 |
●SFFのメインストリームMini-ITX
AOpenのMini-ITXを組み込んだ情報端末 |
Mini-ITXフォームファクタは、KIOSK端末やPOS端末、車載などの組み込み向けに多く展開されているが、その中からコンシューマー向けのものをピックアップして紹介する。
AOpenは、Blu-Ray搭載ミニPC「MP965-BDR」や、重箱のように積み重ねて拡張できるケース「S120」シリーズのほか、ハギワラシスコムと共同開発したbNAND搭載の組み込み向けマザーボード「i945-GMx-VUD」を公開した。
MP965-BDRは、同社が展開するミニPC「Pandora Experience」の筐体にBlu-rayドライブを搭載し、1080pのコンテンツ再生に対応するモデル。チップセットはIntel GM965+ICH8M。メモリスロットはDDR2-667対応SO-DIMMスロット×2。DVI、TV出力、HDMI出力を備える。
S120は、拡張ケースを積み重ねることで拡張できるMini-ITXケース。拡張ケースはスリム光学ドライブ/3.5インチシリアルATA HDD/アドオンカードに対応する。ベース部分には2.5インチHDDを搭載可能。S120は2006年末に情報が公開されていたが、現在量産中で、出荷間近とみられる。
i945-GMx-VUDは、1GB/2GBのbNANDを搭載した組み込み向けのマザーボード。bNANDはUSBメモリコントローラを内蔵し、USB接続のHDD/CD-ROMとして動作するほか、bNANDからブートすることもできる。対応OSはWindows XP Embedded/XP MCE/Linux(カーネル2.6以降)。
チップセットはIntel 945GM+ICH7-MDH。メモリスロットはDDR2 SO-DIMMスロット×2。mini pciスロットを備える。インターフェイスはDVI-I/TV出力/Gigabit Ethernetなどを備える。本体サイズは150×152mm。
Blu-rayドライブを搭載したMP965-BDR | ケースをスタックして拡張機能をアレンジできるS120 |
拡張ケース(黒) | ハギワラシスコムと共同で開発したi945-GMx-VUD |
このほかのトピックとしては、MSIがファンレスのMini-ITXキット「Blade GM965/CX700」を、AOpenがmicroATX/FlexATX対応ケース「G328/G326」を、ECSがMini-ITXケース「211B」を、ASUSTeKが802.11nドラフト対応メディアサーバー「DMA-VI5HD」を、GIGABYTEがHDMI装備のAV機器風PC「GB-MEC」を、JETWAYが任天堂Wii風のSFF向けケースを展示した。
MSIのファンレスのMini-ITXキット「Blade GM965/CX700」。いずれもFuzzyシリーズのマザーボードを搭載し、上面のヒートシンクで放熱する | AOpenのmicroATX/FlexATX対応ケース「G326」。オプションで前面のパネルに温度表示が可能 | G326の下位モデルとなる「G328」。情報表示パネルが省かれている |
ECSのMini-ITXケース「211B」 | ASUSTeKの802.11nドラフト対応メディアサーバー「DMA-VI5HD」。HDMI/コンポーネント/コンポジット出力などを備える | HDMI装備のAV機器風PC「GB-MEC」。チップセットはATi RS600ME+SB600。 |
JETWAYのWii風ケース | 台座を取り除いた状態 |
□COMPUTEX TAIPEIのホームページ(英文)
http://www.computextaipei.com.tw/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0606/comp04.htm
(2007年6月8日)
[Reported by matuyama@impress.co.jp]