富士通、1Tbit/平方インチの記録密度を実現するHDDメディア技術
1月10日 発表 株式会社山形富士通、株式会社富士通研究所、財団法人神奈川科学技術アカデミーは10日、次世代HDDの記録媒体向けの陽極酸化アルミナナノホールの一次元配列において、世界で初めて25nmの間隔のナノホール列の形成に成功したと発表した。 垂直磁気記録のメディアでは、磁性材料を人工的に規則正しく並べたパターンドメディアが必要とされている。アルミニウムを酸化したアルミナでは、直径が数nmサイズの無数の細孔が形成されており、この細孔に磁性金属を充填させることでパターンドメディアの実現が期待されていた。
しかし、アルミナのナノホールは、自己組織化的に蜂の巣状に形成されるため、円周方向に磁気記録するHDDメディアには不向きだった。研究グループではこれまでアルミニウム表面にライン状の凹凸パターンを形成し、1列のアルミナナノホールを配列する技術を開発したが、一次元配列の間隔は45nmが限界だった。 今回、陽極酸化条件を最適化することにより、グルーブ内に2列のナノホールを形成し、間隔の微細化に成功。これにより現在の電子線描画の限界に近い50nm間隔の凹凸ラインでも、凹部の幅25nmの両側にナノホール列を形成し、25nm間隔を実現した。 これにより、1インチあたり1Tbitの記録密度を実現でき、現行製品の5倍以上の記録容量が実現できるとしており、今後実用化に向けて、ナノホールを円周方向に配列し、軟磁性下地膜形成を含む記録媒体を作成する予定。 □富士通のホームページ (2007年1月11日) [Reported by ryu@impress.co.jp]
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