Windows Vista時代を快適に過ごす環境
【第一回:ワイド液晶編】



 いよいよ発売が30日に迫ったWindows Vista。5年強ぶりに主流OSが刷新されるとあって、非常に注目を集めていることはここで述べるまでもないだろう。Windowsが新しくなるたびに、厳しいハードウェア要求に悩まされてきたわけだが、今回のWindows Vistaも同様のようだ。そこで、ここでは3回に渡り、主にビジュアル面からWindows Vistaを快適に使うために利用したいハードウェアを挙げていきたい。まずは、ワイド液晶である。

●テスト環境とGeForce 8800 GTXのドライバについて

 まずは、今回利用するハードウェア環境を紹介しておきたい。今回のWindows Vistaの試用にあたって、

CPU:Intel Core 2 Quad Q6600
マザーボード:ASUSTeK P5B(Intel P965)
メモリ:DDR2-800 1GB×2
ビデオカード:NVIDIA GeForce 8800 GTX
HDD:HGST Deskstar T7K250(HDT722525DLA380)
光学ドライブ:日立LG GSA-4163B

といった構成のPCを自作した。

 Windows Vistaでは、PCの基本的な性能を「Windowsエクスペリエンス インデックス」(5.9点満点)として表示する機能がある。この環境におけるインデックスは画面1の通りで、特にパフォーマンスに関連する部分は新しいパーツを中心にしているため、かなりハイエンドな環境として認識されている。

 少し話はそれるが、GeForce 8800 GTXのドライバについて注釈しておきたい点がある。NVIDIAの公式サイトでは、Windows Vistaに対応したForceWareのRelease 95(原稿執筆時点の最新バージョンは97.46)が提供されているが、実はこのドライバはGeForce 8800シリーズには対応していない。

 そこで、今回の環境では、NVIDIAから提供してもらっている評価用のForceWare Release 100(ドライババージョンは100.54)を利用している(画面2)。Windows Vista正式発売の段階で、公式サイトにRelease 100がアップロードされるかは不明だが、少なくともメディアに提供できる段階まではドライバの開発が進んでいるわけで、GeForce 8800シリーズのユーザーも期待できる状況にはあるといえる。

【画面1】参考までにテスト用に組んだPCのWindowsエクスペリエンス インデックス 【画面2】原稿執筆時点でGeForce 8800 GTX用のドライバは公開されていないが、Release 100の評価用ドライバは存在している

●サイドバーの影響が大きいWindows Vista

【写真1】ナナオの「FlexScan S2411W」

 さて、本題のワイド液晶であるが、ここではナナオの「FlexScan S2411W」を使用している(写真1)。WUXGA(1,920×1,200ドット)に対応した24.1型のワイド液晶である。すでに、レビュー記事も掲載されているので、詳しいスペックや使用感については、そちらを一読いただくといいだろう。

 現在、液晶ディスプレイならば17/19型のSXGA(1,280×1,024ドット)製品、CRTユーザーならUXGA(1,600×1,200ドット)あたりの解像度で利用しているユーザー数が多いと想像されるが、Windows Vistaでは、この解像度ではおそらく不満が出てくるだろう。

 画面3に示したように、コントロールパネルの表現方法が変わり一画面に表示される文字数が非常に多くなったし、普段利用するエクスプローラにしても従来のステータスバーに表示される情報量が増えた。また、これまでは左側のペインに表示されていたプレビューが独立して右側に表示されるようになったのも影響は大きい。ウィンドウサイズを変更することで、より大きなサイズでプレビューできるようになったのはメリットなのだが、横方向の解像度が狭いと、そのメリットも享受しづらい。

 さらに、サイドバーの存在もある。このサイドバーの存在によって“Windows Vistaにはワイド液晶が最適”といった風潮が生まれているが、まさにその通りだと思う。これは、Windows Aeroを使うか否かに関わらない問題であり、どのエディションを選択するにせよ、横方向の解像度は広いに越したことはないだろう。

 ちなみに、サイドバーの横幅は147ドットある。タスクバーが32ピクセルなので、実質的なデスクトップ領域は、SXGAでは1,133×992ドット、UXGAが1,453×1168ドット、WUXGAが1,773×1,168ドットとなる。特にSXGAでは横方向の解像度が1割以上も削減されてしまうわけで影響は大きい。

 例えば、Webブラウザは起動したままにする人も多いと思うが、そこに表示された情報を参照しつつ文書を作成するシチュエーションを考えてみたい。ここでは、PC Watchのトップページを例に挙げるが、ここは広告エリアを含めて960ドット強で、表示幅が固定されているWebサイトとしては極端に大きい横幅とはいえない。そして、このトップページを表示したうえで残る分量を、ノートパッドの文字数で表してみたものが画面4~6だ。12ptの全角文字数にしてSXGAで5文字分、UXGAで25文字分、WUXGAで45文字分となる。

 ここでは、分かりやすくするために極端なウィンドウ配置をさせており、実際にはウィンドウを重ねることで、一行5文字で編集といった行為は行なわないし、現実的ではない。しかし、サイドバーの存在もあって、とくにWindows Vistaでは横方向の解像度にゆとりをもたせることが、快適さに直結するといっても過言ではないだろう。

【画面3】Windows Vistaではサイドバーの存在に加え、コントロールパネルやステータスバーの文字量が増えたほか、プレビューペインがエクスプローラの右側に表示されるように変更されたため、広いデスクトップ領域が求められる
※クリックで原寸の画像が表示されます
【画面4】1,280×1,024ドット環境において、Internet Explorerとノートパッドを表示した画面
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【画面5】1,600×1,200ドット環境において、Internet Explorerとノートパッドを表示した画面
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【画面6】1,920×1,200ドット環境において、Internet Explorerとノートパッドを表示した画面
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●Office 2007でも嬉しいワイド液晶

 表題を“Windows Vista時代の~”としたが、Windows Vistaと同時に発売されるのが「the 2007 Microsoft Office system」(以下Office 2007)で、このMicrosoft Officeのメジャーアップデートも大きな注目を集めている。Windows Vistaでは、Office 2007を使う場合にも、ワイド液晶のありがたみを感じさせる。ここでは、試用版を用いて、いくつか例を挙げてみたい。

 まず、Microsoft Word 2007において、先述の3つの解像度で2ページ表示をさせたときの画面が画面7~9だ。SXGAやUXGAではA4用紙2ページ分を表示すると、下部に余白ができ、その分、編集時のサイズの小さくなってしまう。リサーチペインを消すと、もう少し余裕はできるが、せっかくの機能は利用しなければもったいない。ともかく、SXGAやUXGAで利用するのなら、1ページ編集が無難といえるだろう。その点、WUXGAサイズでは余白もなく、画面サイズをフルに活かした2ページ表示ができていることが分かる。これはOffice 2007に特化した話ではない。

【画面7】1,280×1,024ドット環境でのMicrosoft Word 2007の2ページ表示
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【画面8】1,600×1,200ドット環境でのMicrosoft Word 2007の2ページ表示
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【画面9】1,920×1,200ドット環境でのMicrosoft Word 2007の2ページ表示
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 Office 2007では、“リボン”と呼ばれる新しいユーザーインターフェイスが採用されている。リボンは各々に独立したコマンドを実行するアイコンと、タブから形成されるが、このアイコンを表示できる数が横方向の解像度に左右されるのだ。例えば、先の画面でいえば、スタイルをボタン1つで変更できるボタンの数が変化している。これはつまり、“余分な操作を行なうことなく実行できる機能の数が解像度によって異なる”と言い換えることもできるわけで、作業効率に違いが発生することになる。

 そこで、Office 2007 Professionalに含まれ、リボンを持つ3つのアプリケーション「Microsoft Word 2007」、「Microsoft Excel 2007」、「Microsoft PowerPoint 2007」で、解像度によってリボンがどのように変化するかを比較してみた(画面10~18)。画面は各アプリケーションからリボン部のみを切り抜いて、1枚の画面に収めたもので、横幅の感覚もお分かりいただけるようにサイドバーもあえて残している。

 WUXGAとUXGAの比較では、Word/Excelではスタイル、PowerPointではテーマと画面切り替えといった、デザインに関する部分で表示項目数が異なるのみ。しかしながら、SXGAでは、それだけではなく、一部アイコンが縮小表示されたり、アイコンの説明が割愛されるなどして、かなり圧縮した表示内容になってしまっている。

 デザインに関する部分以外のほとんどはワンクリックで操作できるように工夫されてはいるのだが、例えばカット/コピーといった頻繁に使うアイコンが小さくなってしまっているのは操作ミスを生みやすそうだし、Wordの文書校正あたりは慣れないと各アイコンの機能が判別しづらい。

【画面10】1,280×1,024ドット環境における、Microsoft Word 2007のリボン
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【画面11】1,600×1,200ドット環境における、Microsoft Word 2007のリボン
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【画面12】1,920×1,200ドット環境における、Microsoft Word 2007のリボン
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【画面13】1,280×1,024ドット環境における、Microsoft Excel 2007のリボン
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【画面14】1,600×1,200ドット環境における、Microsoft Excel 2007のリボン
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【画面15】1,920×1,200ドット環境における、Microsoft Excel 2007のリボン
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【画面16】1,280×1,024ドット環境における、Microsoft PowerPoint 2007のリボン
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【画面17】1,600×1,200ドット環境における、Microsoft PowerPoint 2007のリボン
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【画面18】1,920×1,200ドット環境における、Microsoft PowerPoint 2007のリボン
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 このほか、最近の各種イベントや製品発表会において、プレゼンテーションがワイドスクリーンであることが非常に多くなったのだが、PowerPoint 2007では、こういった情勢を考慮して、「ワイド画面プレゼンテーション」というテンプレートが追加されたほか、ページ設定でワイド画面用のアスペクト比に設定できる項目が用意されている(画面19)。また、Microsoft Outlook 2007では、To Doバーを表示させると横方向に4ペインが並ぶスタイルになる(画面20)。

 このように、Office 2007の各アプリケーションを利用するにあたっても、WUXGA対応のワイド液晶の効果は高い。SXGAでは不便を感じることも多く、UXGAでも作業効率の面でWUXGAで明らかに一歩劣る印象だ。

 本文中でも触れてきた通り、Windows Vista世代になって、Microsoftはとにかく横方向への解像度を求める傾向が強いことが分かる。理想をいえばWUXGAやWQXGA液晶ということになるが、そこまでは手が出ないという場合でも、同程度のドット数を持つ液晶(例えばUXGAとWSXGA+)で悩んだならば、積極的にワイドタイプを選択した方が、より快適な利用環境につながるだろう。

【画面19】Microsoft PowerPoint 2007ではワイド画面用のテンプレートが追加されたほか、ワイド画面のアスペクト比を指定できる
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【画面20】Microsoft Outlook 2007はTo Doバーを含めて横方向に4ペインが並ぶ。横方向の解像度が欲しくなるデザインだ
※クリックで原寸の画像が表示されます

□Windows Vistaの製品情報
http://www.microsoft.com/japan/windowsvista/
□S2411Wの製品情報
http://www.eizo.co.jp/products/lcd/s2411w/
□関連記事
【2006年12月13日】【Hothot】WUXGA対応24.1型ワイド液晶ディスプレイ「ナナオ FlexScan S2411W」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1213/hotrev317.htm

(2007年1月29日)

[Reported by 多和田新也]

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