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TSMC、45nmプロセスの量産を9月より開始
~45nmプロセスのロードマップを公開

Field Technical Support Marketingディレクターの石原宏氏

4月13日 開催



 台湾のファウンダリ企業Taiwan Semiconductor Manufacturing Company(TSMC)は9日(現地時間)、45nmプロセスのテストを完了し、9月より45nmプロセス製品の生産が可能になると発表した。量産開始は2008年前半を予定。

 合わせて、TSMCジャパン株式会社は13日、都内で記者会見を開催。Field Technical Support Marketingディレクター 石原宏氏が、45nmプロセス投入のスケジュールを説明した。

45nmプロセスの特徴

 45nmプロセスでは、リソグラフィーを193nmのドライ式から、同じく193nmのウェット(液浸)に切替え、IMD(絶縁膜)のLow-Kを2.9から2.5へ変更した。また、65nmで採用した歪み技術とChannel Orientation Rotationを改善し、45nmへ採用した。

 その結果、45nmプロセスでは65nmの2倍の集積度を実現すると共に、消費電力と製造コストの低減を実現。最終製品では機能の40%追加や、チップサイズの40%カットが可能になる。

●45nmプロセスの単体投入はLow Power版から

45nmプロセスのファミリ展開

 45nmプロセスは、「45LP(低消費電力)」、「45GS(GSuper、高性能)」、「45LPG(LPと汎用のGを統合)」の3ラインが用意され、それぞれにHigh/Standard/Lowの閾値電圧と1.8V/2.5V/3.3VのI/Oオプションが用意される(非効率なパターンは除く)。

 SoCにおける45nmの投入は、2007年9月にLogic部分から行ない、2007年末にEmbedded DRAM(以下eDRAM)を利用した「CLN45LP」を投入する。45nmでは、256MbitのDRAMを内蔵可能。45LPGでは65LPG同様に、SoC上でLPとGの両方を利用できる。45GSではハーフシュリンク(HS)したテクノロジーを採用しており、45Gより速く、面積が小さい物になるという。ともにロジック部分に投入され、時期は2008年第2四半期。

 45nm Low Powerプロセス単体では、ゲート密度が倍になるとともにロジック面積が半分になり、65LPと比較して消費電力が30%カットされ、動作スピードは30%向上するとしている。Mixed SignalやRFなどもワンチップ化することでコストをカット可能。また、65nmプロセスからの変更が液浸リソノグラフィーの採用とLow-Kの変更という、最小限の変更のため製造/開発のリスクが低いとしている。

 45nm LPは400MHz~500MHzで動作するため、これまではHSやGを採用していたDTVやCAMコーダーといった製品にもLPで対応できるという。

 ワイヤレス/ポータブル機器向けには、2007年9月からCLN45LPを提供し、続いてeDRAMを内蔵したものを2008年第1四半期に、RFを内蔵したものを第2四半期に量産化していく。PCやネットワーク製品には、ハイパフォーマンスとメインストリームに対して2008年第2四半期から「CLN45GS」にまとめて提供していくほか、SoCにはeDRAMを内蔵したものを提供していく。

 一方、コンシューマ向けでは高い信頼性が要求されることから、ハーフノードの「CLN55GC」を2007年第4四半期から投入。その後順次、メディアセンターセグメントへCLN45GSを、SoC向けにeDRAMを内蔵したCLN45GSを投入していく。

45nm SoCのロードマップ ワイヤレス/ポータブル機器向け45nm LPのロードマップ
PCやネットワーク機器向け45nmプロセスのロードマップ コンシューマエレクトロニクス向け45nmプロセスのロードマップ

●エコシステムを構築して45nmを推進

TSMCが提供するの45nmデザインエコシステム

 また、同社はこれまで同様に、ライブラリの提供とIP(Intellectual Property)のサポートを行なう。加えて、Monte Carlo Simulationに対応したPDK(Processing Design Kit)や、モデルベース/ルールベースの両アプローチに対応したDFM(Design For Manufacturing)などのツールを提供。これらにより顧客が45nmのデザインを容易に行なえる環境を整えたとした。

 また、LSI試作サービスも引き続き提供する。2007年は5月/9月/12月に予定されており、非常に多くの予約を集めているという。それを受けて2008年には隔月での実施を行ない、カスタマをサポートしていくとした。

 なお、同社は32nmについての計画も持っているとしたが、「45nmの影が薄れる」として明言を避けた。

□TSMCのホームページ(英語)
http://www.tsmc.com
□ニュースリリース(英語)
http://www.tsmc.com/tsmcdotcom/PRListingNewsAction.do?action=detail&&newsid=2120
&&newsdate=2007/04/09&&language=E

http://www.tsmc.com/tsmcdotcom/PRListingNewsAction.do?action=detail&&newsid=2121
&&newsdate=2007/04/09&&language=E

□関連記事
【2006年9月15日】TSMC、45nmプロセスを2007年第3四半期に立ち上げ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0915/tsmc.htm
【2006年11月6日】東大、1チップで512G FLOPSを達成する512コアプロセッサ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1106/tokyou.htm

(2007年4月13日)

[Reported by matuyama@impress.co.jp]

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