インテル、クアッドコアと仮想化技術の親和性をアピール
2月22日 開催 インテル株式会社は22日、都内で記者説明会を開き、同社 マーケティング本部 デジタル・エンタープライズ・グループ テクニカル・マーケティング・エンジニアの岩本成文氏が、クアッドコアのXeonと仮想化技術の高い親和性について説明した。 同氏は、現在出荷されているクアッドコアXeon E5300シリーズについて、デュアルダイのアプローチによって高い歩留まりと低消費電力、高性能を実現しつつ、従来のデュアルコアと同価格帯に抑えられたとアピール。特に、Coreマイクロアーキテクチャの採用により業界最高水準の消費電力あたりの性能を実現したとした。 一方、仮想化技術の本来の目的は、集約性の高さと低コスト化、および互換性と信頼性の実現にあるとし、「クアッドコアのXeonにより、高い集約性を実現するとともに、ソフトのソケットあたりのライセンスのコスト低減、インテルアーキテクチャの高い互換性実績と信頼性を実現できる」と述べた。
また、「45nmプロセスの2way用Xeon新製品も既にテープアウトしており、将来的にソケット互換により現在のプラットフォームにも搭載できる。企業が求めるライフサイクルの長い製品として最適だ」と語った。 続いて、株式会社IMJネットワーク 代表取締役 山田敏博氏が、クアッドコアXeonと仮想化の具体的な検証事例を紹介した。 検証は、Windows XPをゲストOSとして20台のシンクライアントを、シングルコアXeon 3.66GHz×4ソケット(合計4コア)+メモリ32GBと、クアッドコアXeon 2.66GHz×2ソケット(合計8コア)+メモリ16GBのそれぞれの環境でテスト。その結果シングルコアXeon環境では平均CPU利用率が62.4%だったのに対し、クアッドコアXeon環境では17%だったとし、CPUのキャパシティが3.67倍となったという。
また、4ソケットのサーバーでは、VMware ESX Serverのライセンスも4ソケットにする必要があったが、2ソケットのサーバーではライセンス2個のみで済む。さらにキャパシティが約2倍になったことで、「コストパフォーマンスは最大4倍になる」とした。 将来的な課題としては、I/O性能のボトルネックの解消のほか、集中リスク、セキュリティなどが課題になってくるとし、これらを改善して行く必要があるとした。 ●将来的にI/Oの仮想化もサポート 最後に、岩本氏が今後のプラットフォーム全体の仮想化技術の動向を紹介した。 CPU側では、今後新たにIA-32プロセッサ向けの「VT-x Gen2 Architecture」を搭載。新たにMSR Bitmapsなどをサポートすることにより、バーチャルマシンのパフォーマンスを向上させるという。 また、新たにゲスト上の物理アドレスとホスト上の物理アドレスをハードウェアで変換させる「Extended Page Tables(EPT)」をサポートする。これまでソフトウェアで実行していたゲストOSのメモリアドレスの変換のオーバーヘッドを減らし、実効速度を向上できるとしている。
チップセット側では、「VT-d」と呼ばれる仮想化技術を実装し、DMAをリマッピングすることによって、バーチャルマシン上から直接I/Oにアクセスできる。これまでのソフトウェアでデバイスエミュレーションのオーバーヘッドをなくし、性能を向上できるとしている。 VT-dの実現には、デバイス側のサポートも重要だとしており、現在PCI Expressを策定したPCI-SIGが「IOV」と呼ばれる仮想化の標準を進めているという。今四半期にも策定される予定としており、デバイス側で仮想ファンクションを装備することにより、複数のバーチャルマシン上で同一のデバイスを直接扱えるようになる。 岩本氏は、このIOVの実装はNICから始まり、今後その他さまざまなデバイスに拡大していく見通しだとし、「このようにインテルではプラットフォーム全体の仮想化を推し進めており、企業が求める仮想化に応えられる」とした。
□インテルのホームページ (2007年2月22日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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