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会場レポート【パナソニック/シャープ編】

パナソニック、大容量の第3世代リチウムイオン充電池
~シャープはViiv PC連携AQUOSとPLCアダプタをデモ

会期:1月8日~11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Centerなど



 2007 International CESの中央ホールに大きなブースを出展している国内家電メーカー各社。家電の展示会という位置付けのため、ブースはTVやプレーヤーなどが中心だが、PC系の新製品、新技術も参考出展されている。

 パナソニックは容量3,600mAhの大容量を誇るリチウムイオン充電池、シャープはViiv PCと連携する液晶TV「AQUOS」や電力線ネットワークアダプタの展示を行なっている。

●3,600mAhの第3世代リチウムイオン試作品

 パナソニックのブースでは、リチウムイオン充電池の新技術を展示。同社が第3世代と呼ぶこのリチウムイオン充電池のプロトタイプは、正極と負極の材料にニッケルと合金を採用することで、容量を3,600mAhまで高めた。2007年に量産を開始する意向だという。

 現時点でも多くの製品が採用している第1世代のリチウムイオン充電池の容量は2,400mAh、2006年4月から出荷され2006年夏モデルのLet'snoteから採用された第2世代は最大2,900mAhで、第3世代の容量は大きく増加している。1Lあたりの容量は、第1世代の約1.4倍、第2世代の約1.2倍となる。

第3世代リチウムイオン充電池の試作品 合金とニッケルを電極に採用する 左から第1世代、第2世代、第3世代の電極材料

 正負極の材料は、第1世代がコバルトとカーボン、第2世代ではコバルトをニッケルに変更、第3世代でカーボンを合金へと置き換えた。第1世代からは正負極の材料が完全に変わっている。最大充電電圧は従来世代と同等の4.2Vをキープしているが、最低放電電圧が第1世代の3V、第2世代の2.5Vから2Vまで下がり、この電圧の広さにより大容量を実現したという。

 新しい合金の電極は、放電/充電の間に収縮/膨張を繰り返してダメージを受けるため、量産が非常に難しかったそうだが、新たな工法を適用してカーボン世代と同等の耐用年数まで改善したという。また、電池内部での短絡を防ぐHRL(Heat Resistance Layer)技術も採用している。

各世代の電圧の比較 各世代の容量の比較

●DLNAクライアント機能を持ったAQUOS

カンファレンスで紹介された
「LCD Future Technologies」

 シャープのブースは、カンファレンスで紹介された世界最大の108インチAQUOSが大きな注目を浴びている。PC関連では、カンファレンスで「LCD Future Technologies」(液晶の将来技術)として紹介された「Network AQUOS」がデモを実施している。

 このNetwork AQUOSは、DLNAクライアント機能を装備した液晶TV。著作権保護コンテンツの再生が可能なDTCP-IPもサポート。これまで東芝のREGZAやソニーのBRAVIAなどが実装していた機能をシャープも搭載する。すでに機能面は実装可能なレベルになっているそうだが、市場の動向などを見ながら投入する予定だという。

 行なわれているデモは、Ethernet経由でViiv対応PCのコンテンツをAQUOSで再生するもの。AQUOSとPCの中継にはPLCアダプタを使用している。このPLCアダプタの物理層の転送速度は理論値200Mbpsで、AES 128bitの暗号化を行なえる。製品としては2007年上半期にも国内投入される見込み。

 なおこのデモは、米国のネット回線事情ではHDコンテンツを受信する帯域の確保が難しいそうで、CESではいったんViiv PCに保存してから再生するというやり方にしたという。再生可能なフォーマットは、動画がMPEG-2 TS/PS、VC1、H.264、音楽がMP3とWMA、写真がJPEGとなっている。

Network AQUOSのメニューに「Music」「Photo」「Video」のほか「Intel Viiv Zone」が用意されている AQUOSとViiv PCとの中継に使用されたPLCアダプタ。筐体はスリムタイプ AQUOSへのコンテンツ配信サーバーとして用意されたViiv対応のミニPC

□2007 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
□パナソニックのホームページ
http://panasonic.jp/
□シャープのホームページ
http://www.sharp.co.jp/
□関連記事
【2006年12月19日】パナソニック、電池内部のショートを防ぐ“安全かつ高容量”のリチウムイオン
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/1219/pana.htm

(2007年1月10日)

[Reported by yamada-k@impress.co.jp]

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