IBM、Charteredなど5社、32nmプロセスでアライアンスを結成5月23日(現地時間) 発表 IBMとChartered Semiconductor Manufacturing、Samsung、Infineon Technologies、Freescale Semiconductorの5社は、32nmプロセス技術と生産技術の開発を共同で行なうことに合意したと発表した。 これまでIBMとChartered、Samsungは、「Common Platform」テクノロジとして、1つのデザインの半導体を3社の各工場で顧客企業に供給可能な協力体制を展開してきた。また、Infineonとは開発共同アライアンス・パートナーとして協力体制を築き、Freescaleは2007年1月にテクノロジーアライアンスに参加することを発表していた。 今回の合意はこれらのアライアンスを基に、32nmバルクCMOSプロセス技術とプロセス・デザイン・キットの開発を行なうもの。また、これまで推進してきたCommon Platformを継続し、顧客企業に対してマルチソーシングによる選択の柔軟性と、先端プロセス技術の早期供給を実現するという。 今回のアライアンスは2010年までの予定で、2009年第4四半期にCommon Platformにて32nmプロセス技術の提供開始を目指す。
●日本企業へパートナー参加を呼びかけ また5社は5月24日、都内で32nmプロセス共同開発に関する記者発表を行ない、その取り組みを日本企業に向けてアピールした。
IBM システム&テクノロジグールプ 半導体技術プラットフォーム担当バイスプレジデント スティーブ・ロンゴリア氏はアライアンスの目的を以下のように説明。 半導体ビジネスは技術の複雑さや物理的限界への接近、研究コストの上昇などにより、チャレンジが難しくなっている。またそれらを理由とした、Freescaleの身売りやPhilips Semiconductorの独立など半導体業界再編の動きもある。そういった状況で、「経済面と技術面でのチャレンジの波を乗り越えるアライアンス」と今回の合意を位置付けた。 そして次の取り組みが、同社のアライアンスを32nmまで延長することで、4社のIntegrated Device Manufacturerと1社のピュア・ファウンダリが協力し、アプリケーションにおけるテクノロジの定義と、生産の低コスト化/歩留まり向上を目指す。具体的には、High-k/メタルゲートの採用や、歪みシリコン技術、Low-k絶縁膜の導入や、第2世代の液浸リソグラフィの実用化などを挙げた。 また同氏は、Common Platformのテクノロジにおけるリーダシップや共通デザインによるマルチソーシング、デザイン環境の充実などのメリットを強調し、日本の顧客企業に対してアライアンスへの参加やプラットフォームの採用を呼びかけた。
CharteredのWalter F. Lange氏は、「今回のアライアンスは市場にとっても、日本の企業にとっても時期を得たパートナーシップ。プロセスが進むにつれクリアが難しくなっており、テクノロジとマテリアルがそろわないと難しいが、我々のアライアンスはパーフェクト」とその優位性を強調した。 また、SamsungのByung-Hoon Ben Suh氏は、「プロセスとデザインは切っても切れない関係で、柔軟にソーシングを行なうのも難しい。しかしCommon Platformはファウンドリの顧客に3社から供給できるのがメリット。このパートナー技術をさらに高め、日本のパートナーに参加してもらうことでより長く強固なアライアンスにしていきたい」と抱負を述べた。
□IBMのホームページ(英文) (2007年5月24日) [Reported by matuyama@impress.co.jp]
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